東京・青山の心理カウンセリングルーム オンライン・電話対応可

オンラインやお電話でも相談できます

子どもの不登校を理解する〜学校・親・本人要因の視点から

 
保護者必読 不登校 完全網羅 タイプ別理解と対策 保護者にして欲しいこと カウンセリング東京*青山
この記事を書いている人 - WRITER -
アバター画像
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
詳しいプロフィールはこちら
東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です(オンラインカウンセリング・電話カウンセリング受付中)

 

わたしは、中学校のスクールカウンセラーもしているのですが、学校で一番多いのが不登校に関するご相談です。

 

子どもの不登校は、本人だけでなくご家族にとっても本当に大きな、胸を痛める出来事です。

 

でも、子どもにとって、かけがえのない大きな成長チャンスになる場合も多いのです。

 

不登校が終わって学校に復帰したときに、それまでの幼さが消えて、見違えるように成熟し、タフになり、「あぁ、こうなるためのXヶ月だったんだね!!」と周りが唸るような、そんな不登校体験もあります。

 

このような不登校体験にするためには、愛情深く、根気づよく見守ってくれる家族の支えと、本人と環境を理解してナビゲートするセラピストの連携が欠かせません。

 

まずは、その理由の源を理解しましょう。学校の要因がないかどうかからスクリーニングしていきます。

 

行けない理由が学校にある場合

子どもの不登校を理解するために大事なヒントが隠されているのが、不登校のきっかけは何か?ということです。

 

まずは、本人の訴えに耳を傾けてください。そして、学校での様子が心配だと思いますので、担任の先生にもお話を聞いてみてください。

 

もし、ひとりvs.集団でのいじめがあることがわかったり、本人の尊厳を傷つける暴言暴力があるとわかったら、直ちに担任の先生だけでなく、管理職の先生(校長先生・副校長先生)ともお話しましょう。学校はお休みさせてオッケーです。

集団のいじめがあったら学校を休んでもOK 

 

いじめではないけど、仲良しとギクシャクしてクラス内の居心地が悪くなってしまって行きにくいこともあるかもしれません。

 

この場合は、子どもたちがクラス集団として成長していけるように、学校の先生と連絡を密にして、応援していきたいです。

 

子どもたちのいがみ合いも、成長過程に生じる一時的なことと腹を据えて、相手の子どもだけを責めないでいけるといいなぁと思います。

 

先生から見ると学校では普通に過ごしているのに、なぜかしら?ということもあります。でも、本人は気になることがあって、楽しく過ごせない。こういうときは、子どもの話をよく聴いてあげてください。

 

ご家庭や先生が自分のことを心配して見守ってくれていることや「あなたは悪くないよ」と言ってもらえることで本人の安心感があがります。

 

その結果、学校に戻っていけることもよくあります。

 

家庭と学校で歩調を合わせて本人を温かく見守る体勢を作ることができると、本人も教室に復帰していける場合も多いのです。

 

セラピストよしだ
保健室の先生やスクールカウンセラーに相談してみることもお勧めします。

 

クラスの外にも本人の居場所ができることで、本人を支えやすくなります。

 

家庭の要因で学校に行けなくなっている場合(小学生に多いが中学生にも見られる)

本人の訴えをもとに、担任の先生ともお話をして、対応してみた。すると、一度は学校に戻ったけれども、また行けなくなる。

 

あるいは、本人の訴える学校のことをひとつひとつ対応しても、本人が全く学校に行くそぶりを見せない場合。

 

セラピストよしだ
そんなとき、次に検討したいのが、家庭環境による要因です。

 

最近、ご家庭では何か変わったことがありましたでしょうか?

 

たとえば、

✔️  弟・妹の誕生

✔️ ご家族の病気や介護

✔️ 転居した・転校

✔️ これまで家庭内で一番優先されていた家族メンバーのケアが一段落した

✔️ 本人の病気治療

✔️ お父さん・お母さんが仕事を始めた・辞めた・転職した

 

弟妹の誕生・ご家族の病気や介護

この場合は、少しゆっくり本人とお話をしてみることが一番です。

 

とくに”ご家族の病気や介護”の場合、ご事情を隠すよりは伝えるほうがよいと思いますが、何をどの程度、どのようにお伝えになるかは、ご両親でもよく話し合っておかれることが望ましいと思います。

 

セラピストよしだ
事情を理解することで、自分のせいではないことがわかって安心したり、自分にも何かできることがないか考えるきっかけになることがあります。

 

誰かの力になる体験というのは、何歳の子どもにとっても貴重なものですから。

転居・転校

セラピストよしだ
転居や転校が不登校のきっかけになるお子さんは、決して少なくないというのがわたしの印象です。

 

もともと学校生活が苦手だったのに、新しい環境でがんばらなければいけないという新たな負荷がかかって息切れしてしまう子。

 

逆に、もともとの学校生活がとても充実していて、能力も高く、先生から「どこへ行っても活躍できますね!」などと言われていた子でも、新しい学校にはまったく馴染めず、行けなくなることがあります。

 

転居・転校がこれ程までに影響するのか!と大人が呆然としてしまうようなケースです。例えていうと、本人同士は相思相愛の大恋愛だったのに、親の都合で無理矢理仲を引きさかれた恋愛、という感じ。

 

大半の子は、わりとスムーズに適応していくため、大人はつい甘く見積もってしまいがちなのが、転居・転校ケースの難しいところです。保護者や先生が「これくらいのことで」と言ってしまうと、本人がますます孤立してしまいます。

 

本人にとっては理不尽な体験だったのだ、ということをおうちの方が理解してくださるといいです。

 

そして、無理せず、新しい学校の楽しいところから、入って行けるように考えてみてはいかがでしょうか。

 

 これまで家庭内で一番優先されていた家族メンバーのケアが一段落した

これも、わりとよくあるケースです。例えば、ご家族の中でハンディのあるお兄ちゃんのケアが最優先だったけど、お兄ちゃんの生活も安定してほっとしたところだった。あるいは、ずっと家でおばあちゃんの介護をしてきたが、ケア施設に入られたなど。

 

本人は、本当はずっと寂しかったけれども、家の事情をよく理解していて、わがままを言えずに来たのですね。そして、今度は「ぼく・わたしの番!」とばかりに、愛情要求が出た結果、お母さんから離れるのを嫌がるようになったりします。

 

一番よい(短期間で済む)のは、覚悟を決めて、みっちりと本人と向き合うことです。本人のこころの愛情胃袋が満タンに満たされたら、ケロッと日常生活に復帰します。

 

大切なのことは、「本人のわがまま」と切り捨てないことです。

 

本人は、他の家族メンバーに対して、ご両親が粉骨砕身してきたことを見て来ています。同じ熱量の愛情が欲しいのに、もらえなかったとしたら、たとえ学校に復帰したとしても、こころの中に大きな空洞を抱えたままになるでしょう。すると、少し先の成長の難所で(たとえば思春期)再度、より困難な課題となって登場する=問題の先送りになってしまいます。

 

本人の病気治療

何らかの病気治療で辛い時期を過ごしたお子さんが、身体は健康になったのに、学校に行き渋ったり、母親と離れることを不安がったりするようなケースです。

 

転居・転校ケース同様、このような反応が出るかどうかは子どもによると思います。

 

「もう健康なのだから、学校に行きなさい」というのが大人の理屈ですが、本人にしてみたら、治療をがんばる過程で、自分のこころのエネルギーも全て使い果たしているから、とてもがんばれないのです。

 

この場合は、どうか、ゆっくりと本人のエネルギー回復を待ってあげてほしいと思います。

 

本人にも学校にも「まだまだ本調子じゃないから、ゆっくり復帰しようか」と説明してあげてください。

 

セラピストよしだ
こころのエネルギー量が満タンになったら、自分から学校に戻って行きますよ。

 

お父さん・お母さんが仕事を始めた・辞めた・転職した

小学生のお子さんなどは、これまで家にいたお母さんがお仕事に出ることで、本人が不安がる場合があります。

 

セラピストよしだ
お母さんのお仕事復帰タイミングとしては、ちょっと早かったかもしれませんね。 

 

とはいえ、ご事情もあると思いますから、ゆっくりとお話をする時間を設けてあげてください。(ただ、不安があまりに強いようでしたら、お仕事を見直す必要性がある場合もあると思います。)

 

これまでお忙しかったのに、お仕事を辞めて家にいるようになったら本人が甘え出した場合。これは”これまで家庭内で優先されていた家族メンバーのケアが一段落した”と同じような対応が望ましいと思います。

 

お父さん・お母さんのお仕事は、本人とは関係がないように思えますが、子どもによっては敏感に察して不安がったり、甘えたりすることがあるのです。

家庭不和・離婚

子どもの不登校で、実は高確率で出現するのがこの問題です。

例えば

● ご夫婦関係がずっとギクシャクしたまま過ごしてきた

● お父さん(お母さん)が不在がちで、まるで片親家庭のよう

● 両親ともに不在がちで、子どもだけ生活している

● 別居に踏み切った・離婚する予定・離婚した

● 両親そろっているが、暴言や暴力があるためいつもピリピリしている

(暴言暴力が子どもに向けられたものでなくても、子どもたちは心に大きな傷を受けます)

 

お父さんとお母さんがケンカばかりしていたり、お互い顔も合わせないなど、家庭の中が冷たく不安定な場合に、子どもも無気力になってしまう、不安が高く家から出られないということは、とても多いです。

 

こんな時に、「学校に行きなさい」、「がんばりなさい」と言われても、がんばれないのは当たり前です。

 

とはいえ、家庭のご事情もあるのですよね。ぜひ、お子さんとお話をする時間を作ってください。ただ、その時に、家族メンバーの誰かを悪者にする発言はつつしみましょう。「こうなったのはお父さんのせい(お母さんのせい)」などと言われたら、子どもがもっと傷つくだけです。

 

では、何をどう話せばよいか?

 

家庭が不和であることに心を痛めていること、子どものこともとても心配していること。その思いを伝えてあげてください。ここが伝わるだけでも、子どもは安心して、もう少し親と話をしてみようと思ったり、自分にできることはやろうと思ったりするものです。

家庭の要因で学校に行けなくなった場合のまとめ

子どもにとって、家庭は一番大切な場所です。小さな変化にも敏感に反応する子どもたちは、家庭が大好き・大事と思っている証拠です。親子関係を見直す機会ですから、どうぞ、ていねいに対応してあげてください。

 

セラピストよしだ
学校復帰を最優先すると、問題の先送りになることもあるので、ご注意くださいね。

 

本人の成長のために一時的にひきこもる不登校

子どもの不登校の要因を考えてみたときに、学校のこと、家庭のことを振り返ってみたけれども、思い当たることがない場合。

 

また、思い当たることがあり、対応した。本人もそれについては納得できているようだけれども、学校には復帰しない場合。

 

それは、子ども本人の成長過程において、一時期、サナギとでも名付けたい不登校・ひきこもりの時期をすごすお子さんかもしれません。

 

ひきこもりタイプの不登校には、大きく分けて2つのタイプがあると思っています。

*一定期間引きこもるさなぎタイプ

*何度か脱皮を繰り返して成長するバッタタイプ

ただし例外が2つあります。(とても大事なので、先に書きます。)

こころの病

小学校高学年以上のお子さんで、人目を極端に嫌ったり、極端に被害的になるなど、なんだか様子が変だと感じたときは、心療内科か精神科の思春期外来を受診してみてください。お薬の治療が必要な場合があります。

 

はっきりしないと感じたときも、受診してみて、「お薬はいりませんよ」と言われたら、安心できます。

 

心療内科・精神科は、すこし行きにくいかもしれませんが、「風邪をひいたら小児科に行く、こころの風邪は心療内科・精神科だね」とお話してみてください。

 

スクールカウンセラーや教育相談所の相談員に、地域の病院について聞いてみると、心療内科を持つ小児科など、行きやすいところを紹介してもらえるかもしれません。

ゲーム・PC・スマホ中毒

これらの電子機器に向かっている時間は一日何時間でしょうか?日常生活に支障が出る程のめり込み、昼夜逆転してしまうようなことはありませんか?

 

まずは、遊ぶ時間を決めること、それ以外の時間は電子機器に触れないようにするなど、環境を整えてみてください。

 

ここまで電子機器にのめり込んでしまう背景には、学校がつまらない、勉強がわからない、友だちがいない、居場所がないなど、いろいろな理由があると思います。そこまで合わせて考えて行く必要があります。

 

今は、ネット依存症の治療を行っている病院もありますが、とても予約がとりにくいです。そして、そこで行う治療も、生活リズムの管理やカウンセリングが中心です。(何か薬を飲んだらすぐに治る、というものではありません。)

 

ただ、親や先生の言うことは聞かないが、権威あるお医者様の言うことなら聞く、という子もいますので、そういうときはお医者様への相談がとても有効です。

 

ネット依存が心配なときはスクリーニングテストでチェックしてみてください。(国立久里浜医療センターのHPへ)

さなぎタイプの不登校

はじまり

お休み始めは、家庭でも学校でも、なんとか学校へと様々な手をつくしたり、本人も行けたり行けなかったりするので、何かとても落ち着かない感じがあります。

 

あれこれ手を尽くして、本人もがんばろうとするんだけど次第に調子が落ちてくる。なんだか動きがにぶくなった感じがする。

 

たとえばいろいろ相談して、保健室登校にしてみようとか、遅刻してもOKにしてみようとか、お友だちや先生が迎えに来てくれるとかすると最初はがんばれるんだけど、続かない。

 

朝起きられなくなってくる。夜更かし気味になる。もしかして、これはサボリなの?

苦しいことから逃げているの?と感じる。

 

あるいは、「学校を休むなんて許しませんよ!」と家でもプレッシャーをかけて、物理的に家から出す・学校へ連れて行くなど、強硬策をとっても、どうしてもダメだ。親も、今は学校に行かせるのは無理だ、とわかった(けど、どうすれば?)。

さなぎタイプ・不登校のまん中

子どもは、さなぎの中にこもる時期・低め安定期に入っていきます。

 

さなぎ期の子どもたちの様子も、百人百様です。家の中でも自室に引きこもりがちになる子もいれば、学校以外の場所なら外出もできるし、友だちとも遊べるという子もいます。

 

保護者の方は、うちの子はひきこもりという病にかかった!と感じたり、怠学・逃避ではないか?こんなことでは将来とても困るだろうと悲観したりするのではないでしょうか。

 

家の中で家族に対して、今まで以上に甘えたり、わがままになったり、暴言・暴力を出す子もいると思います。

 

学校との関係性も舵取りが必要です。家でも必死にがんばっているのに、家庭の子育て問題と誤解されてしまったり、そうは言われなくても、うっかりすると学校からも忘れられがちになって、寂しい思いをすることもあるかもしれません。

保護者が相談することがとても大切

欠席が長引くときは、できれば何らかの相談機関につながることが望ましいです。

 

家庭内で抱えるのはとても困難ですし、行き詰まりやすいです。

 

中には、子どもに何をしても駄目だった、とあきらめてしまう方もいらっしゃいます。確かに、子どもは時期がくれば自分から出てくるので、放っておいても復帰していくこともあるでしょう。

 

でも、できることなら、子どもの様子をよく把握して、「今だ!」という時期を見逃さずに、早く元気に復帰させてあげたいのではないでしょうか。

 

子どもが不登校になったときに、本人を相談機関につなげようとしても難しい場合があります。本人が外出を嫌がる場合も多いですし、場所によっては(例えば学校内)本人が行きたがらないこともあります。「何を相談すればよいかわからない」と言うかもしれません。(本人だって、なぜ自分が学校に行けないかわらかないことも多いです。)

 

ですから、まずは、保護者が相談につながることが大切です。 

 

保護者がカウンセリングに通い始めて、気持ちが落ち着くと、子どももカウンセリングスタートとなることもあります。(保護者の安心感はとても大切ですね!

 

でも、子どもはカウンセリングに繋がることなく、保護者のカウンセリングだけで、子どもの学校復帰まで見届けるケースもよくあります。

 

とにかく、おひとり(あるいはご夫婦・ご家族)だけで抱えてしまわないで、ご相談においでください。

相談先:

■  お子さん学校のスクールカウンセラーに相談する(いちばん身近なプロ)

■  お住まいの地域の、「子育て相談」「教育相談所」に相談する(検索してみてくだいね!)

■  お住まいの地域の臨床心理士に相談する→日本臨床心理士会

■ はこにわサロンでもご相談をお受けしていますので、必要なときは「カレンダー」からお申し込みくださいね。

 

適応指導教室・フリースクール

不登校のお子さんで、学校以外の場所なら行ってもいい・行きたいというお子さんがいます。あるいは、不登校の「おわり」の時期がきて、学校復帰の前段階として学校よりは集団が小さく、柔軟性のある場所を利用したいこともあるでしょう。

 

学校によっては、相談室や保健室への登校を提案してくださるところもあると思います。また、お住まいの地域に適応指導教室や相談学級などという名前の、不登校の子どもが通える少人数学級が設置されているところも多いと思います。

 

適応指導教室は、学校の教室で勉強することが難しいお子さんが通うことのできる小規模な学校様の教室で、教育委員会が運営しています。費用がかからず、出席扱いになることも多いようです。学校とも情報のやり取りがありますから、学校復帰の際に相談にのってもらうこともできます。現役・退職教員がスタッフを務めている場合も多く、プチ学校という感じでしょうか。興味があれば、学校か教育相談所に相談しましょう。

 

フリースクールは、NPOや私立の運営なので、費用がかかります。設備や活動内容も様々です。でも、適応指導教室より、自由度が高いと思います。たとえば、制服を着なくてもよいとか、登下校時間が自由、学校とは違う様々な活動があるなど。フリースクールなら通えるという子も少なくないのではないでしょうか。フリースクールの出席・活動内容を学校に報告できれば出席扱いとなることもあります

さなぎタイプ・おわり

子どもによりますが、目安としては1年前後で、なんだかそろそろ羽化するかしら?という時期が来ます。

 

たとえば、昼夜逆転していた子が、自分で生活リズムを整え始める。自室に籠りきりだった子が、家族と食事をとるようになる。家族となら外出するようになる。身体を鍛え始めたり、洋服を欲しがる・髪を切るなど身支度を整える様子が見られるようになります。

 

1年間、友だちとはまったく連絡をとっていなかったのに、急にメールやLINEで誰かと連絡をとる。習い事がしたいと言い始める。勉強が遅れてしまって心配だけど、どうしたらいい?と相談してくる。

 

復帰準備の時が来たことを、担任の先生やスクールカウンセラーにお知らせしてください。学校の様子・行事なども気になります。本人が出たい行事があったら、復帰のチャンスです。

 

お友だちと校外で遊んだり、登校復帰にむけてのシナリオを立てたりすることもできます。

 

中学生なら、部活動から復帰する子もいます。もちろん、学校のほうで受け入れがあるとは限りませんので事前に相談してみることをおすすめします。

 

お勉強の遅れをどう取り戻すのかも、懸案事項です。学校の先生と相談しながら、必要な場合は塾や家庭教師などの方法が必要かもしれません。適応指導教室で学習面のフォローをしてくれますので、相談してみてもいいと思います。

 

学校復帰は新年度・新学期など、節目のときが戻りやすいかもしれません。

 

でも、節目はプレッシャーが強くてダメ、という子もいます。また、いきなり教室に戻る子もいれば、学校の相談室から徐々にという子もいます。本人・先生を交えてよく相談してみてください。

さなぎタイプ・まとめ

わたしが最初に担当した不登校のお子さんの様子を見ていたときに、ある日(ほぼ突然)活動をやめて引きこもる、しばらくじっとしているが、ある時ぱりっと殻を割って学校に復帰する様子が、さなぎが羽化して蝶になったようだなと思いました。

 

わたしは、イモムシがさなぎになっている間は、じっと眠っていて、時期が来ると背中に羽が生えて羽化するのだと思っていました。けれども、調べてみると、イモムシはさなぎになると、殻の中でいったん、イモムシの形をやめて、ゼロから蝶の身体に作りなおすのだということがわかりました。だから、さなぎになっているときに、刺激すると、そのさなぎは羽化ができないのです。

 

子どもの不登校も同じではないかと思いました。

さなぎになっているときは、子どもから大人へ、心身ともに大きな変化が起きている(子どもの自分が一旦死んで、大人の自分に生まれかわる、というくらいすごいこと)。

 

だから、さなぎになっている子を不要に刺激してはいけない。しっかり見守ってあげないといけない。

 

それは、放っておけばよいということではありません。さなぎは動かないけれども、暑すぎないか、寒くはないか、湿り気はちょうどよいかと気を配ってあげなければなりません。余計な振動を与えてもいけません。そして、なんだかもぞもぞしている様子をキャッチしたら、羽化の補助をしてあげられたらいいと思うのです。

イモムシのときは、小さなことで腹をたてて、自分は棚に上げて人のことばかり責めていたり、何をするにも自信がなかったりした子が、自分を見守ってくれた親や先生、友だちに感謝して、自分で決めたことをやり抜ける子になっています。それは、やはり、さなぎを経た子ならではの大きな成長です。

 

無事に羽化成功したときには、本当によかったな!と思える不登校ですが、本人も望んでそうなっているわけではありません。また、どんな子がさなぎタイプの不登校になるかという傾向もありません。(不登校というと、どちらかというと学校が嫌いな子がなると思いがちですが、学校が大好きな子、自他ともに認める優秀な子も不登校になります。)

それでも、なってしまったときには、なんとか「これはよい経験だった!」と本人も家族も納得できる不登校にすること。それは、可能なのではないかと思っています。

バッタタイプの不登校

不登校で長期欠席をする子の中に、数ヶ月で学校復帰するけれども、またしばらくすると数ヶ月休んでしまうというパターンをとる子どもたちが見られました。最初は、大人が無理して学校復帰させてしまい、それが早すぎてまた休んでいるのではないかと思いました。

 

でも、様子を見ていると、学校に来るときは本人もそれなりに調子がよく、本人が希望して登校しているのです。子どもにもよりますが、保健室で過ごす子もいれば、何食わぬ顔で教室に行って普通に過ごす子もいます。笑顔も見られるし、大丈夫かな?と思っていると、またぱったり来なくなるのです。

 

このパターンを数回繰り返して、巣立って行きます.その様子はまるで、何度も脱皮を繰り返して大きくなるバッタのようだなぁと思い、バッタタイプと名付けました。

 

このタイプの不登校の場合は、数週間〜数ヶ月置きにいったん学校に来られるため、やはりさなぎタイプよりは楽に過ごせるのかな、と思います。それでも、やはり、不思議な出欠席パターンなので、気まぐれや甘え?怠けているのではないか?などと誤解されやすいところが辛いところです。

 

担任の先生や、養護の先生、スクールカウンセラーなど、校内で相談できる先生にはできるだけ声をかけて、味方になってもらえるように、登校時を支えてもらえるようにできるといいと思います。

不登校中学生の高校進学

進学については、地域によって違うので、まずは担任の先生や学校の進路指導担当の先生にご相談されるのがよいと思います。

ただ、ここでお伝えしたいのは、不登校の時期があったからといって進学を諦めないで欲しいということです。

たとえば、東京都にはやり直しのできる都立高校(チャレンジスクール)があります。

 

神奈川県は県立高校では、当日の成績だけで合否を決める(内申書の点数は関係しない)枠があります。

 

私立の場合、当日の成績だけで合否を決める学校や、不登校生徒が入学している・元気に通学して卒業した実績のある学校があります。私立の説明会・合同説明会などに足を運んで、直接聞いてみるとよいと思います。

 

また、地域で、不登校の生徒のための進学相談会が開かれていると思いますので、ぜひ調べてみてください。

 

最近は、通信制・サポート校と呼ばれている、入学に学力試験を課さず、学習のやり直しからスタートできる学校もたくさんあります。学校によって内容も多種多様、費用も高いところばかりではありません。

 

不登校の子どもの中には、もう進学は無理とあきらめたり、将来も暗いなどと悲観的になってしまう子どもが少なくありません。でも、それは、情報不足によることが多いと感じます。まずは保護者が情報収集してみることをおすすめします。

 

以前、不登校のお子さんが通院先のお医者さまから「ぼくの医大時代の同級生に不登校経験者がいたよ」と教えてもらってから、意欲を持って進路先を調べ始めたということがありました。その子はもりもり勉強して、難関校に見事合格して、元気に高校生活を送っていました。

不登校まとめ

✔️  不登校には大きく分けて、学校要因、家庭要因、本人の成長要因があり、それぞれに対応方法が異なります。

 

✔️  不登校は、子どもと家庭にとって大きな成長チャンスになり得ます。

 

✔️  不登校を家庭だけで支えることは難しいことが多いです。早めに学校や相談機関に相談してくださいね。

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
アバター画像
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
詳しいプロフィールはこちら