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箱庭療法で「砂に埋める表現」が教えてくれる大切なこと

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です(オンラインカウンセリング・電話カウンセリング受付中)

 

箱庭療法でときどき見かける表現に「砂に埋める」があります。

あなた
埋めるっていうと、お墓を連想してしまいます。
セラピストよしだ
そうですね。そういう時もありますけど、可能性を感じられることが多いのですよ。

なぜ、そう考えるのかをお話ししたいと思います。

箱庭療法についてはこちらをどうぞ

砂を「母なる大地」に見立てた「再生」の表現

特に子どもの箱庭でよくあるのが、戦いが繰り広げられて、ヒーローが死んでしまう場面です。

例えば、ウルトラマンと怪獣が戦って、ウルトラマンが怪獣にやられてしまう。

それで、砂の中に埋められるのですけど、すこしすると「生き返った!」とパワーアップして戻ってきて、怪獣を倒すんです。

 

この「戦いごっこ遊び」が割愛されたパターンとして、ミニチュアのお人形が埋められる、お墓の表現があります。

「埋める」と聞いて、多くの方が連想されるイメージです。

セラピストよしだ
箱庭の表現では、「お墓=不吉」と決めてしまうのはちょっと早トチリです。

「何か不吉なことを考えているのでは?」とか「不吉なことが起きるのかしら?」と思い込んでしまうと、読み違えてしまうことになります。

心理療法の場で表現される「埋める」は、「ウルトラマンの再生」イメージで考えてみる方が、よいかもしれませんね。

つまり、冬になると枯れてしまう植物が春になると自然と再生するイメージ。「母なる大地」のイメージです。

セラピストよしだ
だからといって、「埋める=再生=大吉」みたいに決めつけるのも危険なんです。
あなた
???

わかりにくくてごめんなさい。

つまり、こういうことなんです。

確かに「埋める」には「いったんは死ぬけど生まれ変わる」=「再生」イメージがあります。

でも、この「いったんは死んで生まれ変わる」って、むちゃくちゃ大変なことなのです。

ウルトラマンみたいにさっさと生まれ変われたとしても、同じ戦いが何度も、何週間も続くことがあります。

埋める表現だけが続いて、セラピストも胸が痛くなる時もあります。

でも、「埋めるの先にはきっと再生が来るから」と信じて、見守り続けるのです。

「埋めてるから再生するわ」と甘く見てしまうと、いつまでたっても再生してきてくれなくなってしまう危険が高いです。

あなた
こうなってほしいなと思いながら、やきもきしながら待つことが大事なんですねぇ。
セラピストよしだ
そうなんです!

 

「探して!」「見つけて!」の表現

「埋める」表現で、もうひとつよくあるのが「隠す」表現です。

つまり「探して!」「見つけて!」ということですね。

例えば、ビー玉を砂の中に隠す。

1個だけの場合もあれば、20個とか、たくさん隠すこともあります。

セラピストが見ている前で埋めていくこともありますし、知らぬ間に埋められていて、あとで片付けるときに「見つける」こともあります。

目の前で隠されるときは、セラピストとコミュニケーションしたいのかな、と思います。

そっと隠されているのを見つけたら、何かメッセージがあるのかな、と思います。

たまに、全部片付けたつもりなのに、何か小さなフィギュアが砂の中に残ったままになってしまうことがあります。

次の時間の方が「こんなものが入っていました」と教えてくださるのですが、ザルでこして確認したはずなのに発見できずに残る不思議な気持ちになります。

セラピストよしだ
何か、受けとめられていないことがあるかしら?と反省したりします。

 

でも、この「隠す」→「探す」→「見つける」という流れを通じて、箱庭の作り手さんとセラピストの関係がホカホカに活性化されるような気がします。

秘密を共有している気持ちになったりすることもあります。

逆さに埋める表現

これも、思春期までの子どもに多く見られるように思います。

頭を下にして砂に埋める・足が地上に出ている、というかたち。

これも、ちょっとびっくりしてしまう表現ではあります。

初めて見たときは、作った子どもは、セラピストと目があうと、ニヤッと笑って見せました。

面白半分だったり、セラピストの反応を見ているのかな、と思いました。

それでもやはり、埋められた人形たちは、息ができなくて苦しそうですし、足だけが砂の上に出ている様子は、無防備な感じ(自分のことが自分で守れない感じ)に思えました。

やはり、その子の生きづらさだったり、自分の目で見て耳で聞いて判断し、自分の手で自分を守るという当たり前のことができなくて「苦しいんだ」とうったえられているように感じました。

セラピストよしだ
その子は、言葉で苦しさを訴えてくることは一度もありませんでしたが、箱庭を見れば、パッと伝わってきました。

たとえ、それが苦しい表現だったとしても、それを自分の中だけに抱え込んでいるより、箱庭に表現して、セラピストとシェアすることが、大切だったのではないかな、と思っています。

まとめ

箱庭療法には「埋める」という表現がされることがあります。

一見すると「悪い意味があるのでは」と誤解されがちですが、「埋める」を通じて、新しい自分に生まれ変わっていく可能性を示してくれる大事な表現です。

また、たとえ「苦しい表現」だったとしても、箱庭の中に表現してセラピストとシェアすることで、こころの中では少しずつ再生のプロセスが進んでいく、大切な表現なのです。

 

セラピストよしだ
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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