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中学生にスマホを与えるかどうか迷ったときに検討してほしい5つのチェックポイント

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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中学校のスクールカウンセラーをしている臨床心理士の吉田です。
 
早いものでもう2月も終わりですね。
 
この春、中学に入学するお子さんをお持ちの方で、子供から「中学生になったらスマホを買って!」とせがまれておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
(「みんな持ってる」と言われて、みんなって誰なのと思っているのに、「どうせなら早く買って」とせがまれて買ってしまったという方もおられるかも・・・)
 
スマホはとても便利ですが、デメリットもいろいろあります。
 
日頃スクールカウンセラーとして保護者のお悩みを聞く中で、「スマホちょっと早かったかな」と感じさせられるケースがありますので、それはどんなケースなのかについて書いてみたいと思います。
 
この記事はこんな方に向けて書いています
● 中学生になる子どもから「スマホを買って!」と言われているが、どうしようか悩んでいる方
●うちの子は、スマホを自分でコントロールして使えるかしら?と不安に思っている方
 
 

まずは、中学生のスマホ利用について内閣府の調査速報から

つい先日、子どもたちのスマホや電子機器利用についての調査結果が発表されました(青少年のインターネット利用環境実態調査
 
調査によれば、中学生でスマホを持っているのは47%(タブレットやゲーム機など通信機能のある電子機器を合わせるとなんと82%)。ということで、スマホがなくても、子どもたちは、インターネットを日々使いこなしているわけですから、スマホだけを議論するのが良いのかどうかという視点もあるかもしれません。
 
ただ、「中学生になったら(高校生になったら)スマホを買って」という願いには、スマホが「自分だけのモバイルツール」という意味合いが強いからではないかと思います。(そして、このことが時に、子どもとスマホの結びつきをとても強めてしまって、扱いが難しくなることがあるようです。)
 

使い方はコミュニケーションとエンターテイメント

 
コミュニケーション 84%
動画視聴      76%
ゲーム       72%
音楽視聴      66% 
情報検索      64% 
 
中学生にとってスマホは、コミュニケーション・ツールであると同時に、ゲームや音楽を楽しむエンターテイメント・ツールであるのですね。
 
 

気になる使用時間は?

 

中学生の1日の平均利用時間 
スマホ(のみ)   124分(うち2時間以上は52%)
電子機器トータル  138分(うち2時間以上は52%)
 
平均2時間ととらえるべきか。2人にひとりは毎日2時間以上やっているととらえるべきか。

 

セラピストよしだ
きちんとコントロールして使えている子どもと、スマホ三昧になっている子どもに二極化しているのではないかと思います。
それは、私が勤務する中学校での聞き取りでも感じます。 例えば、昨年の中学1年生への聞き取りでは:

(a)スマホを持っていない子が 全体の1/3

(b)スマホを持っているが、概ね自分で管理できている子が全体の1/3

(c)スマホを持っており、使用時間が長くて生活・学習に支障が出ていると感じられる子が全体の1/3

子どもが自分でコントロールできそうであれば良いのですが、「どうかなぁ」「むずかしいのではないか」と感じられるなら、スマホを与える時期を先に延ばすということも、検討してみてはどうでしょう。
 
では、コントロールがむずかしそうと感じられるのはどんな子どもなのでしょう。
 
以下の項目で考えてみてくださいね! 
 
スマホに夢中になる中学生と心配するお母さん

Illustrated by KI

 
 

スマホを自分で上手にコントロールして使えるかどうかのチェック項目

 

(その1)スマホ以外の電子機器の使用時間はどのくらい?

スマホを持っていない今、お子さんの電子機器の使用状況はいかがですか。もし、すでにご家庭で願っている以上に使用しているならば、スマホは状況を悪化させる可能性が高いかもしれません。

例えば、現在、1日2時間ゲームをしているとします。「スマホを買ってあげるけど、使用時間はゲームとスマホを合わせて2時間以内」というのは、むずかしいかもしれません。

使用時間は、「足し算になる」ことを想定してみてください。

 

(その2)生活の優先順位がつけられている?

学校から帰ってきて、宿題や明日の準備など、優先順位の高いことを先にすませることができますか?帰ってきてすぐにゲームや遊びを始めてしまい、もう寝る時間になって慌てて宿題をするという場合は、スマホのような「とても面白い遊び」ができると、ますます優先順位がつけられなくなる可能性があります。

生活の優先順位が自分でつけられるようになるまで、スマホを与えるのは保留するのも一案です。

 

Illustrated by KI

(その3)生活リズムが乱れていない?

お子さんの生活リズムは乱れていませんか?もし、今すでに、夜中過ぎまで起きていたり、毎日朝寝坊をしていたら、スマホは状況を悪化させるだけかもしれません。

生活リズムとは少し違うのですが、「動画を見ながら宿題をする」とか「食事中もゲームをする」のように、生活が電子機器に侵食されている・・・と感じる場合も、スマホはお勧めできません。

 

 (その4)電子機器の使用以外で、本人が夢中になれる遊びがある?

お子さんには、ゲームやタブレット視聴以外にも、楽しみにしている遊びがありますか?その場合は、スマホを与えても依存的になることは少ないかもしれません。

(必ず大丈夫、とは言い切れないのですが・・・)

もし、電子機器の使用だけが夢中になれる遊びで、どこに行くにも手放せないという状況でしたら、スマホはおすすめできません。

 

(その5)困った時に親子で建設的な話し合いができる?

スマホは、本来は「大人が使うツール」です。

中学生が使う時には、大人から使い方を学んだり、ルールを話し合って決めたりすることが必要です。また、最初に決めたルールがうまくいかない時には、親子で話し合ってルールを調整しなければなりません。

そんな時に、親子でしっかり話し合いができる関係性ができているかがとても重要になります。

Illustrated by KI

 

「ルールが守れなかったら取り上げるよ」という最終手段についても話しておきましょう

セラピストよしだ
ただ、この制限を決めておいても、実際に取り上げるのはむずかしいことは覚悟してくださいね。

それに、最終手段の手前で話し合える・折り合えるのが望ましいですよね。

ですから、もし「ダメな時は取り上げたらいい(そういう事態も想定内だな)」と感じるならば、もう少し子どもが成長するまで、スマホは延期にしてみてはいかがでしょうか。

 

(答)スマホを買い与えても大丈夫かどうか?

いかがでしたでしょうか。

上にあげた5つのポイントで、1つでも当てはまるな・不安だなと感じたなら、スマホを買い与えるのは少し先にすることをおすすめします。

中学生になると、小学校と違ってお勉強が格段に大変になります。提出物や定期試験で成績がつきます。部活動や委員会活動などもあります。その上、塾や習い事もしていたりすると、本当に、殺人的に(誇張でなく)忙しいのです。

そんな中でも、お友だちと遊んだり、好きなことに熱中したりしてほしい。元気でがんばるためにも睡眠時間もしっかり確保したい。

そう考えると、スマホに2時間(←平均使用時間)はなんだかとてももったいない気がするのです。

もちろん、上手に使えば、世界を広げることもできる便利なツールなのですけれど。

 

スマホの使い方で避けられるとよいこと

さて、いろいろ検討したけど、スマホを買い与えることにした場合。使用のルールはしっかり話し合っておきたいですよね。

使用時間の制限や、夜は自分の部屋に持っていかない、というのはみなさん、最初に決めておかれることと思います。充電器は親が管理する、なんていうのもよく聞きます。

わたしが、気をつけてほしいなと思うのは、「音楽を聴きながらでないと眠れないから」とか「スマホのアラームを目覚まし時計にするから」という理由で、スマホを布団に持ち込むことです。

セラピストよしだ
こう言われると、案外あっさりOKされてしまうご家庭が少なくありません。

でも、布団に持ち込むと、ついつい「眠れないから動画を見ちゃおう」とか「友だちからLINEがきたからお返事だけ」など、誘惑に負けてしまいがちです。

 

寝ているとばかり思っていたら、実は夜通しスマホをいじっていたことがわかった、というケース、毎年必ず出会います。

「子どもを信頼していた」とおっしゃるお母さんもいらっしゃいます。

確かに、子どもも、最初からルールを破ろうと思っていたわけではないでしょう。

でも、スマホはとても魅力的な「コミュニケーション&エンターテイメント・ツール」です。眠れないときに手元にあったら見てしまうのが当たり前。

セラピストよしだ
そんな状態を作らないように、子どもの様子を見てあげてくださいね!

 

中学生になるわが子にスマホを解禁するかどうか・まとめ

お子さんがスマホと上手につきあえるかどうかを判断するためのヒントについて書いてきました。

親から見て、生活の自律ができているかどうか、親子で話しあって使い方を学んでいけるかどうかというのが、最大のポイントかなと思います。

セラピストよしだ
上手に使って、楽しい中学校生活をおくることができますように!

 

謝辞: 手描きのイラストは、卒業生のKIさんがこの記事のために描いてくれました。ありがとう!

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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