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【親子で話そう】中学生と考える将来の仕事の話

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。

 

中学生から、「じぶんの将来が描けないよ」と相談されることがよくあります。

今日は、中学生が自分の未来を考えるときのヒントについてお話しようと思います。

前半は中学生向けに、後半はご両親向けに書いていますので、親子で話す糸口にしていただけたらうれしいです!

 

中学生のための自分の未来を描くヒント

基本は「好きなこと」

中学生のみんなは、今までにたぶん、幼稚園や保育園に3〜6年、小学校に6年間、中学校に3年間通っているわけだけど、「働く」となると40年とかそれ以上の間、することになりますよね。

それだけ長く続けるためには、まず「自分が好きなことは何か?」を考える必要があります。

「好きなこと?じゃ、ゲーム!」

なるほど、ゲーム好きなんだね。

じゃあ、もうひとつ大事なことを教えるね。

それは、「好きなことを仕事にするための考え方」です。

 

「三方良し」で考えみる

それは、こんな考え方ですよ。

自分良し

相手良し

社会良し

これは、磯田道史先生が自分が好きなことを仕事にしようとして考えた方法だよ。

(磯田先生は、『武士の家計簿』などの歴史をベースにした本をたくさん書いている先生です。)

磯田先生は、歴史を勉強するのが大好きで、図書館で本を読み続けて救急車が来たこともあるそう(笑)ですが、好きな歴史を仕事にするために、こんな風に考えたそうです。

歴史で食べられたら楽しくて、自分良し

ぼくの書いた歴史の本が売れたら出版社が喜ぶから、相手良し

専門家だけでなく世の中のみんなが楽しめる歴史の本を書いたら、社会良し

 

だから、「世の中のみんなが楽しめる歴史の本」にこだわったんだそう。

 

「ゲーム大好き!を三方良しで考えたらどうなるだろう?って考えてみてね!」

 

世の中には自分の知らない仕事がたくさんある

そもそも、中学生のみんなは世の中にどんな仕事があるのかを知らないのではないでしょうか。

まぁ、そういうわたし(大人)も大して知らないんですよ。

そんなあなたにオススメの本があります。

 

この本の中には514ものお仕事が紹介されています。

 

わたしが面白いなと思ったものには「ひよこの性別を判定するお仕事」です。なぜ面白いと思ったかというと、この仕事は手先の器用な日本人に向いていて、お給料も高く(800万円くらい)ヨーロッパに住める仕事だからです。(わたしは、海外に住める仕事に興味を持つ傾向があります。海外で働いたことはないんですけどね。)

(*わたしが持っているのは、古い版なので、もしかしたら「新13歳」にひよこの性別は載っていないかもしれません。)

 

ちなみに、「13歳のハローワーク」はインターネットサイトもあるんですよ。

中高生のための未来のヒントに出会う場所。13歳のハローワーク

こんなサイトを見てみると、気になる仕事を発見できるのではないかな。

 

他にも、テレビを見ている時にも、ちょっとアンテナをはっておくと、「世の中にはこんな仕事があるんだ!」と発見できることがあります。

 

例えば、ここ数日わたしがテレビをみていて発見した仕事にこんなものがありますよ。

NHK「ブラタモリ」#127「パリの美〜なぜパリは”華の都”になった?」

ここに登場している女性の方はパリで河岸段丘(地質学)について研究するお仕事をしている!

とか

日曜日の朝7時半からやっているこの番組には、珍しいお仕事をしている人がたくさん登場しますよ。

 

がっちりマンデー

まずは、世の中にたくさんあるお仕事について知ること。

それから、自分はどんなことが好きかを知ることも大切です。

 

勉強は嫌いだから高校には行きたくない?

こんな相談を受けることも多いです。

わたしはね、「高校には行ってごらん」と勧めています。

というのは、高校に行く方が仕事の選択肢が広がるし、「小学校や中学校は嫌いだった!」っていう人も「高校は楽しい」と通う人も案外多いからです。

でも、中卒で働く人ももちろん、いるよ。

HORIZON LABOの岩野響さん

岩野響さんは、小3で発達障害と診断されたこともあり、学校に足が向かなくなってしまいました。そんな響さんは、「コーヒーが好き・美味しくいれたコーヒーを飲みたい」と思ったことがきっかけで、今はコーヒー豆を焙煎するお仕事をしていますよ。

 

お勉強はあまり好きではなかったから高卒で働き始めたけど、社会人になってみて「勉強したい」と思って、大学に進む人もいますよ。

 

ヒミエルストーブの西岡聖治さん

西岡さんは、高卒で働き始めたんだけど、33歳で大学に入り、その後、大学院でも学んだ人だよ。大学に入ると同時に独立して、とってもおしゃれで機能性も高い薪ストーブを作っていますよ。

 

何歳になっても勉強し続けることはとても大切ですね!

しかも、今は、自分が興味を持つことをインターネットで独学するという方法もありますよ。

 

WordPress専門HP作成屋ターキーさん

ターキーさんは、子育てと仕事を両立したいという願いから、インターネットで独学してWEBデザイナーになりましたよ。ゼロから自分一人で学ぶのはとても苦労が多かったと思うけど、こんな方法もあると知ってもらえたら嬉しいです。

 

それから、もうひとつとっても大切なこと。

それは、あなたの仕事は「今あるものから選ばなければいけないわけではない」ということ。

 

SHIKUMI DESIGNの中村俊介さん

この会社はスプリンギンという子どもでも自由にゲームのプログラミングができるアプリを作っているけれど、社長の中村俊介さんは「僕が高校生の時には、今の自分の仕事は存在していなかった」とおっしゃっています。

実はこういうお仕事はとても多いのではないかなーと思います。

「自分がやりたい仕事がない」と思ったり、「こんなことをしたら喜んでくれる人がいるんじゃないか」と思ったら、自分で(または仲間と一緒に)新しく創り出すこともできると思います。

ぜひ、チャレンジしてみてほしいな!

それから、もうひとつお話ししたいこと。それは「自分のスタイルで働く」ということです。

最初にお話しした「三方良し」ができていたら、働き方は自分で選ぶこともできると思います。

ひとつの例がこちら。

 

ファイブ・ビーンズ森嵜健さん

神奈川県の葉山町にあるコーヒー屋さんですが、ここのコーヒー屋さんにはひとつ特徴があります。それは、しょっちゅう「家族で旅している」こと。

コーヒー豆の仕入れをしに家族5人でメキシコに行く。

イベントにコーヒー屋さんとして出店するために、家族で船に乗って四国に行ったり、去年の夏は1ヶ月くらい新潟の芸術祭に行っていたよ。

 

ふつう、「コーヒー屋さん」と言ったらお店を開いてお客さんに来てもらうのが一般的だけど、「好きなこと x 好きな生活スタイル」の働き方を考えてみるのもいいんじゃないかな。

 

出会いを大切にする

将来像を考えるヒントをいくつか紹介してきましたが、それでも「まだよくわからないよ〜」というあなた。

心配しなくても大丈夫です。

実はね、「人のキャリア(職業)の80%は偶然のできごとで決まっていく」のだそうですよ!

(アメリカ・スタンフォード大学クランボルツ博士「計画された偶然性」という考え方です。)

自分で計画してもその通りにいかないこともあるし、「なりたいものがない」と思っていても縁あって見つかる仕事もあるということです。

 

実はわたしもそんな風に働き続けてきたんですよ。

 

中学生の時は、なんとなく「英語が好きだから英語が使える仕事とか、外国に行ける仕事ができたらいいな〜」と思っていました。

 

でも、「英語が使える仕事」が一体、どんな仕事なのかよくわからないまま社会人になってしまいました。

 

社会人になってから「商品を作ったり、宣伝してみんなに買ってもらうのってすごくおもしろい!」と思ってマーケティングの仕事に興味を持ちましたが、専門知識がなかったので働きながら学校で勉強しましたよ。

 

そんな風にがんばってきたのに、働きすぎて疲れてしまって、会社をやめてしまった時に、たまたま図書館で借りてきた本がきっかけでカウンセラー(臨床心理士)の道を歩くことになったんです。

 

臨床心理士になるなんて、中学生の時にはまったくイメージしていなかった!

 

第一、「働くのってなんか怖い」と思っていました(笑)。

 

だから、できるだけ先のばししたくて大学まで行ったのかなと思います。

 

でも、働き始めてみると、働くのって大変なこともいっぱいあるけど、断然楽しい!

それが伝えられたらいいな、と思っています。

 

人生100年時代

いま中学生のみなさんは、平均で100歳まで生きると言われています。

(知ってた?)

冒頭に「40年働く」と書いたけど、実はもっともっと長い期間、働くことになるのではないかな?

ということは、人生のなかで、いくつかの異なる会社・仕事をする人が増えていくのではないかと思われます。

だから、自分の気持ちと出会いを大切にして、働いていってほしいと思うのです。

例えば、こんな風に・・・

HORIZON LABOの岩野響さんがインタビューでこう話しています。

「今はコーヒーだけど、5年後違う仕事をしていてもいいと思うんです。洋服作りにも興味があり、リサイクルショップで買った服をバラして、自分で洋服を作ることもします。僕は、軽い気持ちでいろいろやってみたら自分らしさが発揮できるようになりました。とにかくやってみることが大事なのかな

withnewsより引用

 

いかがでしたか?

少しは参考になったかな。(そうだといいなぁ!)

この記事をきっかけに、お家の人とも話をしてみてくださいね♡

 

中学生のご両親に向けて

わたしは中学校のスクールカウンセラーという立場から、子どもたちのキャリア教育をお手伝いさせていただくことがあります。また、子どもたちから将来の職業について相談を受けることもあります。

そこで感じるのは、何となく子どもたちの描く将来像が親の望みや安心安定を求める傾向があるということです。

世相を反映しているのですよね。

 

親からしたら、子どもが大人になる頃の社会の様子が描けないので(AIはどのくらい私たちの仕事を奪うのだろう!?とか)どうしても保守的になってしまうのだと思います。

 

逆に、「夢は大きく持って欲しい」と願っているのに、子供の方が語らなくなってしまう場合もあると思います。

 

もちろん、それは子どもの成長でもあります。

 

幼い頃は「サッカー選手になってW杯に出場する!」とか「アイドルになる!」なんて言っていたのに、だんだん周りが見えてくると「あまり大きなことを言っても実現できるのかな?」と考えるようになるでしょう。これは、自分を客観的に見る力がついた証拠です。

 

「サッカー選手にはなれそうにないけど、サッカーは好きで続けよう」とか「アイドルになるのは無理だけど、ダンスと演劇は大好き」のように折り合いをつけ始めるころだということですね。(中学3年間のどこかで折り合っていく子が多いのではないでしょうか。)

 

でも、上手に折り合えなくて、無気力になってしまったり、頑張ることをやめてしまったりする子どももいます。(不登校にまで深刻化してしまうお子さんも・・・)

 

つまり、子どもたちにとって、自分の将来のことは「とても大切なテーマ」で「大きな悩み」であるということです。

 

そう口には出さなかったり、親には相談したくない子どももいるけれど、やっぱり本音は、誰か信頼できる人に話を聞いて欲しい、ヒントをもらいたいと願っていると思うのです。

 

「将来の夢は何だ?なに?サッカー選手?いつまで子どもみたいなこと言ってるんだ?」などと言ってしまわずに、子どもの希望を温かく受けとめて、応援できるといいですよね。

 

また、そこまでストレートに話題にしなくても、テレビやニュース、ご両親の知り合いの話を糸口に、社会には色々な仕事があり、色々な生き方ができるのだと伝えられるといいですね!

 

それから、子どもの将来像を描くときに大人が注意しなければならないことが2つあります。

●  子どもたちは100年生きる人生なのだということ

●今の大人には想像もつかない社会になっていくだろうということ

 

つまり、今の大人たちには予想のつかない世界になるということ・親の助言が役にたつかどうかわからない(立たない可能性が高いだろう)ということです。

 

だとしたら、親の価値観を押し付けるのではなく、共に考え(考える姿勢や方法を伝える)、子どもの職業観を育てていくことが大切なのだろうと思います。

子どもたちは、親世代には実現できなかった自由な働き方、自分らしい生き方を実現できる世代かもしれません。

親も一緒に、夢の話をしてみてはいかがでしょうか。

 

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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