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「イライラして子どもを叩いてしまいそう」に親子関係を改善する3つの方法

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理士)です。

 

コロナ休校・外出自粛が続き、親も子どもも、いつもの外出ができないまま、ストレスが溜まってしまっています。

 

イライラして、「つい子どもを叩きそうになった」り、「叩いてしまった・・・」という方、感情的に叱ることが増えたと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この記事は:

○ 「イライラして叩きそうになる」「叩いてしまった」

○ 「感情的に叱ってしまう」

○  何とかしたいと思っているお父さん・お母さん

○  乳幼児〜就学前の子どものお父さん・お母さん

に向けて書いています。

 

なぜ、イライラしてしまうのかを3つの視点で理解して、コロナ危機をのりきっていきましょう!

 

①  親子ともにストレスがボトムアップされていることを理解する

新型コロナウイルスの感染予防のために自粛や休校が始まってから、わたしたちのストレスは「ずっと高止まり」しています。

いつもなら気にならないこと、笑って許してあげられることにも、イライラしてはいませんか?

 

「イライラしている自分」にさらにイライラする悪循環になってしまっている人も・・・。

 

でも、2倍に膨れたストレス下、増えたイライラが身近な家族に向かってしまうのは、言ってみれば「当たり前」ではないでしょうか。

 

ですから、イライラする自分、子どもにぶつけてしまう自分が悪いわけではないことを理解してください。

 

そうして、いまこの「長引く非常事態」を少しでもストレスを下げられることは、やってほしい。

 

それが、「ハードルを下げること」です。

ハードルを下げることは、「なまけ」や「甘やかし」ではなく、「必要な緊急対応」だと理解してくださいね。

 

②  子どもの行動を理解する

子どもにイライラしてしまうのはこんな時ではないでしょうか。

○  注意してもやめない

○  いつも注意していることなのにまたやる

 

気持ち、わかります。

これは、大人同士なら「ダメなこと」ですよね。

でも、子どもは、大人みたいには理解・行動することは、まだできません。

■  「ダメだよ」と言われたことを、次回も自分から注意できるとは限らない

 

■  ダメだとわかっていても、やりたい気持ちを抑えることはまだできない

 

■  やらなきゃいけないとわかっていても、我慢してやることはまだできない

 

このように、子どもたちは、例え大人の言葉を理解できても、大人の期待通りの行動はできないものなのです。

言葉が理解できたら、できると思いがちですけど、「言葉として通じる」のと「できる」は違うことです。

 

それから、子どもの、ちょっとイラっとさせられる行動には、子どもの「自立したい・自律したい」気持ちが隠されていることが多いんです。

 

例えば、このように・・・

○  やらなくてもいいことをやろうとする  →  自分でやりたい・お母さんみたいにやりたい気持ち

 

○  お兄ちゃん・お姉ちゃんにからむ  →  対等に遊びたい・負けたくない

 

○  おもちゃを片付けたくない  →  遊びを中断されたくない・自分で決めたい

 

ですから、イラっとさせられる時は、「子どもが成長しようとしている時だ」という視点を持ってみてください。

 

それから、子どもの行動の中には、コロナストレスによるものが含まれている可能性があります。

例えばこんなことありませんか?

✔︎  大人にまとわりつく

 

✔︎  トイレの失敗がある

 

✔︎  ハイテンション

 

✔︎  意固地になる

 

これらは、子どものストレス反応なので、早めのケアが必要です。

具体的なケアについてはこちらに書きましたので、参考になさってください。

 

③  自分がどんなときに「イラッ」としやすいか理解して先手を打つ

毎日、無数に起きるイライラ・・・なのですが、冷静にふりかえると「いつもイライラする」ことってありますよね。

 

残念ですが、その「いつもイライラ」は、きっと明日も起きるでしょう。

 

だとしたら、「明日も起きる」ことを想定して、対策を立てておきましょうよ。

いくつか例を挙げますね。

 

自分でできる身の回りのことをしない

着替え、歯磨き、遊んだおもちゃのお片付け。

普段からけっこう「ひと苦労」だったことが、親子ともにストレスが増えた今、イライラの元になっていませんか?

いまは、親子のこころの平和を優先して、こんな風にしてみるのはどうでしょう?

 

 

 

◉子どもにやらせるなら、質は求めない

◉  質を求めるなら、親が手伝う

 

 

 

「ひとりでちゃんとできるように、これまで練習してきたのに、水の泡・・・」と落胆したり、「できない子になってしまわないか」と不安になるかもしれません。

 

でも、子どもの成長がカバーするから大丈夫なんですよ。

ですから、こんなときですし、ちょっとおおらかな気持ちで過ごしてみませんか?

 

それに、先ほど挙げた提案ですけど

 ◉子どもにやらせるなら、質は求めない  →  子どもの意欲・自分でする力を育む 

◉  質を求めるなら、親が手伝う  →  成長期に必要不可欠な親の愛情補給ができる

 

実は、どちらも、望ましい子育ての方法なんですよ。

ですから、どうぞ、焦らないでいきましょう。

 

自分でやりたいけど上手にできない

逆に、やらなくてもよいのにやって失敗する。そのために、忙しいときに、ひと手間、ふた手間、かかってしまい、イライラしてしまう。

 

わかります。

 

でも、子どもの「やりたい気持ち」って止められないですよね(気持ちの上だけでなく、物理的に、たぶん・・・)。ですから、想定される「事故」には、イライラを減らせるような先手を打っておくとよいです。

 

例えば、ごはんの時にお茶をこぼすとか、トイレを自分でやろうとするけど始末が下手など、お掃除が必要なこと。「雑巾を取りに行って、ぬらして、拭いて、洗って、片付ける」の手間は、正直とっても大変。

 

それなら、今はわりきってティッシュを使うとか、古着を用意しておいて拭いたら捨てちゃうとか。

 

ゴミが増えても、お父さん・お母さんのストレス減になったら、いまはよしとする、柔軟思考でいきましょう。

 

子どもが騒ぐ

子どもが騒ぐ声が何よりのストレスだというお家も多いのではないでしょうか。

 

ただ、これも、「騒がないようにする」のは難しいと思われます。

子どもは、毎日「わぁわぁ騒ぎ、あばれる」のが仕事だからです。

 

外で発散できる時間を作るか、家の中でも親子で折り合える発散遊びをいくつか持っておくことをお勧めします。

いまは特別にお布団の上で遊んでもいいよ、とか、これからの季節、お風呂で水遊びもいいと思います。

ただ、どちらも事故には注意してあげてくださいね。

 

自分を責めないで

コロナストレスがつのる毎日、ついつい子どもを強く叱ってしまったり、叩いてしまったりすることがあるかもしれません。

 

あとで後悔することはわかっているのに。

 

自分を責めたくなる気持ちはわかります。

でも、自分を責めると、その苦しさがストレスとなり、子どもに当たってしまう悪循環を引き起こしかねません。

 

ですから、どうぞ、緊急事態下であることを理解して、親子で無理のない生活をするように心がけてくださいね。

 

親子でこの本を読んでみるのもお勧めです。

『いやいやえん』 (中川李枝子作、大村百合子絵、福音館書店)

「そうそう、子どもってこうだよね!」と納得できると思います。

子どもも楽しめるお話です。

どうぞ、お膝に抱っこで読んであげてください。親子ともに、ほっこり落ち着きますよ。

 

相談したいとき

いろいろ工夫してみたけど、うまくいかない。

誰かに話を聞いてもらいたい。

どうすればよいか、一緒に考えて欲しい。

そんな時は、どうぞ、ご相談くださいね。

 

相談先として、最初に提案したいのは、お住まいの地域の「子育て相談窓口」です。市役所(等)のHPで「子育て相談」で探してください。臨床心理士・公認心理師・保健師・社会保健福祉士などの専門家が、相談にのります。

 

ただ、もしかすると、コロナの影響で受付が開いていないかもしれませんね。こちら( NHKハートネット)にも相談先が紹介されています。

 

暴力が止められない・緊急の相談は児童相談所で受け付けます。

 

はこにわサロンでも、ご相談受付をしています(現在は、オンライン・電話相談のみ行っています。)

 

どうか、この苦しい時期を親子で健やかにのりきれますように!

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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