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子どもの発達障害。検査を受けたら子どもの成長のために100%活かそう!

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。

 

子どもの成長に不安があるときに、発達検査(WISC-IV)を受けるメリットについてお話ししました(こちら)。

でも、もちろん、発達検査は万能ではないし、受けたけど成果が得られない場合もあります。今日は、それはどのようなときなのかについて書いてみたいと思います。

発達検査(WISC-IV)を受けるときの大前提

学校生活などで今、困っている子どもの生活環境を改善するために、発達検査は子どもの困り感を客観的に把握するためのテストです。

ですから、受けるにあたっては、本人・親・先生・心理士がチームになってよく話し合うことが大事。

つまり、発達検査を受けることで、本人の生活がよくなるというメリットがなくてはならない。

でも、残念ながら、発達検査を受けたことで終わってしまうケースも少なくありません。それは、どんなケースかというと・・・

発達検査の結果が良かったから安心してしまう

学校で勉強に集中できなかったり、トラブルが多かったりして、発達検査を受けてみた。でも、検査の結果、子どもの能力は平均かそれ以上だった。それで「あぁ、よかった」と安心してしまう。

いえいえ、ちょっと待ってください。

本人が学校で困っているけど、それは本人の能力に関することではなかった。ということは、それ以外に何か課題があるということです。その課題を解決しなければ、本人の能力は発揮されないままですよ。

このようなときにふりかえってみて欲しいのは

*家庭のこと

*学校のこと

の2つです。

家庭での子どもの様子に心配な点はありませんか?

ご家庭での生活の様子はいかがでしょうか。親子関係で困っていることはありませんか?例えば・・・

  • 本人のことが心配で家庭でも注意ばかり・叱ってばかり。
  • 親の仕事(または子育て・介護などの家庭の事情)で忙しくて本人と過ごす時間が取れない。
  • 習い事などで忙しく本人がほとんど家庭で過ごす時間がない。
  • 育てるのが難しい子どもでどう向き合ったらよいかわからない。
  • 夫婦で教育方針が合わない。
  • 家庭不和。

このようなことが一つでもある場合、子どもが家庭で十分安心して過ごせない・愛情を実感できないと、学校でも集中できなかったり、イライラしやすかったり、トラブルを起こしやすかったりします。

では、家庭でどんな対応をしたらよいのでしょう?

家庭でしてほしいこと

●  家は、帰ってきたらホッとできる場所にしてほしい

●  学校のことを家で繰り返し注意する必要はありません(先生から「ご家庭でもよく言ってください」と言われてもです)

●  お父さんやお母さんは「そのままのあなたが大好きだよ」と伝えてください

●  家庭での生活を見直しましょう。お勉強や習い事が多すぎていませんか?子どもにとって学校は1日の大半の時間を過ごす場所です。学校生活で十分、力を発揮できるように、校外の活動は無理のない範囲にセーブすることも大切です。

●  本人が甘えてきたら、しっかりと甘えさせてあげましょう。(どうやって?はまた書きます)

 

とにかく、「あなたが大好き!生まれてきてくれてありがとう!」と伝えて無理のない生活をおくることに尽きます。

本人のためを思って・・・とたくさんの習い事や塾通いをさせることは逆効果になることもありますから、ご注意くださいね。

学校生活についても見直してみてください

クラスの中に落ち着きのない子が複数いて、全体的に落ち着かない。崩壊気味など、学級に課題がある場合もあります。また、クラスとしては落ち着いているが、担任の先生と信頼関係が築けていないことで本人の学校での行動が悪くなることもあります。

ご家庭では如何ともしがたい部分もあるのは確かです。でも、まずは、担任の先生に相談して見ましょう。その際、支援コーディネーターの先生やスクールカウンセラー、子どもをよく知る先生などにも同席していただくことをお勧めします。教室でうまくいかない時に、先生と親だけで話すとこじれてしまうこともありますが、他の先生方が入ることで多面的な視点で対応策が検討できたりすることがありますよ。

「うちの子はダメだ」と諦めてしまう

検査結果がよくなかった。特別な支援が必要だと言われた。そのショックで「もうダメだ」と諦めてしまう方もいらっしゃいます。いや、本当は諦めてなんていないのですが、どうしてよいかわからなくて、一時的にちょっと投げやりな気持ちになってしまうこと。

確かに親にとって辛いことです。でも、否認して、子どもが困っているのを放置するより、痛みを引き受けて、子どもが伸びていけるようにしませんか。

子どもにとっては、自分の努力が成果となり、手応えを感じられる学びの場が望ましいです。笑顔が増える。そして、実際に成長する。いつも「ダメだね」って言われ続けて「自分はダメなんだ」って思って欲しくない。こういう環境では、成長できるはずの分も成長できない危険もあるのです。

確かに、お勉強面で優秀な子にはなれないかもしれないけど、本人のいいところ、愛すべきところはたくさんあるはず。そこをしっかりと育んであげましょうよ。

ちなみに、本人の力が低めだなって出た子で、特別支援級で本当によくがんばって学年が上がったときに、普通学級の子どもたちより生活も学習もしっかりできるようになるお子さんもいらっしゃいます。これは地域によって違うかもしれないのですが、特別支援学級から普通学級に戻ってくるお子さんもいらっしゃいます。特別なケースではありますが、場を与えられて頑張ると子どもが伸びる例だと思います。

検査結果がよいのに成績に結びつかないのは「子どものせい」と責めてしまう

発達検査の結果、実はお子さんは「かなりできる子だ」とわかることもあります。

それなのに、なぜ学校で頑張れないの?成績が悪いの?それが、保護者の本人批判、学校批判になってしまうことがたまにあります。

でも、能力があっても発揮できない理由はやはり、環境にあることが多いのですよ。家庭のこと、学校生活のことを今一度よくふりかえってみませんか?環境を改善してあげたら、持っている能力をしっかりと発揮することができるようになりますよ。

発達検査を受けたのに活かしきれないとき【まとめ】

それは

●  発達検査の結果を見て、安心したりがっかりして、そのままになってしまうこと。

●  結果が良いのに頑張れないのは子供や学校のせいと決めてしまうこと。

発達検査を受けることは、子どもの今困っていることを少しでも改善して、笑顔で生活していけるようにするためのきっかけです。どうぞ、受けただけで安心してしまわないで、有効に活用してくださいね!

どうしたら良いかわからないときは、発達検査をとってもらった心理士さんやスクールカウンセラーに相談してみてください。検査結果をよく理解できるまで、また良い対策を見つけられるまで、しっかり相談しましょう!

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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