「父の日」に考える 父性とは何か。母性との違い。
父の日にご紹介してみたいと思った絵本があります。
『ほしのよる イエスさまのおたんじょう』(絵と文 有賀忍)と言って、クリスマスの絵本でなんですけれども・・・。(季節感がないセレクションをお許しください。)
なぜ、この本をご紹介したいか、というと、この絵本のヨゼフ(父親)は、とても存在感があるな、と感じるからです。
クリスマスは、聖母マリアがイエス・キリストを生んだ日で、父親のヨゼフはなんとなく影が薄いことが多いと思いませんか?
でも、この絵本のヨゼフはとても温かく、頼もしく、存在感があります。
作者の有賀さんはきっと、存在感のあるヨゼフを描きたかったんじゃないかな。
「母の日」より影が薄い「父の日」
「父の日は母の日より影がうすい」といっているニュースや広告を見かけました。
実際、わたしが子どもに家族構成を聞くと「お母さん、お父さん・・・」と答える子の方が多く、子どもたちのマインドシェアはお母さんの方が大きいみたい。子育てがお母さん中心に行われているのですよね。(もっとお父さんが係われる社会になってほしい!と願っていますが、それはひとまず置いておきます。)
でも、影が薄いのは「お父さん」だけでなく「父性」なのかも?
いや、そう考えると「母性」にも影の薄さを感じる昨今。
「父性」ってなんだろう?ということを考えました。
父性と母性
「父性」には対になる「母性」があるので、まずは比べてみたいと思います。
「善悪はっきり、駄目なものは切り捨てる厳しさ」(父性的)
「みんな大事な我が子として分け隔てなく愛し育む」(母性的)
はっきり言葉にすることを求める態度(父性的)
言わずとも察してあげる態度(母性的)
対立を恐れず個を貫く態度(父性的)
みんなの気持ちを優先しようとする態度(母性的)
論理性、客観性が大事(父性的)
感覚や主観が大事(母性的)
荒れ狂う暴力や攻撃性(父性的)
相手を呑み込んで手放さない態度(母性的)
こうしてみると、父性や母性が単純に性差や父親・母親という役割の違いと言い切れないことがおわかりいただけるのではないかと思います。
日本は母性的な傾向がある
言語化せずに相手の気持ちを察する・察してもらおうとする態度や、個人より集団を優先する価値観は、男女にかかわらず日本では「標準(当たり前)」です。
個人の価値観や個性を大事にする生き方は、求められ・評価されるけれど、「集団に迷惑をかけてはいけない」という条件がついたりするのが日本的です。(父性的に見えて、母性的。)
父性的であることが望ましい?
子育てでは、母性が「過保護で子離れできない母親」のような負のイメージを持つようになり、「ベタベタしない、小さいうちから言葉でしっかりコミュニケーションをとって自立を目指す」子育てが望ましいかのような誤解があります。
母との一体感、絶対的安心感といった母性的な体験は、人間にとって欠かせない大切なものなのですが・・・。
父性も母性もどちらも大切
父性も母性も、どちらが優れているというものではないため、片方に偏らないように「意識してバランスをとること」が大切です。
そしてこの「意識して」というところが、「父性的」な態度であろうと思います。
父の日の今日、ご自分の「父性性・母性性」をチェックしてみてはいかがでしょうか。
HAPPY FATHER’S DAY!