無気力(無気力症候群)とは?原因とカウンセリング効果
東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。
無気力(無気力症候群)とは?
自分がやるべき仕事や勉強に対して、関心や意欲が持てず、無為な時間を過ごしてしまう状態を「無気力状態」と呼びます。もともとは、「スチューデント・アパシー(学生無気力症)」と呼ばれて、受験勉強で力を使い果たし、大学生になっても学業や社会生活に意欲関心が持てない状態を指していました。
けれど、最近では、かつての「スチューデント・アパシー(学生無気力症)」のような、燃え尽きてしまった状態だけでなく、自分のことや生きることに対して関心意欲が薄く、無気力な状態が続いているという場合が少なくありません。
無気力(無気力症候群)が生じる理由とは?
親子関係が支配的だったり、支配関係はなくても親の願いを汲んで自分の気持ちを後回しにしてしまった場合。思春期以降のアイデンティティ確立期に親の支配から抜け出せるとよいのですが、その気力も湧かずに諦めてしまい、無気力な状態が続くことがあります。
また、親子関係は適切なものであったにもかかわらず、本人の主体性がとても弱くて、何事も人任せにして、楽で楽しいことだけにしか取り組めない場合もあります。
その他にも、不幸な出来事や人生の過酷さに打ちのめされてしまい、無気力状態に陥ることもあります。
無気力状態とうつの違いは何か
無気力状態は「抑うつ」と同じように感じるかもしれません。でも、無気力状態と抑うつは似て非なるものです。
「抑うつ」は食事や睡眠(の意欲・関心)にも障害が出る心の病です。
一方、無気力な状態というのは、本来とりくむべき仕事や勉強に取り組むことが難しく、将来のために今努力することが難しい状態です。しかし、いまを楽に、享楽的に生きることはできます。例えば、大好きなオンラインゲームなら一日中、集中して取り組めるし、楽しめるが、仕事や学校には行けないというように。(抑うつですと、うつ病発症前はオンラインゲームが好きだったのに、発症後はゲームが楽しめない・やる気になれない、となります。)
また、不登校・ひきこもりの場合でも、抑うつと無気力状態は異なります。抑うつですと、「学校にいけない自分には価値がない」と思いつめてしまったり、「生きていても仕方がない」と自分を責めてしまいます。しかし、無気力状態の不登校・ひきこもりは、そのような煮詰まった考え方はしません。従って不安になることもありません。自分自身の将来が不透明なのに、不安にもならないということが、「無気力」の病なのだとも言えます。
無気力状態の治療とは?
このように「無気力状態」というのは、医療機関で薬の治療をするというよりは、カウンセリングを通じて自分の意思、気持ちを取り戻したり、主体性を育てて自分らしい生き方を見出すことが中心となります。
時間はかかりますが、カウンセリングを通じて自分を取り戻す(あるいは獲得する)ことで、人生の満足感、手応え感が大きく違ってきます。
無気力状態の方へのカウンセラーからのメッセージ
無気力状態の方々は、「今のままで構わない」ということが多いです。外の世界や将来に対して、不安と恐怖があり、自分が何かを成し成し遂げることができないと諦めてしまうからです。でも、ご自分自身の気持ちと将来の夢を取り戻し、自分に自信がつくと、それまでとは全く異なる豊かな世界に出会うことができますよ!
怖がらないで、諦めないで、ぜひカウンセリングに来てください。お待ちしております。