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HSPや発達障害は脳の多様性

箱庭療法にできること 〜「トポス心理療法オフィス」の記事より

 
この記事を書いている人 - WRITER -
MichikoYoshida
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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箱庭療法の位置づけは?

「箱庭療法は、心理学の中でどんな位置付けなんですか?」

と聞かれることがあります。

 

わたしは大概、困ってしまって「どちらかというと時代遅れですかね」と応えます。

 

心理療法のトレンドは、認知行動療法といって、認知の歪みを修正することで人間の行動を変えるアプローチです。

 

一方の箱庭療法は、砂遊びを通じて、心身の緊張を緩めたり、言葉にならない思いを表現することが人間の内面に作用して、心身を整えていくアプローチです。

 

認知行動療法と箱庭療法のちがい

一番の違いは、認知行動療法はその効果を数値化して効果のほどをエビデンス化できるけど、箱庭療法はできないこと。それは、現代社会ではかなり肩身が狭いと言わざるを得ないです。

 

でも、箱庭療法は「自由な砂遊び」なので、「箱庭療法を3回やったら良くなる」とか、「こういう作り方をすると効果的だ」とか、そんな風にはエビデンスを集めていくことが難しいのです。

 

もちろん、数値化・エビデンス化は難しくても、「事例を検討する」という方法で研究・検証する努力はずっと続けられてきました。例えば、日本箱庭療法学会という学会があったり、先生のところに事例を相談に持って行ったり、仲間同士で話し合ったり。でも、やっぱり認知行動療法のように明快にはエビデンスが積み上がらない。

 

 

わたしは臨床心理士になる前は、マーケティングの仕事をしてたので、エビデンスはとても大切でした。新商品を作るときも、新しい広告やパッケージを作るときも、消費者調査を行って、統計的に「こっちの方が人気がある」方を選ぶ、という考え方をしていました。

 

ですから、考えてみれば、いま自分が箱庭療法というエビデンスの出しにくい心理療法をしていることは、不思議な巡り合わせではあります。

 

箱庭療法との出会い

こちらにも書きましたが、わたしが心理学を始めたのは、会社員をドロップアウトして将来を模索していた時に偶然出会った河合隼雄先生の本がきっかけです。

 

箱庭療法を日本に紹介したのが隼雄先生なので、なんとなく「カウンセラーになったら自分を箱庭療法をやるのかなー」と思っていました。

 

心理学を学んだ大学院の相談室には箱庭がありましたし、授業の中で箱庭をつくり合う機会もあり、やっぱり「いつか箱庭療法をやるんだなー」と思いましたが、正直なところ当時は「どう使ったらいいか、よくわからないな」と思いました。

 

それが大きく変わったのは、スクールカウンセラーとして小中学校で働き始めたときです。

 

子どもたちが教えてくれた箱庭療法の効果

何か困ったことがあって来室する子どもたち。でも、なかなか、それを言葉で教えてもらえない。別に、秘密にしているわけじゃなくて、自分でもよくわからない、という感じの子どもが多かったです。

 

そんな子どもたちを前に、「ここに、箱庭があったらなぁ!」と思いました。

 

そこで、主事さん(用務員さん)にお願いして箱を作ってもらい、砂を入れて、相談室に置いてみました。

 

すると、子どもたちが「わぁ〜〜♫」「これ何?さわっていい?」と食いついてくれて。

 

砂に指でいたずら描きするだけで楽しい。

 

一緒に砂をさわりながら、ぽつぽつと本音のつぶやきが漏れることがあったり、ひとり黙々と作る子がいたり。

 

箱庭を通じて、子どもたちの気持ちを知り、寄り添い、子どもが成長して課題を乗り越えていくのを見守ってきました。

 

 

箱庭療法の効果を伝えていくこと

エビデンス云々ではなく、実際に箱庭療法の効果を目の当たりにしたこと(というか、駆け出しのスクールカウンセラーを大いに助けてくれたこと)から、わたしにとって、箱庭はなくてはならない道具になりました。

 

ですから、個人的には、主流じゃなくても、トレンディじゃなくても構わない。と思ってきました。

 

そう思っていたのですが、「いやいや、それではまずいのではありませんか?」と問いかけが届きました。

 

札幌にある「トポス心理療法オフィス」さんが、はこにわサロンについてご紹介くださったのですが、その記事の中にこのような記述がありす。

箱庭療法を媒介として回復していくクライエントはたくさん存在しています。子どもだけでなく、大人もそうです。

 

このような、確かな効力のある箱庭療法が今後も存続していくためには、やはりエビデンスを示すような研究がたくさん現れる必要があるのかもしれません。

 

エビデンスというトレンドを完全に無視して唯我独尊を貫くのではなく、「やれやれ仕方ないねー」とつぶやきながら、少しずつ実証的なリサーチを積み上げていくのです。

トポス心理療法オフィス

 

唯我独尊。

本当にその通りだな・・・と思いました。

そして、「やれやれ仕方ないねー」とつぶやきながら少しずつ努力を積み重ねることをサボってはいけない。

 

このようなメッセージを書いてくださったのは、「トポス心理療法オフィス(札幌市)」の田澤安弘先生(北星学園大学社会福祉学部福祉心理学科・教授)です。

 

ちなみにトポス心理療法オフィス(札幌市)」近田 佳江先生という大先輩が開いておられるカウンセリングルームで、田澤安弘先生は近田先生のパートナーさんでいらっしゃるそうです。

 

ホームページをご覧になるとお分かりになると思いますが、トポス心理療法オフィスは札幌で長く信頼され、愛されてきた先生が開いておられるカウンセリングルームです。

 

もし、札幌・近郊でカウンセリングルームをお探しの方がいらっしゃいましたら、どうぞホームページをチェックしてみてくださいね。記事を通じて、カウンセラーの人となりが伝わってきて、安心して相談していただけるのではないかと思います。

 

はこにわサロンのような小さなカウンセリングルームをご紹介くださったことも、また、臨床の姿勢について温かなご指摘をくださったことも、感謝でいっぱいです。

 

さて。

はこにわサロンを開室して、4年目を迎えた秋。

クライアントさんとの出会いを大事に、こつこつと臨床を続けていきたいと思います。

これからも、どうぞよろしくお願いします。

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MichikoYoshida
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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