ムカムカが止まらないのはなぜ?後から強まる怒りを解消する方法とは?
東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。
その場はなんとかやり過ごしたけど、あとになってイライラ!ムカムカ!してしまうことありませんか?
しかも、後から思い出すと、あれこれ考えてしまって怒りが強まってしまうこともありますよね。
今日は、そんな怒りの悪循環をストップする方法について考えてみたいと思います。
後からムカムカするのはなぜ?
一度はやり過ごしたのに後からムカムカするのは、こんな理由から・・・
① やり過ごした自分をねぎらう。
怒りの処理で望ましいのは、そのことをあれこれ後から考えるのではなくて、終わったこととして処理することです。
ショックや怒りを感じた場面で怒りを表出させるのではなく、上手な危機回避ができた自分をねぎらいましょう。
(たぶん、もっと悪い結果になることだってあったかもしれないのです。)
それでもショックだったり、怒りや悲しみを感じて傷ついた痛みは、一時的な感覚なので、上手にやり過ごせるといいですね。
がんばった自分にねぎらいの言葉・ご褒美をあげるのもいいですよね。
それから、睡眠はたっぷりとってくださいね。
ゆっくり眠って心身を休め、いつもの自分を回復してください。② 原因や次回策を考える
ショックや怒りを後から思い出した時に、よくやりがちなのが「原因を考える」「次に同じ目にあわないように対策を考える」ことです。
これは、一見、適切に見えるのですが、まだショックや怒りから回復しないうちに考え始めてしまうと、怒りが再燃したり、後悔の念が強まってしまいます。
また、エンドレスに考え続けてしまい、消耗してしまうことにもつながりかねません。
当日(やショックが強い間)は「終わったことは仕方がないし、自分なりによくのりきったのだ」と捉えて、①の「自分をねぎらう」に行ってくださるといいなと思います。
原因究明や次回策は、怒りやショックが冷めて、冷静に出来事を振り返ることができるようになってからの方が、短い時間でよい方法を考えることができます。
③ 何も言えなかった自分を責める
あとから怒りを一番強くしてしまうのが「自分を責めてしまう」ことです。
後になると「なんで黙っていたんだろう?」「なんで言い返さなかったんだろう?」と考えがちです。
また後からなら、いろいろな「いい案」が浮かんでくるので、悔しさもひとしお強く感じてしまうのです。
でも、その時は自分にできるベストを尽くしたのだと思いませんか?
後から自分を責めても、何もいいことはなく、ただ自分が苦しくなるだけ。
それに、本当は、「あの時の自分ダメだった!」という厳しい自己評価ではなくて「ほんとに緊迫したあの時、ひとりでよくのりきったよね!」と言ってくれる味方が欲しいのではありませんか?
自分だけは自分の味方をしてあげたらよいのですよ。
それは「自分に甘い」とか「ダメなこと」ではなく「自分を適切に扱う=自己肯定感」です。
怒りを強める言葉に注意しよう
後から怒りを強めてしまう考え方には、いくつかの注意すべきキーワードがあります。
それは、
いつもわたしが損をする。
やっぱりわたしが悪い。
どうせやっても無駄だ。
なんでできないんだろう?
など、自分の可能性を閉ざす決めつけ言葉です。
確かに、なぜかいつも自分ばかり叱られて損な役回りなのかもしれない。
自分でも何か変えたいと思いながら、上手く変えられずがっかりしているかもしれない。
自分が頑張ったところで、何も変化はないかもしれない。
でも、思い込んでしまうと、他のチャンスを閉ざしてしまうでしょう。
また、「悪いのは自分」と責任を引き受ける態度は、一見大人のようにみえますが実は違います。
大人の態度は、自分も反省するけど、相手に伝えるべき点は伝えられる態度のことです。
やみくもに「自分のせい」にしていると、自分の中に怒りが溜まっていってどこかで爆発してしまうか、何も感じない(抑うつ・無気力)になってしまいます。
「悪いのは自分」を卒業しよう
そのためにも、怒りの体験があった後は、「よく切り抜けた自分にお疲れさまをする」ことから始めてみてほしいと思うのです。
後から強まる怒りの処方箋・まとめ
✔️ 怒り体験は上手に切り抜けた自分をねぎらい、お疲れさまをすることが大切。痛みをやり過ごすためにご褒美もOK
✔️ ほとぼりの冷めないうちに原因究明してもエンドレスになるだけ。冷静になるまで待ちましょう。
✔️ 「理想的な対応・反撃」ができなかった自分を責めないこと。
✔️ なんでも自分のせいにするのは、卒業しよう。
ひとりではうまくできないという場合は、カウンセリングも有効です。
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