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体罰がやめられない 親の心理と子どもへの5つの悪影響

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理士)です。

 

この記事では、体罰はいけないとわかっているのにやってしまう親の心理と子どもへの悪影響5つをお話します。なぜダメだとわかっていてもしてしまうのか、子どもへの影響を理解して、子育てを修正していきましょうね。

 

体罰とは

体罰とは、痛みや不快感で子どもをしつけることを指します。

 

叩く、つねる、蹴る、などの身体を傷つける行為だけでなく、怒鳴る、大きな音で脅す、怖がらせる、無視する、も体罰です。

 

体罰をする理由①感情コントロールの難しさ

子どもが言うことを聞かなかったり、感情的に反発してくると、親もストレスがたまります。

 

イライラが高まると、冷静な対応が難しくなり、今をしのぐために体罰で解決してしまいやすくなります。

 

子育て中のストレスが慢性的に高まっている場合、瞬間的に感情が爆発しやすくなります。

 

体罰をする理由②体罰が有効だという誤解

今子育てをする世代は、自分が体罰を受けて育っていることが多いです。

そのため、それが有効だと思い込んでいることがよくあります。

 

また、体罰が一時的に子どもを黙らせることから、効果があると誤解されやすいのです。

 

体罰をする理由③瞬間的な成果を求める焦り

時間をかけて説明するよりも、体罰によって即座に従わせたいという心理が働くことがあります。

 

特に、忙しい中で子どもの行動を急いで修正したいときや、公共の場で迷惑をかけている場合など、「すぐにやめさせたい」という焦りが、親に体罰を使わせてしまうことがあります。

 

体罰に有効性はないことが証明されている

心理学・脳科学では、体罰に有効性は全くないことがわかっています。

 

しかし、擁護派が、子どもに厳しい躾をしない親に対して批判する風潮もあり、体罰のない子育てをする親がプレッシャーを感じてしまうことも少なくありません。

 

正しい知識を持ち、惑わされないことは、とても大切です。

 

体罰の悪影響① 攻撃性の増加

体罰を受けた子どもは、親の真似をして、他人に対して攻撃的になります。

 

体罰の悪影響② 心理的ストレス・不安障害

体罰は子どもの自尊心を傷つけ、自己肯定感を低めます。

 

その結果、うつや不安障害などの精神疾患につながる可能性が高くなります。

 

体罰の悪影響③ 成績の低下

体罰を受けた子どもは、学習意欲が低下し、集中力が損なわれることが研究で示されています。

 

体罰の悪影響④ 社会的スキルが身につかない

体罰は、子どもが健全な社会的スキルを学ぶ機会を奪い、対人関係で問題を抱えることが多くなります。

 

体罰の悪影響⑤ 親子関係の悪化

体罰は親に対する恐怖、怒りや悲しみ、不信感を生み、親子の信頼関係が崩れる原因となります。幼少期は親に従っていても、前思春期(小学校高学年)、思春期(中学生・高校生)、青年期(高卒後以降)に親に対して強い怒りを向ける、話ができない、自分がされた暴力を親に向ける、逆に引きこもるなどの影響が出ることもあります。

体罰は一時的な解決には見えるかもしれませんが、長期的に見て子どもの成長と発達に深刻な影響を及ぼします。

 

では、体罰を防止するには、どのような子育てがあるでしょうか。

 

体罰を防止する子育ての方法4つ

体罰を防止する子育ての方法①子どもの不機嫌を防止する

子育てで最も大事なのは、子どもの不機嫌を予防することと言っても過言ではないと思います。

 

子どもは、疲れている時、お腹が空いている時、眠い時は不機嫌になりやすく、コントロールが難しくなります。

 

子どもが小さいうちは、子どもに無理のない生活、予定を立てましょう。これは、10歳くらいまで同じです。

 

体罰を防止する子育ての方法②プラスの循環に

子どもの素敵なところ、よいところを見かけたら、肯定的な声かけをしましょう。

 

例えば「ありがとう」「嬉しいな」「できたね」「すごいね」のようなことです。褒めよう!と構える必要はなくて、小さなことを見つけてあげることが大切です。

 

体罰を防止する子育ての方法③冷静な説明

子どもの問題行動には、怒鳴るのではなく、まずは冷静に受けとめること。親が感情的にならないことで、子どもが感情的になることや事態の悪化を防げます。

 

子どもの気持ちが落ち着いてからでよいので、冷静に何がよくなかったのかを説明してあげましょう。

 

ただ、年齢によってはまだ親が言う内容が理解できなかったり(就学前のお子さんたち)、理解できても親の言う通りには行動できないことも多いです(年長〜低学年)。淡々と注意をして、子どもの成長を待ちましょう。

 

体罰を防止する子育ての方法④親の不機嫌を防止する

親が疲れていないこと、余裕があることが、体罰防止に大きく影響します。

 

ストレスが溜まっていませんか?食事や睡眠は取れていますか?最後にリフレッシュできたのはいつですか?無理が続いている時は、子育てや家事のシェアや手助けを検討しましょう。

 

預かり保育の利用や、お住まいの地域でファミリーサポート、シルバーサポートのようなサポートシステムがあればそれもおすすめです。もちろん、ベビーシッターや家事代行サポートもとてもよいです。負担とストレスを減らしてくださいね。

 

どうしても体罰がやめられないときは

それでも、どうしても体罰がやめられない方は、ご自分の幼少期の体験や、怒りのコントロールができないことが影響している可能性があります。

 

その場合は、カウンセリングの利用も検討してください。お住まいの地域で、子育て支援の相談窓口や、教育支援の相談窓口を置いていることが多いです。無料で相談できますから、調べてみてください。

 

はこにわサロンでも体罰や親子関係に関する相談、怒りのコントロールに関する相談をお受けしています。

対面の他、オンラインお電話での相談もできます。

ご予約をご希望の方は、こちらのカレンダーからどうぞ。

 

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