我が子が「ひといちばい敏感だ」と感じたら。HSC(ハイリー・センシティヴ・チャイルド)かもしれません

 
ひといちばい敏感な子(HSC)

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MichikoYoshida
ビジネスウーマンから、自分自身の内的必然性に導かれて、心理臨床の道へ。臨床心理士として学校や教育機関での相談活動を経て、2016年、東京・青山にはこにわサロン東京をオープン。 箱庭療法を通じて「あなただけの生き方」を応援している。
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エレイン・N・アーロンさんの書いた『ひといちばい敏感な子』を読みました。

ブログ活動を通じて知りたったひかるさんが紹介しておられたのです。

ひかるさんはご自身がHSP(ハイリー・センシティヴ・パーソン)であり、ブログを通じてHSPについて発信しておられます。

今回、ご紹介する『ひといちばい敏感な子』は英語で、HSC、つまりハイリー・センシティヴ・チャイルドと言います。

この記事はこんな方に向けて書いています
● うちの子、他の子とちょっと違っていて、「育てにくい」・「なんだか心配」と思っている方。

● うちの子の感じやすさをどうカバーしたらいいのか、悩んでいる方。

● 中でも、「これはわがままなの?小さいうちにしつけで直さなきゃいけないの??」と悩んでいる方に。

 

結論を先に言ってしまうと、「感じやすさ」は子どもの大切な個性なので、限りなく寄り添って、長所として育てて行くのが望ましいです。

「わがまま」「小さいうちに直さなくちゃ」というアプローチでは、子育ても親子関係もスタートからズレが生じてしまいますから、注意が必要です。

 

翻訳者である明橋大二さんの前書きに大切なことが書かれている

『ひといちばい敏感な子』を翻訳されたのは、心療内科医でスクールカウンセラーの明橋大二さんです。

前書きの中で、明橋さんはこのように書かれておられます。

30年近く、心療内科医、スクールカウンセラーとしてさまざまな子どもたちに関わってくる中で、同じ環境でも、あまり意に介さず流せる子と敏感に反応する子がいることに気づきました。

「この世には、人一倍敏感な人というのがいるんだよ」と紹介してきました。

そんな折、ある親御さんが人一倍敏感な我が子のことについて「発達障がいじゃないかと言われている」と相談してきました。

確かに、感覚の過敏さというところでは共通することがありますが、発達障がいと、人一倍敏感な(その)子の特性は全く違います。適切な対応も異なります。誤解されたまま、誤った対応を続けられたら、決してその子は回復しない。

『ひといちばい敏感な子』前書きより

 

セラピストよしだ
これ、本当にそうなんです!

誤解したまま(思い込んだまま)「子どものために」と願って努力しても、成果が出ないばかりか、子どもをもっと追い詰めてしまうことになってしまいます。

そういう残念なケースも、少なくない・・・と思います。

では、「ひといちばい敏感な子」とはどんな子どもなのでしょう?

 

「ひといちばい敏感な子」とはどんな子どもたちなの?

著者のアーロン博士は、ご自分の子どもも、ご自身もHSP(ハイリー・センシティヴ・パーソン)であると表明した上で、「ひといちばい敏感な子」のことをこんな風に書いています。

下記のような敏感さを理由に「人と違う」と言われたり、親自身が「育てにくい」と感じる子どもたち。例えば・・・

● 被害感が強く傷つきやすい。そのため、例えば他人が攻撃されていたり、悲しいお話にも、まるで自分がそうされたかのように強く反応して泣き出してしまう。

● 不安が強い。新しい環境への不安も人一倍強く、うまくやれるかを自問自答する間、固まってしまう。そのため、安心できる環境を作る・守るために、努力を厭わない。

● 人見知りが強く、相手のことがよくわかり、安心して付き合えるようになるまでに時間がかかる。安心して付き合えるようになったら、大丈夫なんだけど。

● 安心基地がとても大切(あればがんばれるし、ないと不適応が大きくなる)

● 実際に五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)が鋭くて、他の人が気づかないことを不快に感じやすい。

 

もちろん、これらのことすべてが揃うということではなく、人によってあったりなかったり(強かったり弱かったり)します。

 

詳しくは・・・エレインさんのHPの記述を見る→こちら

 

発達障害とどこが違うの?

発達障害とは、生まれつきの脳の神経系の発達で、充分に発達しない部分があるために、認知や行動、感情やコミュニケーションといった人間が社会で生きて行くために必要な様々な能力にアンバランスが生じる障害であると考えられています。

その特徴から「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」「自閉症スペクトラム障害」「学習障害」などと名づけられています。

発達のアンバランスさが引き起こす敏感さやこだわり、生きづらさは、「ひといちばい敏感な子(HSC)」ととても似ていたり、行動様式としては同じように見えることがありますが、根っこのところが大きく違います。

例えて言うと、発達障害は脳機能の障害で基本的には生涯その傾向は変わらない。

「ひといちばい敏感な子(HSC)」は”極めてデリケートな皮膚を持って生まれた子”のイメージです。成長とともに、少しずつ”皮膚が丈夫に”なって来ると、以前はできなかったことができるようになったり、こだわっていたことから抜け出していったりします。

ちなみに、デリケートな皮膚は”鍛錬”しても鍛えられませんのでご用心。様々な刺激にも傷つかなくなるまでは、保護して、待つことが大切です。

「ひといちばい敏感な子どもたち」に発達検査を取っても、特に気になる発達の偏りは見当たりません。

でも、もちろん、発達障害と敏感さを併せ持っているお子さんはおられます。

 

発達障害とHSCを合わせ持っているお子さんもいます

 

「ひといちばい敏感な子どもたち」からの相談

わたしが、これまでに受けてきた相談にはこんなものがあります。

(何人もの子どもに共通するものだけを書きます。もちろん、すべてがひとりに当てはまるわけではありませんが、複合するお子さんもいらっしゃいました。)

● とても慎重で、絶対にうまくやれると思えるまで、やらない。

● 失敗をとても怖がる。(プライドが高いと誤解・非難されてしまいがち。)

● 友だちの悪意を敏感にキャッチする。自分のことではないのに傷ついてしまったり、うろたえてしまう。それが挙動不審と受け止められてからかわれたり、いじめターゲットにされてしまう。

● 「いつも生活している場所・地域」では自由活発なのに、そのテリトリーを離れることをとても怖がったり、ひとりでは出かけていけなかったりする。

● ささいなことがきっかけで、教室に行けなくなりがち。

セラピストよしだ
自分の感覚と周りからの刺激を強く感じる傾向から、学校という場が辛く感じられてしまうことは少なくないと感じます。実際、わたしが不登校で相談を受けていたお子さんの半数近くには、この傾向を感じました。

こちらの記事では、不登校についてまとめていますが、この中に出て来る子どもの多くには、「敏感さ・HSC」の傾向が認められると思います。

 

「ひといちばい敏感な子どもたち」にどう支援するか

まず、「敏感さ」は子どもにとって、長所でもあり、短所でもあり、その子の持ち味として受け入れて、大切にすることが大切です。

その上で、「敏感さ」をどう支えてあげるのかということを書きます。

 

敏感さをカバーする

例えば、光や音を抑制して、刺激を減らしてあげること。他にも、皮膚感覚や味覚など、子どもが強く反応したり、嫌がったりすることは、避けてあげるのが得策です。

お友だちとのやりとりが辛く感じられるようなら、遊ぶ時間を絞ってあげる。(疲れてきて調子が落ちると、途端にお友だちとの遊びが辛くなったり、被害的に感じ始めたりします。)

セラピストよしだ
大切なので繰り返しますが、必要なのは無理な練習ではなく、本人が辛く感じることは避けて、辛くなくなるのを待ってあげることです。

 

安心基地を作る

「ひといちばい敏感な子」に取って何より大切なのは、安心できる場所の確保です。

多くの場合は、家庭になると思いますが、家庭の外にも安心基地があると非常に心強いと思います。

敏感さゆえに気持ちが不安定になりやすかったり、こだわりがあっても、「そのままのあなたでいいよ」と認めて愛してくれる人がいる場所。

必ず安心して過ごせる場所があるからこそ、敏感な子が、ゆっくりと時間をかけて、おおらかさを獲得し、敏感さを少しずつ卒業して行くことができるのです。

 

たっぷり愛情補給

安全基地と似ているのですが・・・。

いつも気にしてくれている人がいること。「あなたのことが大好きだよ!」という愛情をシャワーのようにかけてもらうこと。それが、「ひといちばい敏感な子」の敏感さを和らげる働きをします。(ビタミンCみたいです。たくさんあっても、不要な分は排出されるから大丈夫!)

子どもにとっては、このような親・大人の愛情表現に対して、一見クールな反応をする場合もあるでしょう。

でも、それは、子どもが愛情を欲していないわけではありません。

 

本人のペースを尊重

「ひといちばい敏感な子」にとって、無理なくがんばれるペースを尊重してもらうことはとても大切です。

「ゆっくりすぎて心配」というご相談を受けることもよくあります。敏感な部分を守り、時間をかけて育ててあげると、その子の「伸びる時」がきて、グーンと成長します。

この成長が来ると、それまで敏感で苦手だったことが克服されてしまうこともよくあるな、と感じます。

(アーロン博士も同様のケースについて著書でご紹介なさっておられます。)

 

まとめ

「ひといちばい敏感な子ども」は、その気質のため、時に「育てにくい子」と思われてしまったり、将来を心配するが故に厳しく無理を重ねて育てられてしまったりすることがあります。

でも。

子どもの様子をよく見ていると、自然とわかって来ると思います。

その子が何を望んでいるのか。

その子にとって成長しやすい環境を整えてあげると、本人の成長する力が活性化すること。

セラピストよしだ
他の子どもと比べないことがコツかもしれません。

 

その子の様子を見て、オリジナルな育て方をして行くこと。

それは、試行錯誤の連続だと思います。

失敗しても大丈夫です。

失敗すると、本人が「わーっ」と泣いたりして、「失敗した〜!」と思うでしょう。

でも、失敗してみないとわからないことがたくさんあります。

正しく対応しても、すぐには伝わらない時もあるし、間違った対応だったけど結果オーライなこともある。

要するに、親・大人の関心とか、愛情の熱量が一番大切なのではないかと思います。

 

それから、オリジナルな子育てって、けっこう勇気がいります。

他の子どもは望まないことを、うちの子どもは望むかもしれない。

うちの子どもの気持ちに沿ってあげたら、周囲の大人から何か言われることもあります。

そんなことがあると、子育ての自信が揺らぐこともあります。

だから、そういう時には、臨床心理士(カウンセラー)に相談してみてください。

「あなたのやり方で大丈夫!いいですよ!」と言ってもらえたら、安心してオリジナル子育てできますよね!

 

セラピストよしだ
「ひといちばい敏感な子ども」は、育てにくいと感じることもあるけど、実は子育ての手応えを感じさせてくれる子どもたちであることが伝わりましたでしょうか。

 

「我が家のケースを具体的に相談したいよ」と思われるときは、こちらからカウンセリングにお申し込みくださいね!

 

ご紹介した本

 

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MichikoYoshida
ビジネスウーマンから、自分自身の内的必然性に導かれて、心理臨床の道へ。臨床心理士として学校や教育機関での相談活動を経て、2016年、東京・青山にはこにわサロン東京をオープン。 箱庭療法を通じて「あなただけの生き方」を応援している。
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