レジリエンス（回復力）とは？人間関係の悩みを乗り越える力

東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田美智子（臨床心理士・公認心理士）です。

 

「人間関係がうまくいかない」「いつも自分が責められている気がする」と悩んだことはありませんか？

 

学校や職場での対人関係が苦手で、どうしていいかわからずつらい思いをしている方は少なくありません。

 

その背景には、幼少期の親子関係や愛着の問題、基本的信頼感の欠如が関係している場合があります。

 

でも、「レジリエンス（回復力）」を育てることで、対人関係の悩みを乗り越える力を身につけることができます。この記事では回復力とは何か、そしてその力を今からどう育てるかを考えていきます。

 

レジリエンス（回復力）とは何か？

レジリエンス（回復力）とは、逆境や困難に直面したとき、それを乗り越えたり、柔軟に適応して成長する力のことです。

 

レジリエンス（回復力）は個人差や幼少期の体験の影響が大きいのですが、それで決まるわけではなく、大人になってから、自分で身につけていくことができます。

 

レジリエンス（回復力）がないと困るのはなぜ

レジリエンスが不足していると、対人関係の悩みがさらに深刻になります。たとえば：

 

自分を責めてしまう

人からの批判を過剰に受け取り、「やっぱり自分が悪いんだ」と自己否定に陥りやすくなります。

 

ストレスの影響を受けやすくなる

レジリエンス（回復力）が弱いと、ストレスの影響を受けやすく、ダメージを受けやすくなってしまいます。

 

孤立感が強まる

他人との関わりを避けてしまうため、孤立が深まったり、経験値が不足して、人間関係がさらに苦手になります。

 

レジリエンス（回復力）が持てるようになると

レジリエンス（回復力）が育つと、人間関係の中でもっと自由に振る舞えるようになります。

 

自分を肯定できる

他人の言葉や態度に振り回されず、「自分はこれでいい」と安心感を持てるようになります。

 

ストレスを適切に対処できる

問題に直面しても、「この状況をどう解決しよう？」と冷静に考えられるようになります。

 

健全な人間関係を築ける

人と適度な距離感を保ちながら健全な人間関係を作れるようになります。

 

レジリエンス（回復力）と親子関係

レジリエンス（回復力）は、幼少期の親子関係の中で育まれるものが土台となります。

 

安心感を与える言葉と態度

親が「あなたは大丈夫」「どんなときも味方だよ」という言葉や態度で接することで、子どもは基本的信頼感を築きます。

 

失敗を許容する環境

子どもが失敗しても叱られず、「大丈夫」となぐさめてもらえたり、「がんばったね」と肯定されることで、自己肯定感がつくられます。

 

感情を受けとめる

子どもが感情的になった時は、その感情を受けとめて落ち着かせてくれます。その結果、子どもの感情調整力が育ちます。

 

愛情の一貫性

親の態度が一貫していると、子どもが社会に対して安心感・信頼感を持つことができるようになります。

 

レジリエンス（回復力）を今から自分で育てることもできる

子ども時代に回復力が十分に育たなかったとしても、大人になってから育てることができます。レジリエンス（回復力）を育てるためにできるとよいことをお話します。

 

小さな成功体験を積み重ねる

自分にできることを少しずつ増やし、「できた」という感覚をもつことが大切です。例えば、毎日短い散歩をする、日記を書く、やりたかった小さな趣味を始めるなど。

 

感情を言葉にする

悲しい、寂しい、嬉しいといった感情を切り離したり閉じ込めたりせず、意識的に言葉にしてみましょう。この試みから自己理解と自己対話ができるようになっていきます。

 

セルフケアをする

こころと身体は密接につながっています。まずは、十分な睡眠をとる、エクササイズをする、バランスの良い食事を心がけるといった基本的なセルフケアをすること。また、自分が心地よいと感じられること（お風呂、着心地のよい服やタオル、香り）などの工夫をする。これらのことが、自律神経を整える効果もあります。

 

自分を責めない

自分を責めることで自分を「安心」させている場合があります。代わりに、「よくやった」「お疲れさん」のように自分に肯定的な声掛けをするようにしてみましょう。

 

安全な人間関係を築く

信頼できる友人やパートナーなど「この人なら安心して話せる」と感じる相手との時間を持ちましょう。他者との温かい関わりが、心を回復させます。

 

カウンセリングのすすめ：一人で抱え込まず、プロの助けを借りる

自分でできることを少しずつ試すのも大切ですが、愛着不全や基本的信頼感の欠如による悩みは、根が深いことも多いです。その場合、カウンセラーの助けを借りるのもおすすめです。

 

カウンセラーは、相談者の味方、併走して応援する人、親の役割を代替する、などの役割を果たします。

 

カウンセリングでは安心感、信頼感をもちながら、自分の気持ちを言葉にすることができるので、今抱えている課題を理解・整理しやすくなりますし、カウンセラーと一緒に改善の手立てを相談することもできます。

 

このような体験を通じて、レジリエンス（回復力）を作っていくことができますし、一度自分のものにすることができれば、これからも自分の方法で実践することができます。

 

対人関係でも、いつも悩んでいるのに解決しない、ただ辛さが増すだけ、ということは起きなくなりますよ。

 

まとめ：レジリエンス（回復力）を育てて未来を変える一歩を

レジリエンス（回復力）は、困難を乗り越え、成長する力です。子どもの頃に十分に育たなくても、今から取り組むことで高めることができます。ブログの中で「やれそうだな」と思うことを実践したり、自分なりの工夫をしてみてください。

 

もし一人で進むのが難しいと感じたら、カウンセリングの力を借りてみてください。

はこにわサロンでも、レジリエンス（回復力）を育むカウンセリングを行なっています。

ぜひ、チェックしてみてください。

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