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いじめやハラスメントのターゲットになりやすい人の特徴と変えるには?

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田美智子(臨床心理士・公認心理師)です。

 

いじめやハラスメントは加害者の問題であり、ターゲットになる側に「責任があるわけではない」 ことが大前提です。

 

しかし、加害者が「攻撃しやすい」と感じる特徴があると、ターゲットになりやすくなることがあります。 

 

以下では、いじめやハラスメントの標的にされやすい人の特徴と、その背景にある心理について解説します。 

 

① 断れない・NOが言えない(従順すぎる)

■頼まれると嫌でも断れない

■理不尽な要求にも「仕方ない」と思って応じる

■強く言われるとすぐ折れてしまう

 

なぜターゲットにされる?

加害者は「抵抗しない相手」を狙う傾向があるため、「この人は何を言っても逆らわない」と判断されると、いじめやハラスメントがエスカレートしやすくなります。 

 

背景にあるもの

幼少期に「嫌と言うと怒られる」「周りに合わせるべき」と学んできた人は、対立を避けるために「従順さ」でその場をやり過ごすことが多いです。 

 

② 自己主張が苦手・意見をあまり言わない

■会議や話し合いで意見を言えない

■人と意見が違っても、合わせてしまう

■争いを避けるために黙ることが多い

 

なぜターゲットにされる?

「何を言われても反撃しない人」と思われるため、標的になりやすい。自己主張しない人は、加害者にとって「やりやすい相手」と見なされる。 

 

背景にあるもの

内気で主張することが苦手な方。また、幼少期に「自分の意見を言うと怒られた」「家族の中で意見が通らなかった」などの経験があると、「どうせ言っても無駄」と感じるようになり、自己主張を避けるようになる。 

 

③ 目立ちすぎる or 目立たなすぎる(集団から浮きやすい)

■特定の才能・能力があり、嫉妬されやすい(成績が良い、仕事ができる、外見など)

■おとなしく、控えめすぎて存在感が薄い

■趣味や価値観が周囲と違い、共感されにくい

 

なぜターゲットにされる?

「目立つ人」は嫉妬や妬みの対象になりやすく、「目立たない人」は孤立しやすいため、攻撃されやすくなります。

 

背景にあるもの

「目立つ人」は、加害者の劣等感や嫉妬心を刺激しやすいです。 

「目立たない人」は、「この人なら反撃しない」「周りに守ってくれる人がいない」と思われると、いじめの標的になりやすいのです。

 

④ 共感力が高すぎる(相手の感情に敏感)

■相手が怒ったり、悲しんだりするとすぐ気を遣う

■人に嫌われないように細かく気を配る

■人の機嫌に左右されやすく、緊張しがち

 

なぜターゲットにされる?

共感力が高い人ほど「攻撃したときの反応が面白い」と思われ、いじめがエスカレートしやすくなることがある。

 

背景にあるもの

優しくて共感力が高い性格(HSP)。また、幼少期に「親の機嫌を気にしながら生きてきた」「親が感情的で振り回された」経験があると、相手の感情を敏感に察知しすぎる癖がつきやすいです。

 

⑤ 責任感が強すぎる(頼まれると断れない)

■「自分がやらないとダメ」と思いやすい

■誰かが困っていると、つい助けてしまう

■過剰に仕事や責任を押し付けられることが多い

 

なぜターゲットにされる?

責任感が強い人は加害者から都合よく利用されやすいです。

 

背景にあるもの

責任感が強い人。長男長女など、責任を持たされて育ってきた人。また、幼少期に「親の期待に応えないと認められなかった」「頑張ることで愛された」などの経験があると、「自分がやらなきゃ」と過剰に責任を背負ってしまうようになります。

 

⑥ 自己肯定感が低く、「自分は攻撃されても仕方ない」と思っている

■嫌なことをされても「自分が悪いのかも」と思う

■人からの評価に敏感で、常に認められようとする

■自分に自信がなく、他人の意見に流されやすい

 

なぜターゲットにされる?

加害者は「反撃してこなそうな人」を嗅ぎ分けるため、自信がなく萎縮している人ほど、攻撃の対象にされやすい。 

 

背景にあるもの

幼少期に「ダメ出しが多かった」「親の顔色をうかがう環境で育った」などの経験があると、「自分には価値がない」と感じやすく、攻撃されやすくなってしまいます。

 

ターゲットになりやすい人の特徴・まとめ

  • 断れない・NOが言えない
  • 自己主張が苦手で意見をあまり言わない
  • 目立ちすぎる or 目立たなすぎる
  • 共感力が高すぎて、相手の感情に振り回されやすい
  • 責任感が強く、頼まれると断れない
  • 自己肯定感が低く、攻撃されても「自分が悪い」と思ってしまう

 

どうすればターゲットにされにくくなる?

① 小さな「NO」を言う練習をする

いきなり強く自己主張するのが難しい場合、「今日はちょっと無理かも」など、小さなNOを言う練習をしてみてください。少しずつ、必要な場面で自分の意見を言えるようになっていきましょう。  

 

② 表情や態度を少し変える

自信がなく見えるとターゲットにされやすので、背筋を伸ばす、相手の目を見て話すなど、姿勢や態度を変えてみてください。自分に自信が持てるようにもなり、一石二鳥です。

 

③ 相談できる味方をつくる

自分の気持ちを率直に話せる人がいると、ひとりで抱え込まずに済みますし、ターゲットにされることを防いだり、早期に解決できるようになると思います。

 

④ 「自分の価値は相手の評価で決まるわけではない」と意識する

相手の言葉や態度に振り回されないよう、「自分はこれでいい」と思う習慣をつけましょう。自分軸が定まると、つけ込まれにくくなります。

 

いじめやハラスメントを受けやすい人は、過去の経験から「自分が我慢すれば丸く収まる」と思いがちなところがあるかも知れません。でも、それは理不尽な我慢で、あまり繰り返してほしくはありません。

 

小さな工夫を通じて、自分を守る力をつけていきましょう。

 

安易にターゲットにされることのないように、こころから願っています。

 

もし、ターゲットにされてしまい、相談できる人がいないときは、どうぞ、カウンセリングを利用してくださいね。

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