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ガルガル期とは?症状・対応方法を知って乗り越えよう

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田美智子(臨床心理士・公認心理師)です。

 

「ガルガル期」とは、出産後の母親がイライラしやすくなり、攻撃的な言動や態度をとってしまう時期を指します。これは正式な医学用語ではなく、育児中の母親たちの間で広まった言葉ですが、実際に多くの母親が経験する現象です。 

 

特に産後、数週間〜数ヶ月の間に起こりやすく、ホルモンの変化、睡眠不足、育児ストレス、パートナーや家族との関係などが原因となります。 

 

ガルガル期になりやすい人の特徴

もともと完璧主義な人

「ちゃんとしなきゃ」「育児を失敗してはいけない」と思いがち。

 

責任感が強い人

「私がやらないと誰もやらない」と一人で抱え込んでしまう。

 

周囲に頼るのが苦手な人

人に甘えられず、「自分が頑張らなきゃ」と思いやすい。

 

睡眠不足や疲労が蓄積している人

慢性的な疲れでイライラが抑えられなくなる。

 

夫や家族の協力が少ない人

「私ばっかり頑張ってる!」と不満が爆発しやすい。 

 

ガルガル期の主な症状

■パートナーや家族に対してイライラしやすい

■ちょっとしたことで怒ってしまう

■「私ばっかり」「どうして助けてくれないの?」と不満が募る

■育児に対するプレッシャーが強く、「こんなはずじゃなかった」と思う

■些細なことで涙が出たり、気分が不安定になる

■赤ちゃんが泣くたびにイライラする、または無気力になる

ガルガル期の対処法(自分でできること)

自分が「ガルガル期」だと自覚する

「私は今、ホルモンや育児ストレスの影響でガウガウしてる」と気づくことで、自分を責めるのを減らせるし、少し冷静になれます。

 

完璧を求めない

全部自分でやらなくても大丈夫、赤ちゃんが泣いても大丈夫です。

赤ちゃんに100%応えられるお母さんはいなくて、51点で合格であることを知ってください。

 

睡眠をとる

夜まとまった睡眠をとることが難しいこの時期、とにかく、こまめに仮眠をとりましょう。

おっぱいあげながらもOK。

家族の応援を頼みましょう。

 

リラックスタイムを確保する

なかなかゆっくりできませんが、肌触りのよいもの、好きな匂い、好きな音楽など、好きなものに触れる時間を持ちましょう。

贅沢ではなく、メンタルケアに必要なことと理解してください。

 

夫や家族に察してもらうことを期待しないで、言葉で伝える

こんなに大変な時期。察して欲しい気持ちはとてもよくわかります。

でも、周りも慣れなくて、察することが難しいかもしれませんから、ぜひ、言葉で伝えましょう。

自分の期待通りじゃなくても、やってもらい、任せることが、今後も手伝ってもらえる関係を作ります。

 

SNSや育児コミュニティを活用する

同じような悩みを持つママはたくさんいます。気持ちを共有できる人と繋がれるといいですね。

 

害のないイライラ発散法を見つける

「今はそういう時期だから仕方ない」と考えて、ストレス発散方法を編み出しましょう。

深呼吸、自分の気持ちに合う曲を歌う(シャウト系おすすめ)、お笑いを見る。泣いてスッキリするのもおすすめ。

 

ガルガル期:家族ができること(夫・家族の対応)

「今はホルモンの影響でイライラしやすい」と理解する

「なんでそんなに怒るの?」ではなく、「産後はそういう時期なんだ」「そのくらい大変な最中に妻がいるのだ」と理解して、できる限りのサポートをしましょう。

この時期にしっかり信頼を獲得できるかどうかは、今後の夫婦の信頼関係に大きく影響します。

 

「手伝おうか?」ではなく、「〇〇やるね!」と具体的に動く

赤ちゃんのお世話や家事をどんどん担いましょう。

子育ては「初めてでどうすればいいかわからない」と思うかもしれませんが、それは母親だって同じなのです。

今のうちからトライ&エラーして経験を積みましょう。

家事も慣れないことが多いかもしれませんが、チャレンジしてみましょう。

家事を解説する動画などが助けになります。

 

感謝とねぎらいの言葉をかける

子育ては夫婦の共同作業ですが、出産前後は母親に負担が集中する時期です。

頑張ってくれている妻に感謝とねぎらいの言葉をかけましょう。

また、妻が心地よく過ごせるように心配りをしてください。

欲しいものがないか聞く、飲み物を準備する、マッサージする。

また、妻がゆっくりお風呂に入れるように、食事が取れるように、協力してください。

 

「ママが休む時間」を意識して作る

「赤ちゃん見てるから、30分休んでおいで」のように伝えて、ちょっと休めるようにしてください。

乳児は片時も目が離せません。

母親はトイレに行くのもゆっくりできない時期です。

こまめにひとりで休む時間、自由な時間を作ってあげましょう。

 

イライラを受け止める

イライラして攻撃的な言葉を言われたら、論理的な正解は不要です。

ただ「イライラしているつらさ」を聞いてあげてください。

聞くしかできず、無力な気持ちになれたら、妻のイライラは半分減少しています。

 

外部のサポートを活用する

親や友人、自治体のサポートを活用しましょう。

 

ガルガル期が長引く場合、産後うつの可能性も?

ガウガウ期は一時的なもので、数週間〜数ヶ月で落ち着くことが多いですが、以下のような状態が続く場合は 産後うつの可能性も考えられます。 

 

■気分の落ち込みが続く(喜びを感じられない)

■イライラだけでなく、何もしたくなくなる

■赤ちゃんに対する関心が薄れる or 過剰に心配しすぎる

■「死にたい」「消えたい」と思うことがある

■睡眠障害や食欲不振が続く

 

このような場合は、無理せず専門家(保健師・助産師・カウンセラー・産婦人科・心療内科・行政の窓口)に相談してください。

 

ガルガル期 まとめ 

■ホルモンの変化・睡眠不足・ストレスの影響で誰にでも起こる

■「母親だから頑張らなきゃ」ではなく、「助けを求めてもいい」と思うことが大切

■家族も「察して」ではなく、具体的にサポートすることが重要

■ガルガル期を乗り越えたら、必ず「楽になる時」がくる

 

出産は女性にとってとても大きなライフイベントです。ホルモンバランスの影響もあり、ガウガウしてしまうのは自然なことです。ご自分を責めないこと、周りのサポートを得て、家族の基礎を作っていってくださいね。

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