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親の望む「いい子」を演じることに疲れたら自分らしく生きてみよう

 
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MichikoYoshida
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士)です。

 

カウンセリングでお会いする方の大半に共通していることがひとつあります。

それは、「いい子」だ(った)ということ。

 

「いい子」のなにがいけないんでしょう!?

なぜ、大人になっても「いい子」でいる(いた)ことに、これほどまでに苦しむのでしょう?

 

それは、親子という、対人関係の基盤に起因する問題だからだと思います。

 

今日は、「いい子」について、また「いい子」から抜け出して、自分らしく生きることについてお話ししてみたいと思います。

 

「いい子」とはどんな子どものことを指すの?

「いい子症候群*」という言葉もあるくらい、「いい子」であることの問題は広く知られているようですが、実は、はっきりした定義があるわけではありません。

*提唱者は尾木ママ

 

しかし、「いい子」であるかどうかというのは、子どもの子育てに携わる大人から見て「いい子かどうか」ということであるように思います。具体的にはこのような子どもたちであると考えられます。

  • 親(大人)のいうことをよくきく(指示に従える)
  • 親(大人)に反抗しない
  • 親(大人)の望みを叶えようとする
共通しているのは、意思決定の基準が自分ではなくて親(大人)であるということです。

 

子どもが「いい子」になるのはなぜ?

子どもが「親の願いを叶えるいい子」になる理由は、大きく2種類あると思います。

ひとつずつ説明しますね。

 

「いい子」が生まれる理由①  親都合のしつけ

人間は生まれた時は誰もが「お腹が空いたら泣き」、「オムツが濡れたら泣き」、「寂しかったり怖かったら泣き」して、世話をしてもらって成長していきますよね。

 

この後、言葉がわかるようになり、生活の自立が始まると、親(大人)はさまざまなことを子どもに教えていきます。

 

それは、子どもの「わたしはこうしたい」と、親(大人)の「こうしたほうがいいよ」を子どもの成長に合わせてゆっくりとすり合わせていく作業で、「しつけ」と呼ばれています。

 

しつけの時に、「子どもが育つ」ことを中心に考えられると良いのですが、親の都合が中心になって進んでしまうことがあります。

 

すると、子どもは否応なく、親の都合に合わせなければならなくなります。

 

というのも、子どもは親に見捨てられたら生きていくことができないからです。

 

それまで「子ども中心」に進んできていた子育てが、急に親都合になっていくのにはいくつかの理由が考えられます。それは:

●「子どもは親のいうことをきくものだ」と思っている

●「子どもは小さいうちにしっかりしつけなければダメだ」と思っている。

●子育てについて相談できる人がいない・助けてくれる人がいない

このような場合、親の願い通りに反応することがしつけだと勘違いされてしまいます。

 

また、この際に暴言や暴力、親の無反応などがあると、子どもはすぐにその力関係に反応し、親の願い通りに動くようになります。

 

それは、頭で考えているというレベルではなく、本能的なレベルで生じます。

 

親のいうことはきけるけど、自分で考えたり、意思決定できないのは、本能レベルの刷り込みによるからなのですね。

 

「いい子」が生まれる理由②  親の願いを叶える

もうひとつの「いい子」が生まれる理由。

それは、親が子どもにかける強い期待(親の夢を叶える)です。

これは、なかなかクセモノです

というのは、親であれば誰だって、子どもの将来が良きものであるように夢見るものですし、親子二人三脚で大きな夢に向かって邁進するケースもあるでしょう。

 

しかしながら、「子どもの幸せを願っている」と思い込んで(「子どものためだ」と言い訳して)子どもの気持ちに気づけなくなってしまうことがあります。

 

例えばこんな風に。

親  「大人になったら人の役に立つ仕事につくんだぞ。例えばお医者さんのような。」

子ども  「うん。大きくなったらお医者さんになる。」

 

●このようななにげない対話から、親は「子どもの夢は(親の願いと一致した)お医者さん」になってしまう。

●のちに子どもが他の将来像を持ち出しても聞く耳を持たない。

 

ちょっと大げさに書いていますが、親が「自分は子どもの願いを知っていて協力している」と思い込んでしまうと、子どもの本当の気持ちが見えなくなってしまうことがよくあるのですね。

 

こうして、親子の誤解が解消されないまま、子どもは「親の願いを叶えられない自分はダメな子だ」と感じてしまいます。しかし必死に努力したとしても、それは本当の自分の願いではなく、心の中に矛盾を抱えてしまうことになります。

 

「いい子」の反抗期

親から見捨てられないように、親の願いを汲んで生きてきた「いい子」にも、親に「NO!」をいうチャンスがあります。

それが反抗期です。

 

子どもによりますが、小学校高学年〜中学生くらいの間に「もういい子でいるのは嫌だ!」と反旗を翻すのです。

 

「親に反旗をひるがえす」なんて気持ちはなく、単純に「もう我慢できなく」なって、学校などの、「家庭外で」問題行動を繰り返す子どももいます。

 

これは、「親子関係を見直す大チャンス」です。

 

わたしは中学校のスクールカウンセラーをしているので、こういうケースによく遭遇します。

 

小学校ではわりといい子(優秀)だったのに、中学生になって授業中にふらふら立ち歩いてみたり、友達をいじめたり、先生に反発したり、喧嘩や家出、盗みや使い込みなどの問題行動を起こしてみたり。

 

親御さんに学校に来ていただいてお話を聞くと「うち子どもは素直ないい子で、問題行動をするなんてとても信じられない!」とおっしゃいます。

 

あまりに信じられないので「うちの子どもが悪くなったのは学校のせい」と誤解されてしまう場合もあります。

 

こんな時はとても慎重に対応する必要があるのですが、親・子ども・先生のお話をていねいに聴いていくと、「親の願いを汲み取っていい子できたけど、これからは自分の考えで生きていきたいんだよ」ということがわかり、親御さんも最初は驚き、怒り、悲しむけれど、落ち着くと「こんなに成長したんだなぁ!」と認めてくださることもよくあります。

 

わたしもとても嬉しい気持ちになります。

 

でも、「いい子」の中には、ただひたすら我慢して反抗期を終えてしまう子どもがいます。

 

「いい子」が破綻する時

反抗期に反抗することもできずに「いい子」を演じ続けた子どもは、やがて心身の不調の形で辛さを表現するようになります。例えばこんな風に・・・

 

このような不適応が生じて治療を開始した時に、ベースにある親子関係の問題を理解しなければ、仮に一時的に症状が落ち着つくことはあっても、次第に悪化していくことになってしまいます。

 

それでも、ここまで「いい子である自分」を投げ出さずに演じてきた場合は、この不調を抱えたまま社会人となり、親の支援を受けられないまま、自分ひとりでこの課題を解決して自立しなければならなくなります。

 

本当に悲しいことですが、このような不適応を抱えて、孤軍奮闘し、あるいは医療機関や相談機関を訪れたなかで、自分の不適応の源に「いい子」があったのだと気づいていかれる場合が少なくないのです。

 

「いい子」をやめて「自分らしく生きる」ためにできること

「いい子」をやめて「自分らしく」生きていくこと。

それは簡単なことではありません。

 

でも、自分の人生の船長は自分自身。

いつだって遅すぎることはありません。

 

では具体的に、どうしていったらよいのでしょうか?

 

①  「いい子」でいた自分に気づく

まず必要なこと。

それは、自分の中に「いい子でいたい自分」がいることに気づくことです。

 

●なぜ、あなたは大人になっているのに、親の望みを叶えようとするのか?

●親の望みを叶えられなかった自分を「価値がない」と考えてしまうのか?

●なぜ、親の機嫌に大きく傷ついて揺れてしまうのか?

 

あなたが「いい子」だったのは、あなたが意気地なしだったから?

 

いいえ、違います。

 

冒頭にも書きましたが、子どもは、親から見捨てられてしまったら生きていくことができません。

 

親の願いを汲み取って、自分の気持ちよりも親の願いを優先して生きてきたのは「生きるため」だったのです。

 

だから、どうぞ「いい子だった自分」を責めないでください。

 

②  親子関係をふりかえる

自分が親の願いを汲み取って「いい子で生きてきた」と気づいたら、親子関係を振り返ってみましょう。

 

あなたはこんな思い・体験をしてきたのではありませんか?

  • 親の言うとおりにしないと叱られる
  • 失敗すると、あからさまにがっかりされる
  • 「あなたはどうしたい?」は聞いてもらえない
  • 身近な他人と比較されて、できないと責められたりバカにされる
  • 無視される
  • それでも悪いのは自分だと思わされる

 

こんなことはよくあった、と思ったら、ちょっと考えてみてください。

「おかしくないですか?」

親の仕事は子どもを育むこと。

もし上記のようなことは育みではありませんよね。

 

親も悪気があったわけではないかもしれません。

何か事情があったかもしれません。

それを理解することは大切です。

でも、だからと言って残念だった子育てが正当化されるわけではないし、第一、今のあなたの苦しみを解消することはできません。そう客観的に振り返ることはとても大切です。

 

③  「いい子」をやめて親から離れる〜自立しよう

自分が生き延びるためにしてきた「いい子」をやめる時がきました。

大人になったあなたは、もう親の力を借りなくても自分の足で生きていくことができます。

心身の不調や、気持ちの不安定さ、自分に自信が持てないことで悩んでいたら、それぞれに対策を考えて実行していきましょう。

●信頼できる友だちに話を聴いてもらいましょう

●お風呂の中で自分の身体をさすってあげましょう

●温かい飲み物を飲みましょう

●必要なら医師や臨床心理士に相談してみましょう

 

「親にどう思われるかはどうでもいい」ということに少しずつ慣れていきましょう。

少しずつ、自分のことを好きになっていきましょう。

自分が幸せだと感じる生活をしていきましょう。

 

まとめ

大人になっても、自分のことを大事にできない、他者(親)の願いを第一に考えてしまい、自分に自信が持てない方がいらっしゃいます。

子どもの頃から、自分より親の気持ち・願いを優先して「いい子」を演じることで親子関係を作ってきた方々です。

子どもが「いい子」になるには2つ理由があります。それは、親の都合を優先したしつけ、そして親の願いを叶えなければダメだと思わされてしまうこと。

思春期(反抗期)に親に反旗をひるがえすことができる場合は、親子関係の作り直しができることもありますが、その時期もただひたすら我慢してしまった場合は、我慢することに破綻が生じます。それが、自傷や摂食障害、抑うつなどの気分障害や解離性障害となってしまうことも少なくありません。

もし、あなたが「親に認めてもらいたい(でも認めてもらえない自分はダメ人間)」と思っていたら、なぜ自分がそれほどまでに親のことを気にするのか、考えてみてください。

「いい子」として必死に生きてきた自分に「お疲れさま!」を言いましょう。客観的に親子関係を振り返り、何が不適切だったのか理解しましょう。あなたは「親から認められなくても」自分らしく生きていくことができる年齢です。自分が心地よく幸せに感じることをたくさんしていきましょう。信頼できる友だちや支援者(医者や心理職も含めて)にも応援してもらいましょう。

過去を変えることはできないけれど、過去を整理して、これからは自分らしく生きていくことは可能です。

一度きりの人生だから、あなたらしく生きていくことができますように!

 

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MichikoYoshida
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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