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HSPや発達障害は脳の多様性

思春期のわが子が突然キレる・逆ギレする理由・親にできることとは?

 
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MichikoYoshida
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田です。

 

先日、こんなYahooニュースでこんな記事が紹介されていましたね。

わが子が突然キレるワケ・・・思春期の子どもの謎を解明!NHK「ニッポンの家族が非常事態!?」

中学3年生のたけしくんは、母親の「塾に行ったら?」の一言に突然キレます。乱暴な言葉に加え、玄関のガラス戸を割るなどの行動もあるため、たけしくんの母親は「うちの子だけ?」と心配しているそうです。

わが子が突然キレるワケ・・・思春期の子どもの謎を解明!NHK「ニッポンの家族が非常事態!?」より抜粋

 

たったこれだけで子どもが突然キレて暴れだすなんて!

中学生・思春期って怖い!

 

と思った方もおられるかもしれません。

 

わたしも、学校などで似たようなご相談を受けることがあります。

でも、子どもたちは「突然キレる」のではなく、「理由あってキレて」いることが多いです。

 

では、どんな理由があるのか?

それをお話したいと思います。

この記事はこんな方に向けて書いています。

○  思春期の子どもが些細なことで怒り出すのはなぜだろう?と思う方

○  どうしたら普通にコミュニケーションが取れるだろう?と悩んでいる方

 

「キレる」のメカニズム

人間は、こころの中に「がまん袋」を持っています。

 

「がまん袋」の中には、日々のさまざまな我慢が入れられるのですが、許容量いっぱいだとイライラしやすい、些細なことでキレやすくなりますし、余裕があれば、いちいち爆発しないでいることができます。(大人も子どもも同じです。)

ですから、子どもが「急にキレる」時は、「がまん袋」が満タンになっていると考えられます。

 

 

ちなみに、よくアンガーマネジメントで「6秒我慢すると怒りを我慢できる」といいますが、それは、「がまん袋」に余裕がある時だと理解してくださいね。満タンになっている時は、6秒我慢することもできないし、6秒我慢しても怒りは抑えられません。

 

では、なぜ、子どもの「がまん袋」は満タンなのでしょうか?

 

子どもの「がまん袋」の内訳

子どもの「がまん袋」の内訳は、こんな風になっています。

 

①  学校・社会生活によるストレス

子どもたちは、学校で毎日とてもがんばっています。

 

学校という集団生活の場で、勉強したり、友達と遊んだり、子どもというものは全力投球する生き物なので、「ふつう」にしているだけで、相当エネルギーを消耗します。

 

(子どもが学校で頑張ると家で荒れやすくなる仕組みについてはこちらに書きました。)

 

②  子どもの成長課題によるストレス

子どもたちというのは、常に「成長」しています。

 

成長するというのは、実はかなりエネルギーを消耗し、こころに負荷のかかることです。

 

 

思春期の子どもたちは、心身ともに子どもから大人へと変容するために、成長ストレスはもっとも高い時期と言えるかもしれません。

 

③  親子関係に係るストレス

子どもは、親が大好きです。

 

よく「無償の愛」というと、「親が見返りを求めず子どもを愛する」様子を指しますが、実のところ「見返りを求めず愛する」は子どもの方であると思います。

 

そのため、子どもたちは親の期待に応えたいと願い、とてもがんばります。

 

ですので、気をつけないと、子どもが自信を失ったり、自己肯定感を失う危険があります。

 

子どものいいところしか受け入れない

人間は、「長所と短所を両方持っている」ものです。

ですから、子どもに対しても、「長所と短所の両方」を認めてあげる必要があります。

 

でも、子育てはついつい、「よいところは褒め」「悪いところは叱る」になりがちです。

でも、本当は、子どもが困っているときにこそ、「できても、できなくても、あなたのことが大好きだよ」のメッセージが必要です。

 

「今を生きる子ども」に先のことばかり求める

子育てでは、親が子どもの将来を心配して、先取りすることがよくあります。

子どもにとっては、今の学校生活や友だちが何より大事なことだけど、親は子どもの将来のためにも成績を心配し、子どもにプラスαの努力を求めたりする。

 

子どもも、最初は「やる〜、がんばる〜」と始めるのだけど、普通の学校生活だけでも大変ですし、先ほどお話ししたように思春期の課題もあるから、かなり大変になるわけです。

 

成果が上がればよいのですが、成果が出ない場合、子どもは「自分に自信をなくしたり、親のせいだと感じる」し、親は「子どもの努力が足りない・残念だと感じ」すれ違いが生じます。

 

これら3つのストレスが高じて「がまん袋」が満パイになると「突然キレる・逆ギレ」に

このように、思春期の子どもたちには、①学校・社会生活、②成長課題、③親子関係の3つの大きなストレス源があり、これらの我慢が許容量を超えると、ほんのちょっとしたことで火がついて、「キレる・逆ギレする」になってしまうのです。

 

ですから、冒頭の「塾に行ったら?」でキレてしまった中3男子のこころの中はこんな風になっていたのではないでしょうか。

 

簡単にまとめていますが、中3ですからただでさえ受験プレッシャーのあるところに、何か成績のことで思い通りにいかないことがあったり、親に認めてもらえなかったりすると一気にがまん袋が満パイになることがイメージしていただけるでしょうか。

 

「塾に行ったら?」や「洗濯物を出しなさい」のようなちょっとした声かけが、子どもをキレさせてしまうのは、積もり積もったストレスやプレッシャー、怒りが燃料となっていたのですね。

 

では、どうしたら、子どもに落ち着きを取り戻させ、親子のコミュニケーションを回復することができるのでしょう?

 

親にできることとは?

些細なことでキレやすくなっている子どもを落ち着かせ、親子関係を改善するために大切なことは何でしょうか。

 

○ 「キレる」ことが子どもにとっても苦しいことなのだと理解する

○ 子どもが何にストレス・プレシャー・怒りを感じているのか考え、子どものがんばりに敬意を払う

○ 困った時にはいつでも相談して欲しいと願っていることを伝える

○ 関係修復には十分時間をかけて取り組む

○ 両親の足並みをそろえる

 

✖️ 感情的にならない

✖️ 子どものせいにしない(また安易に「親が悪かった」と謝ってしまわない)

✖️ あきらめない

 

親が子どもに肯定的な関心を向けて、子どもの幸せを願っていることが子どもに伝わると、子どもはスッと落ち着きを取り戻しますよ。

 

「突然キレる」は、子どもから親への「SOS信号」なのだということ、子どもへのアプローチ方法がお分かりいただけたでしょうか。

 

「突然キレる」をきっかけに、親子関係が改善・よいものへと変わってい口ことを願っています。

 

それでもなかなかうまくいかない時は専門機関にご相談くださいね。

■  お子さん学校のスクールカウンセラーに相談する(いちばん身近なプロ)

■  お住まいの地域の、「子育て相談」「教育相談所」に相談する(検索してみてくだいね!)

■  お住まいの地域の臨床心理士に相談する→日本臨床心理士会

■ はこにわサロンでもご相談をお受けしていますので、必要なときは「カレンダー」からお申し込みくださいね。

 

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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