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子どもの性同一性障害(GID・LGBT)への理解と支援〜親にできること

 
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MichikoYoshida
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。

 

性同一性障害LGBTという言葉を聞いたことがありますか?

今日は、子どもの性同一性障害の理解と支援についてお話したいと思います。

 

性同一性障害については、その”呼び名”ひとつとっても、いろいろな経緯・意味があり、どこからお話しするのがよいか迷ってしまいますが、ここでは「できるだけ、わかりやすく、全体像をとらえられるように」説明してみたいと思います。その結果、「ちょっと雑じゃないか?」と思われる点がありましたらお詫びします。

 

【ポイント】

✔️ 性別の違和感は、思春期(第二次成長期)に強く感じ始められることが多い

✔️ 性同一性障害は、「病気」ではなく「多様性」という理解になってきている

 

性同一性障害・LGBTとは

自分が生まれたときの性別(ジェンダー)に「違和感を持つ」方々を性同一性障害(Gender Identity Disorder)やLGBTとよびます。

 

性同一性障害(Gender Identity Disorder)とは

✔️ 身体的性別に対する拒否感・嫌悪感がある

✔️ 身体的性別とは異なる性別になりたいと願う

 

LGBT

✔️ L: 女性同性愛者(レズビアン・Lesbian)

✔️ G: 男性同性愛者(ゲイ・Gay)

✔️ B: 両性愛者(バイセクシャル・Bisexual)

✔️ T: トランスジェンダー(Transgenger)

 

性同一性障害は、自分の性別に対して違和感を持つことですが、それは、「男っぽい遊びやふるまいを好む」とか「男って(女って)損・女って(男って)いいなぁ」と思うというような「損得・好き嫌い」ではありません。

 

自分の身体に対して強い違和感や嫌悪感を抱いたり、性別に縛られる生き方を嫌悪するといった「自分とは?」「アイデンティティ」の問題です。

 

それは、毎日の生活の中でストレスや違和感を感じ続けていることを意味します。

✔️ 言葉づかいや呼び名

✔️ 服装や着替え

✔️ トイレやお風呂

✔️ 「男」と名乗る・「女」と名乗る

 

子どもの性別違和

このような、自分の性別に関する違和感は、小3〜4くらいから生じてくる、と言われています。

 

ですので、それ以前にもし、服装や遊び、ふるまいなどで、異なる性別を感じさせられたとしても、性同一性障害になっていくかどうかは不明である、といわれています。

 

就学前や小学校の低学年で、大人から見て少し気になること(例えば、異性の遊びや服装を好むなど)があっても、決めつけないで・尊重して見守ってあげましょう。

 

子どもの性別違和感が強まるのは、身体が大人へと変化し始める第二次性徴期(子どもにより、小5くらいから中学生)と言われます。

 

第二次性徴期は、誰もが違和感(今までの自分と違う感じ)や不安(どうなっていくんだろう?)を感じるものですが、性別違和のある子どもにはこのような強いストレスがかかります。

✔️ 自分の望まない方向に身体が変化していく

✔️ それを周囲の人は好ましいと思う

 

性別に関することは、なかなか相談しづらいことでもあり、子どもたちがひとりで悩んでしまいやすいのです。

 

学校生活における困難

性別に違和感を感じはじめた子どもたちは、集団生活の場である学校で困難に直面します。例えば・・・

✔️ 制服

✔️ トイレ

✔️ 身体測定

✔️ 水泳の授業

✔️ 林間学校や修学旅行などの宿泊行事

 

どのように支援するかについては後ほど書きますが、上記のような「具体的な悩み」は、子どもの性的違和感について大人が話を聞いたり、手助けをするきっかけになり得る重要な接点であると感じられます。

 

「わがまま」などと決めつけずに、また「ジェンダーの問題?」と先回りしてしまわないで、本人の願いに沿って手助けできるといいなと思います。

 

希死念慮

性別に違和感を持つ子どもたちの中には、強い希死念慮(死にたい気持ち)が生じる場合が少なくないと言われています。

 

第二次性徴期の只中にあっては特に、「これ以上、身体が自分の望まない方向に変わっていくことに耐えられない」と強く思い詰めてしまうからだと思います。

 

このような時には、無理に子どもの気持ちに寄り添うよりも、具体的な悩みへの支援を通じて、本人の願う生き方は叶うこと・応援してくれる人がいることを体験してもらうことが大切であると考えられます。

 

どのように話を聴いたらよいのか

性別の違和感のある子どもたちの気持ちに寄り添う時には、いくつかの注意点があります。

 

避けた方がよいこと

✔️ 無理にカミングアウトを促さない

✔️ 無理に言葉での説明を求めない

 

望ましいこと

✔️ 本人から話し出すのを待つ

✔️ 話しやすい雰囲気・信頼関係を築くこと

✔️ 信頼していても話にくい人がいることを理解する(例えば親には言いにくいなど)

✔️ 「一般的な話題として」性同一性障害・LGBTについて、こちら側のスタンスをそれとなく伝えておく

 

注意点

✔️ 学校生活などで「急を要する」と感じられる場合は、大人から切り出す・学校にも協力を求める

✔️ だからと言って勝手に動いて押し付けない

 

例えば、本人が学校の制服を着ることを嫌がっている場合、本人の気持ちに添おうとして「希望の制服で登校していいよ」と言いたくなりますが、本人がそれを望んでいないこともあります。(異なる性の制服を着るということは、性的違和感についてオープンにする必要があり、それは嫌だ・怖い、と感じるのは自然ですよね。)

 

性別の違和感については、感じたことがない者にはわかり得ないことがたくさんあるので、わかったふりはしないで、まずは本人の気持ちを聞かせてもらう・教えてもらうところから始めることが大切です。

 

性同一性障害は病気ではない?

性同一性障害は、「障害」というくらいだから「病気」であると思われるかもしれません。

 

確かに、性同一性障害は、かつては病気であると考えられてきたのですが、今では「病気ではなく、多様性(みんな違って、みんないい)」だと考えられてきています。

 

ですので、性同一性障害を「治す」ことはしません(できません)

 

ただし、自分の性別対して強い苦痛を感じていたり、通常の日常生活・社会生活が阻害されている時は、その苦痛に対して、医療やカウンセリングなどの支援が必要です。

 

(したがって「性同一性障害」という名前も、今後は「性別違和」や「性別不合」などに置き換えられていく見込みです。)

 

相談先

お子さんの性同一性障害について、気になることがあったら、ご家庭だけで抱え込んでしまわずに、子どもをよく知る大人や専門家に相談してください。

 

学校なら

■ 担任の先生

■ 保健室の先生

■ スクールカウンセラー

 

相談機関

■ 教育相談所

■ 子ども家庭支援センター

■ 児童相談所

■ 各都道府県相談窓口リスト

■ 全国の臨床心理士

■ 電話相談窓口リスト

お住まいの地域に専用の相談窓口が設けられていることもありますから、都道府県・市町村で調べてみてください。

 

 

 

参考にした図書・リンク

西野明樹『子どもの性同一性障害に向き合う』(日東書院)

高幡心理相談所

 

針間克巳『性別異和・性別不合へ』(緑風出版)

はりまメンタルクリニック(東京・お茶の水)

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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