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【ペットロス】涙が止まらない時〜乗り越える5つの方法とカウンセリング

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理士)です(オンラインカウンセリング・電話カウンセリング受付中)

 

今日はパートナーであるペットを失ったときに生じる「ペットロス」についてお話します。

 

現在、日本では15歳以下の子どもの数より多くのペットがいると言われます(犬と猫だけで1800万頭のペットがいるそうです。対して15歳未満の人口は1486万人です。(2020年)

 

ペットを飼う理由も「生活に癒しや安らぎが欲しい」がトップで、ペットが単なる愛玩動物ではなく、家族の一員、コンパニオンアニマル(伴侶動物)になってきていると思います。

 

ペットの存在が近しくなればなるほどに、ペットを失ったときに生じるロス(悲嘆)も強くなってきているのではないでしょうか。

ペットロスとは?

ペットロスとは、大切なペットを失ったときに生じる悲嘆によって、身体やこころに反応が生じることをいいます。

 

ペットロスは、ペットが亡くなったときだけが対象なのではなく、ペットが逃げてしまったときや、事情から手放さなければならなくなった時にも生じます。

 

命あるものはいつかその時を終えることはわかっていても、その時を迎えるのはとても辛いことです。

 

病気であれば、治療や看護にこころくだき、不安な時間をともに過ごしたことでしょう。

 

事故の場合は、突然のことでショックを受けたり、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

 

逃げてしまったときも自分を責めたり、どこにいるのか、元気なのかと気を揉んだり、戻ってこないときの気持ちの区切りをつけるのも難しいものです。

 

充分に生きて逝ったときには、寿命だと納得すればよいと思う一方で、空虚感に苛まれてしまうこともあるかもしれません。

 

このように、ペットロスといっても、生前の関係性や別れの様子などによって、異なる悲嘆が生じるものなのですね。

 

ペットロスにはどのような特徴があるのか

飼い主にとってペットの存在は家族の一員であるので、ペットを失うことは大切な家族との別離に勝るとも劣らない悲嘆が生じるのは自然なことです。

 

けれども、一般的には「たかがペットじゃないか」というような価値観を持つ人もおられます。そのため、ペットを失った悲嘆にくれているのは「ダメなこと」「情けないこと」のように考えてしまったり、「わかってもらえない」と孤独を感じてしまうこともあります。

また、家族内でも感じ方が違ったり、ペットを通じてつながっていた人から「新しいペットを飼えばよい」などと言われて関係
性がぎくしゃくしてしまうことも起こり得ます。

 

飼い主はペットの「親代わり・責任者」であるため、ペットロスに対して「自分のせいでは?」「もっとできなことがあったのでは?」などと自分を責めたり、罪悪感を持ちやすい傾向もあると言われます。

 

それから、自分でも「ペットを失ったことくらいで悲しむなんておかしい」とショックや悲しみを否認してしまう場合もあり、このような場合はむしろ悲しみが長く続きやすいと言われます。

 

では、ペットロスで生じる症状やつらい気持ちにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

ペットロスで生じる症状・つらい気持ちとは?

身体症状

倦怠感

だるい。疲れがとれない。

 

眠れない

寝付けない、夜中や早朝に目が醒める、寝ても疲れがとれない、など。

 

頭痛・腹痛をはじめ、肩こり、めまい、難聴、腰痛、蕁麻疹などの身体症状

身体症状の場合、ペットロスだと気づかない場合もあります。

 

食欲不振や過食

食事をとるのが面倒くさい。おいしく感じない。また、悲しみを紛らわせるために過食してしまうこともあります。過食は食べた後に罪悪感を強く感じてしまうことも。

気持ちの落ち込みや無気力(抑うつ)

気持ちが落ち込む。何もやる気になれない。仕事に集中できない。エネルギーがわかない。

 

気持ち・精神症状

すぐに涙が出るなど情緒的不安定

仕事中などは集中できるが、ふとした瞬間に急に悲しみに襲われてしまう。イライラしたり、怒りっぽくなったり、落ち込むなど、気持ちの振れ幅が大きく自分でもコントロールが難しい。

 

不安が強まる

ペットを失った悲しみが癒えることはないだろう悲観的に感じたり、将来について考えることが苦痛に感じたりする。

 

■パニックになる

急に不安な気持ち・恐怖感に襲われて、動悸やめまい、発汗、息苦しさ、吐き気、手足の震えなどの身体の反応とあいまってパニック状態に襲われること。

 

■孤独感

自分の気持ちをいちばんよくわかってくれる存在を失ってしまった。

 

ペットを失った悲しみを誰にもわかってもらえない・親しい人にもわかってもらえないと感じること。

 

それまで信頼していた人とのつながりが苦痛に感じられて閉ざしてしまう気持ち。

 

■罪悪感

ペットに対して「もっと何かしてあげられたことがあったのではないか?」と後悔したり、「ペットが苦しんだのは自分のせいだ」と自分を責めたりして、罪悪感を持ってしまうこと。

喪失感

この世でいちばん大切な存在を亡くしてしまった・この喪失は誰にも埋められないと強く感じてつらくなる。

 

■無感覚

ペットを失った悲しみが強すぎて、感覚や感情を遮断してしまっている状態。

 

悲しいはずなのに何も感じなかったり、生きている感覚までも麻痺してしまうこともあります。

ペットロスが長く続くとき~遷延性悲嘆・複雑性悲嘆

ペットを失ってから2か月ほどの間は、上記のような悲嘆反応が生じるのは自然なことだと考えられます。

 

しかし、このような悲嘆反応が半年以上続くときは遷延性悲嘆、または複雑性悲嘆と呼ばれ(国際疾病分類ICD-11)、心身の症状に対して医療機関の受診や服薬等の治療やカウンセリングが必要になることもあります。

 

1年以内にペットを亡くした飼い主の3人にひとりは抑うつ傾向がみられたという調査結果もあり、ペットロスは長期化する傾向が強いと考えられます。

ペットロスから立ち直るためにできることとは

①日常生活・仕事など、いつもの生活を大切にすること

仕事や日常の忙しさによって、ひととき悲しみや辛さを忘れていられることがあります。

 

このような時間の積み重ねが少しずつ痛みや傷つきを癒していきます。

 

悲しい・気力が湧かないときは、つい生活リズム・パターンを乱してしまうことがありますが、できるだけ変えないで過ごしてみましょう。

 

②悲嘆について信頼している人に伝える・分かち合う

ペットについて、信頼している人に話す場を持つことが、気持ちを整理していくことを助けます。

 

喪失にまつわることだけでなく、ペットとの出会いや、何気ない日常生活の思い出について語ることも意味があります。

 

何度も語っていくうちに少しずつ、ペットのいない新しい日常に馴染んで、受け入れていくことができるでしょう。

 

ただし、「ペットロスに効果があるから」と無理に話したりするのはやめましょう。

 

あくまでも自然と湧いてくる気持ちを言葉にして、信頼する人に聴いてもらう、分かち合えるということが大切です。

 

同じ気持ちを共有できる仲間との語りの場があれば、参加してみるという方法もあるでしょう。

 

③ペットを悼む活動を通じて、ペットとの絆を保ち続ける

ペットを失ったあとに行う儀式をはじめ、ペットを悼む行動や、ペットとの絆を確認・継続する工夫が、ぽっかりと開いた空虚感を埋める手伝いをしてくれます。

 

■荼毘に付す

■お骨を身近に置く

■形見・思い出の品を身に着ける・持ち歩く

■祭壇を設ける

■写真や花を飾る

■おやつやお水を供える

■月命日や記念日など、悼む日を設ける

■話しかける

■お骨の埋葬

■冥福を祈る

 

思い出の中だけで悼むよりも、何か悼む拠り所を持つことが、ペットロスからの回復を助けると言われています。

 

④何度も思い出す

日常生活のふとした場面で思い出す。街中で他のペットを見ると思い出す、など。

 

最初は苦痛に満ちている・涙が流れるけれども、少しずつ動揺が減り、大切な存在を自分の中に温かく感じられるようになっていきます。

 

⑤悼む気持ちを肯定する・自分をケアすることを大切にする

ペットを悼んで悲嘆にくれる自分を責める必要はありません。大切な存在を失ったときに悲しくつらいのは自然なことですし、その空白を埋めていくために悲嘆にくれる時間も必要なのです。

 

ペットロスで悲嘆にくれる自分を「それでいい」と肯定してあげましょう。

 

そして、悲しく辛くて、ついつい自暴自棄になったり、自分のことは後回しにしがちですが、自分のことをきちんとケアしてあげてほしいのです。

 

失ったペットはこれから、あなたのこころのなかで、新しい方法で存在していくことになります。ですから、大切な存在がこの世の拠り所とするあなた自身を、大切に愛おしんでください。

 

家族や友人のペットロスに対して周囲の人ができることは?

ペットロスから立ち直っていくときに、周囲の人の理解やサポートがあることはとても有益です。

 

悲しいニュースを聞いたときには、「悲しかったですね」「寂しいですね」のように受けとめてください。

ペットロスの悲嘆を周りの人が理解するのはなかなか難しいことですから、無理に理解・共感する必要はありません。

 

でも、「話したいときは言ってね」と伝えたり、「何かできることがあったら言ってね」のように伝えておくと、助けを求めやすくなります。

 

話を聴くときは、「そうだったんですね」と穏やかに聴いてあげてください。

 

気持ちを明るくする言葉かけやアドバイスは逆効果になることもありますから、無理しないこと。

 

ペットロスのときに周囲の人が避けた方がよいこと(NGなこと)

「たかがペットじゃない?」「過剰反応じゃないの?」という反応は、本人の罪悪感や孤独感を強めるので避けてください。

 

「命あるものはいつか死ぬ」のような諭しは不要です。そんなことは本人もよくわかっているのです。わかっていても辛い・逃れられないのがペットロスなのです。

 

「新しいペットを飼ったら?」前向きな助言ですが、やはり本人にとっては辛く、孤独にさせてしまうのでNGワードです。

 

悼み方や埋葬方法に口出しするのもやめましょう。ペットをどのように悼むのか、絆を持ち続けるのかはとてもデリケートなことで、ご本人が自分のペースでひとつずつ決めていきます。そのプロセスを急かしたり、否定する・アドバイスすることは、グリーフワークを乱す危険がありますし、場合によっては傷つけてしまうことにもなりかねませんから、どうぞご注意ください。

 

ペットロスを癒すカウンセリング

ペットロスについて、その特徴や症状、回復のための手立てについてお話しました。

 

人生のパートナーであった大切な存在を失ったとき、わたしたちは誰もが強い悲しみに襲われます。

 

その喪失がもたらした大きな空虚感をいったいどうして埋めたらよいのか、途方にくれてしまうものです。

 

どうぞ、ご自分のペースで、充分に悲しみ、悼んでくださることを願います。

最初は夜も眠れず、食事もとれないほどに混乱し悲しんでいても、少しずつその大切な存在を自分のこころの中に持ち、共に生きる新しいスタイルに慣れていくことでしょう。

 

けれども、グリーフワークのプロセスで悲しみを分かち合う存在が持てない時や、2か月を超えても辛い心身の症状が続くときは、どうぞご相談ください。

 

カウンセリングという仕組みのなかで、お話を聴かせていただき、ご自分のこころのなかにしまっていく(内在化、といいます)プロセスをお手伝いします。

 

ペットロスのつらい気持ちや症状が、少しずつ癒えていきますように!

 

対面カウンセリングに加えて、オンライン・カウンセリングやお電話でのカウンセリングも行っています。

 

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参考資料

木村祐也: ペットロスに伴う悲嘆反応とその支援のあり方 心身医Vol.49, No.5 2009

 

二階堂千絵・安藤孝敏: ペットと死別した高齢者の適応を支えたもの:死別したペットとのConnecting Bondに着目して 技術マネジメント研究第14号 2015

 

加藤謙介: ペットとともに、被災後のコミュニティを生き抜くー熊本地震被災地におけるコミュニティ縮退と被災者―ペットの尊厳ある生の事例より 災害と共生第4巻 2020

 

中島聡美: 遷延性悲嘆症の概念および治療の近年の動向 武蔵野大学認知行動療法研究誌 2021

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