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1年間元気に学校に通えるように〜SOSをキャッチして家庭でできる工夫

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理士)です。

 

新年度を迎えて、期待と不安でいっぱいになっているお子さん・家庭も多いのではないでしょうか。

 

先日の読売新聞でもご紹介しましたが、新学期に焦りは禁物です。

 

よく「一年の計は元旦にあり」と言いますが、わたしは「一年の計は4月の家庭での過ごし方にあり」だと思っています。

 

元気に成長できる1年にするために、4月をどのように過ごせばよいのかについてお話したいと思います。

なお、この記事は、小学生のお子さんを想定して書いていますが、中高生でもエッセンスは共通ですから、参考にしていただけると嬉しいです。

 

新年度を迎える子どもの気持ちを理解する

まず、新年度を迎える子どもたちがどんな気持ちなのかについて、お話ししますね。

 

新しいスタートとなる新学期を楽しみにする子どもと不安に思う子どもがいます。

 

不安に思う子

クラス替えや担任の交代などによる環境変化に自分がうまく馴染めるかどうかプレッシャーに感じやすい子どもは、緊張・不安が高まります。

 

新学期が近づくにつれて、口数が少なくなったり、食事量が減る、寝付けない、といった様子が見られるときは、子どもの不安を受けとめてあげましょう。

 

具体的には、無理なスケジュールを組まない・ゆとりのある生活で、夜は早く寝かせる。食事は無理強いせず、食べやすいもの、消化の良いものにする。夜不安で寝付けない場合は、寝付くまでそばにいる、本を読んであげるなどの工夫ができるとよいかもしれません。

 

本人が不安に感じているときは、無理に元気を出させることは避けて、不安な気持ちを肯定してください。「新学期ってなんか不安になるよね。お母さんもそうだったな」のように。

 

また、本人の気持ちがやすらぐ方法を一緒に考えてやってみるのもよいです。例えば、お気に入りのタオルケットに包まると安心できる、とか、歌を唄うと楽しい気持ちになる、など。一緒に散歩をするなど、戸外に出て身体を動かすのもいいですね。

 

新学期が楽しみ・不安にならない子の注意点は?

新しい環境に馴染むのは苦手じゃない、という子どももいます。頼もしいですね。でも、こういう子どもは、新学期にとても張り切ってしまい、疲れやすくなります。

 

ハイテンションで飛ばしてしまって「やらかし」が増えたり、悪目立ちしてしまって浮いてしまう場合もあります。

 

元気そうだからといって無理をさせないで、おうちに帰ってきたらゆっくり過ごす、早く寝かすなど、心身を鎮める係わりを心がけてください。

 

子どものSOSを見逃さない

子どもの気になる様子があったら、早めに気づいて、対応できるといいですね。

 

  • 腹痛・頭痛など、体調不良を訴える
  • 口数が少なくなる・親を避けるようになる
  • 逆に、親に過剰に甘える・離れない
  • 今までできていたことができなくなる・嫌がるようになる(例えば、ひとりでお風呂に入る・寝ていたのに、嫌がるようになる、など)
  • ひとりになりたがる・こもりがちになる
  • イライラしている・人や物にぶつけるようになる
  • ささいなことで怒る・泣くなど、情緒不安定になる
  • ゲームやスマホに逃げているような感じがする
  • 夜更かし・朝寝坊になる

毎日、子どもと接する中で「なんとなく(でも)いつもと様子が違う」という感覚が大事です。

 

「なんか違う」と感じたら、少していねいに様子を見守るようにしましょう。折を見て本人に学校の様子などをきいてみてもよいでしょう。

 

子どもの話は、否定せずに聴きましょう。「イヤなことがあったんだね」「腹がたったんだね」「悲しくなっちゃったんだね」のように、子どもの気持ちをそのまま肯定してOKです。

 

「こうしたらいいよ」などのアドバイスは不要です。なぜなら、大人のアドバイスが子どもの世界で役立つとは限らないですし、子どもの学校の悩みが、親の言うとおりにする・しないにすり替わってしまっても不毛だからです。

 

何より、親が子どもの話に耳を傾けてくれること、胸を痛めてくれることで、子どものつらさは半減します。肩の荷をおろして、また、あす本人がもう少しがんばれたら、それでいいですよね。

 

まずは、子どもの重荷を半分引き受けて、子ども自身の回復する力を信じて、様子を見守りながら待って見ましょう。

 

学校の様子をお話してくれない子どもは、様子がわからない分、大人の不安が強まりがちです。無理に聞き出そうとはせず、本人の様子をよくみてください。下校時に落ち込んでいる様子でも、家でリラックスして、いつもの表情が戻るなら大丈夫です。

 

相談の目安と相談方法

新学期はできるだけ無理のないスロースタートを切りたいのですが、週の半ばくらいから目に見えて疲れた顔をしている時や、週末にも回復し切らない・月曜日を嫌がる様子があるときは、少し踏み込んだ対応を考えたいですね。

 

時間のある時に少しゆっくり、本人の話を聞いてみましょう。

なんとなく、学校に何か要因がありそうな時は、ご家庭だけで抱え込まないで先生に相談することも検討しましょう。

 

小学生でお便り帳があるときは、「心配なことがあるので相談させてください」と伝えた上で、放課後などに電話をしたり、面談の約束をとりつけるといいと思います。

 

実は先生も気にしていて、既に何かアクションしてくださっている場合もあると思います。そんな時は、もう少し様子を見て見られるといいですね。

 

先生が気づいていなかった場合は、様子を見てもらった上で、後日あらためて話す機会を持ちましょう。

 

保健室の先生や、スクールカウンセラーや相談員など、校内で相談できる人がいたら、そちらに相談予約をしてもよいと思います。担任の目線だけではない子どもの様子を相談できると心強いと思います。

子どもの元気を応援する家庭でできること

① 親の願いを押しつけないで1年通して育む

新年度、親も期待と不安でワクワクドキドキしていることと思います。

 

元気に通ってくれたらそれでいい、と思いながらも「もう○年生なんだから(最低でも)このくらいできるようになってほしい」という譲れない願いがあるでしょう。

 

でも、主役はあくまでも子ども本人。

 

親が無理にやらせようとしても、うまくいきません。

実は、短期的にはうまくいくことがあるので、親もついやってしまうけど、長くは続きません。

長く続けてしまうと、子どもに過度な負荷がかかり心身不安定になったり、親子関係が壊れてしまうこともあります

その危険をしっかりと覚えておいてくださるといいなと思います。

 

そして、「◯年生になったんだから、してほしい・できるようになってほしい」ことは、「○年生になった今」ではなくて、この1年間をかけて少しずつできるようになっていけば良いのですよね。つまり、ゴールは1年後です。

 

4月の、新しい学校生活が始まる今、プレッシャーをかけてもうまくいくはずありません。

 

今は、1年後を楽しみに、「ひとりでできる仕組みを作る」「一緒にやる」「できたら共に喜ぶ」ことから始めましょう。

 

②  家庭は子どもの安心基地

家の中では緊張せずに素の自分でいられる。

わがままや欠点があっても「かけがえのない大事な存在」と思ってもらえること。

お家か片付かなくても、ご飯がインスタントでも構わないので、家族みんながホッとできる場所であることが大事。

 

③肯定的な声掛けを優先して

毎日何度も言っているけど効果のない声かけ、ありませんか?

それは、たぶん、子どもの方で「雑音化」していて効果がありません。

 

本当に伝えたいことがあるなら、大人が工夫することが必要です。

例えば、本人が落ち着いて親の言うことに耳を傾けられる時に、わかりやすく伝える・本人の合意を得る。

 

それができない「ガミガミ」は、親側の「イライラ・怒りの発散にすぎない」と捉える方が良いでしょう。

 

家庭で子どもと過ごす時間は限られているので、できることなら肯定的な言葉がけを優先できるといいですね。

 

例えば、朝は笑顔で「いってらっしゃい」を言う。

帰宅時には「おかえり!今日もよくがんばったね!」と労いの言葉をかける。

(心の中で、大人の言葉がけをした自分にも「よくやった!お疲れ!」の労いをどうぞ!)

 

まとめ

新年度は子どもはもちろん、大人にとっても気忙しく緊張する時期。無理せず、スロースタートで。

「最初が肝心」「良い印象を与えなければ」と思いがちですが、ゆっくり周りの様子を見ながらのスタートでも大丈夫。

子どもは「早くお友だちを作らなきゃ」と焦ってしまうこともあるでしょう。

でも、関係性を築くチャンスは年間を通して訪れますから、「あわてなくて大丈夫だよ」と伝えてあげましょう。

 

家庭が安心基地

これも、子ども・大人どちらにもいえることなんですが、家庭が安心できる場所であることが、学校でがんばる秘訣です。

せっかくだから、ガミガミよりは、温かい労いの言葉でつながりましょう。

 

困ったら相談

安心基地からのスロースタートは、子どもにとって最高の守りです。

でも、疲れが取れない、表情が冴えない、気になる様子から回復しない時は、遠慮せずに先生やスクールカウンセラーなどに相談しましょう。

 

笑顔の1年間が過ごせますように!

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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