過去を癒すことで未来を愛せるようになる(複雑性トラウマ・愛着障害・AC)
東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。
「過去を嘆いても仕方がない。だから前を向いて乗り越えたい」というのは大切なこと。
でも、それではうまくいかない時があります。
それはどういう時なのか、その理由と対応方法についてお話します。
前を向くだけでは乗り越えられないことがある
前向きに生きることはとても大事な、勇気ある生き方です。
でも、過去を封印してしまうとうまくいかない時があるのも事実です。
例えば、自信を失った時や人を愛する時。
なぜでしょうか。
前向きに生きることでうまくいくこと
機能不全家族で育っても、親を恨まず、前向きに人生を切り拓くことは素晴らしいことです。
そして、それは、あるところまでとてもうまくいきます。
例えば、仕事。
前向きに誠実に努力をすると結果が出て評価される。手応えを感じられる。
「ほらね、大丈夫。自分は自分の人生を作っていける!」そう感じられます。
凍結されたトラウマ
機能不全家族で育つと、たくさんの傷つきが凍結されています。
いつもは凍結を回避して上手に生きるコツを知っているから困らないでいられる。
だけど、凍結部分へのアクセスが避けられない時がある。
それは、例えば、仕事などで孤立無援の逆境にある時。
失敗しても存在意義は揺らがないと感じる必要があるけど、自己肯定感は凍結されていて稼働してくれない。
あるいは人と愛し合う時。
あんなに願ってきたことなのに、怒りや不信感をぶつけてしまったり、自分で壊してしまったりするのは、凍結部分が刺激されるからです。
過去と向き合うことは自分を回復させること
過去と向き合うのは、後ろ向きとか親を責めるということではなく、ただちゃんと自分の中の凍結部分を確認して、安全に解凍して、アクセスしても大丈夫な状態にする作業。
自分を回復させることです。
ですから、過去と向き合うことを「後ろ向きだ」と非難しないでください。
失敗しても立ち直れる強さや、人を愛せるこころを取り戻していきましょう。