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今日からできるやさしいセルフケアの方法〜メンタル不調を予防しよう

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田美智子(臨床心理士・公認心理師)です。

 

セルフケアとは、「自分のこころと身体を大切にし、健康を守るために自分で行うケア」のことです。病気になったときの対応だけでなく、日常的にストレスをため込まないようにしたり、リラックスできる時間を作ったり、栄養や睡眠を意識した生活を送ることもセルフケアに含まれます。

 

セルフケアのメリット

セルフケアには、さまざまなメリットがあります。

 

セルフケアのメリット① 心身の健康を守る

ストレスがたまりすぎると、体調を崩したり、気分が落ち込んだりしやすくなります。セルフケアを取り入れることで、日頃から心身のバランスを保ち、病気や不調の予防につながります。

 

セルフケアのメリット② 自分の気持ちに気づける

自分を見つめる時間を持つことで、「疲れてるな」「無理してるな」「うれしいな」など、自分の感情やニーズに気づきやすくなります。これは、人間関係にもよい影響を与えます。

 

セルフケアのメリット③ 自己肯定感が育つ

「自分を大切に扱う」ことで、「自分は大切な存在だ」と感じることができます。自己肯定感を持つことが難しい方は、セルフケアを通じて自己肯定感を育むことができます。

 

セルフケアのメリット④ 他者との関係が安定する

自分に余裕があると、他者に対してもゆとりを持っておだやかに接することができます。セルフケアは、周囲とのよい関係を築くための土台にもなります。

 

セルフケアが特に望ましい人

セルフケアは、すべての人にとって大切なものですが、特に以下のような人には意識して取り入れてほしい習慣です。

 

忙しすぎて余裕がない人

子育て中の親、仕事が忙しくストレスがたまっている人、介護をしている人など、自分のことより他人を優先しなければならない・優先しがちな人は、自分へのケアが後回しになりがちです。

 

つらい過去を経験した人

いじめや虐待、ハラスメントを受けた人。親子関係がうまくいかなかった人。いつも誰かと比較されたりダメ出しをされてきた人。居場所がないと感じてきた人。このような方にとって、セルフケアは「自分を回復させる手段」になります。

 

感情を抑えこみがちな人

「がまんしなきゃ」「泣いちゃダメ」と、自分の気持ちを無視してきた人(無視せざるを得なかった人)は、セルフケアを通して自分の感情を少しずつ感じる・受け入れていくことができます。

セルフケアの具体例

セルフケアには、特別な準備やお金が必要なわけではありません。日常生活の中で、自分にやさしくする時間を持つことが、すでにセルフケアです。

 

身体を整えるセルフケア

ぐっすり眠る

質のよい睡眠は心身の回復に不可欠です。寝る直前のスマホ使用やカフェイン摂取は、眠りを浅くする原因になります。毎日同じ時間に寝起きする習慣を持つと、体内リズムが整いやすくなります。

 

寝る前にぬるめのお風呂に入ったり、照明を暗くしてリラックスする時間をつくると、入眠がスムーズになります。眠れない夜が続く場合は、不調のサインかもしれないので、無理せず専門家に相談することも検討してください。

栄養のある食事をゆっくり食べる

食事は身体を作るだけでなく、こころを整える時間でもあります。忙しいときほど、コンビニやジャンクフードに頼りがちですが、野菜・たんぱく質・炭水化物をバランスよく摂ることで、気分の安定や集中力の維持にもつながります。

 

また、「よく噛むこと」も大切なポイントです。よく噛むことで消化を助け、満腹感も得られやすくなります。可能であれば、スマホを見ずに“食べることに集中する”時間を意識してみてください。

 

軽いストレッチや散歩をする

軽い運動は、心身のストレスを軽減し、自律神経のバランスを整える助けになります。激しい運動でなくても、5~10分のストレッチや、近所を歩くだけでも十分効果があります。呼吸を意識しながら身体を伸ばすと、思考の切り替えにもなり、心の余裕が生まれやすくなります。

 

毎日でなくても、「気づいたときに体を動かす」ことが大切。特に座りっぱなしの仕事が多い人は、こまめに体を動かすことで、疲れやイライラが軽減されます。

お風呂にゆっくり入る

お風呂に入ることは、身体を温めるだけでなく、こころを緩める時間にもなります。38〜40度のぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。

 

身体が温まると血流も良くなり、冷えや肩こりの改善にもつながります。忙しい日こそ、シャワーだけで済まさず、お風呂で“ひと呼吸”の時間を持ってみてください。

 

こころを整えるセルフケア

好きな音楽を聴く

音楽は、気分や感情を調整する力を持っています。落ち込んでいるときは明るい曲を、疲れているときは静かな音楽を聴くなど、自分の状態に合わせて選ぶことで、こころが自然と軽くなります。歌詞のある曲は感情に寄り添ってくれますし、インストゥルメンタルは思考のざわつきを静めてくれます。自分だけの“気持ちを整えるプレイリスト”を作っておくのもおすすめです。通勤中や休憩時間に気軽に取り入れられる手軽なセルフケアです。

日記を書く、感情を書き出す

感情を紙に書き出すことで、こころの中を整理することができます。モヤモヤや怒り、不安など、言葉にすることで気づけることも多く、「自分はこう感じていたんだ」と客観的に見つめられるようになります。

 

正しく書こうとせず、思いつくまま、箇条書きでもOK。感情を言葉にすることは、自分とのつながりを深める大切なプロセスです。

 

アロマやお茶でリラックスする

香りや味覚は、感情や記憶と深くつながっています。好きなアロマやハーブティー、温かいお茶をゆっくり味わう時間は、心に「今ここ」の落ち着きをもたらします。特にラベンダーやカモミールの香りはリラックス効果が高く、緊張や不安を和らげてくれます。

好きな人とおしゃべりする

安心できる人とのおしゃべりは、こころを軽くし、温め、ゆるめてくれます。「自分のことを分かってくれる人がいる」と感じると、孤独や不安がやわらぎます。

 

「自分を責めない」と決める

セルフケアの中でも特に大切なのが、「自分を責めない」ことです。失敗や後悔を責めるより、「よくがんばった」「あの時は仕方なかった」と、自分の味方になる言葉をかけてあげましょう。

 

こころの中の厳しい声に気づいたら、それに優しくブレーキをかけてあげる練習が必要です。「自分は自分でいい」と認めることが、深い安心感を生み出します。

セルフケアでこころをケアする

セルフコンパッション(自分へのやさしさ)を意識する

セルフコンパッションとは、困難や失敗に直面した際に、自分自身に対して批判ではなく思いやりを向け、苦しみを共通の人間経験として受け入れる態度を指します。

 

過度な自己批判をやわらげたり、ストレスに対応する力があがったり、気持ちの安定に貢献します。

 

呼吸法や瞑想で内面を整える

呼吸法や瞑想は、思考がぐるぐるしているときにこころを静め、「今こ」の瞬間に戻る手助けになります。深くゆっくりと息を吸い、ゆっくり吐くことを数分間繰り返すだけでも、自律神経が整い、不安やイライラが落ち着いてきます。特別な技術は必要ありません。目を閉じて、自分の呼吸に意識を向けるだけでも効果があります。

 

「つらかったこと」を丁寧に思い出し、受け止め直す

過去のつらい出来事を避けずに、あらためて丁寧に思い出し、「当時の自分はどう感じていたか」を振り返ることは、深いセルフケアのひとつです。

 

無理に前向きにとらえ直すのではなく、「あのとき、本当は悲しかった」「誰かにわかってほしかった」と正直な気持ちを見つめ直すことで、感情が解放されていきます。

 

このプロセスは勇気がいりますが、自分の痛みに寄り添うことができたとき、癒しと自己受容がゆっくりと育っていきます。

 

カウンセリングを受ける

カウンセリングは、こころの深い部分を安全に見つめ直すためのサポートです。自分では気づけない感情や思考の癖、過去の影響などを、専門家と一緒に丁寧に見つめることで、自分の理解が深まり、癒しや変化につながります。話すこと自体が安心感や整理につながることも多く、「誰にも話せなかったこと」を受け止めてもらう経験はとても大切です。他者の助けを借りることも立派なセルフケアです。

セルフケア・まとめ

セルフケアとは、「自分自身の味方になってあげること」です。忙しい日々の中でも、ほんの数分でもいいので、自分にやさしい時間を持ってみてください。こころと身体が「大丈夫」と感じられる時間が増えると、毎日はもっと生きやすくなります。記事を参考に、ご自分のセルフケアを見つけてください。

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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