言葉にならない溶け合いのプロセスを経て進む箱庭療法

 

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MichikoYoshida
ビジネスウーマンから、自分自身の内的必然性に導かれて、心理臨床の道へ。臨床心理士として学校や教育機関での相談活動を経て、2016年、東京・青山にはこにわサロン東京をオープン。 箱庭療法を通じて「あなただけの生き方」を応援している。
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箱庭療法は砂箱の中にミニチュアを置いて、自由に表現することを通じて、自己理解や治癒を促す心理療法です。

岡田康伸先生は、箱庭療法の治癒力をfusion(溶解)という言葉で説明しておられますが、面白いのでご紹介します。

 

フロイトのfusion(溶解)はネガティヴな意味だった

このfusion(溶解)という言葉は、もともとは、フロイトが使い始めたそうです。

それは「混乱し、溶けてしまい、自我のない状態」を指していて、ネガティヴで、カウンセリングがうまくいっていない状態を表しています。

 

ボスナックが驚いた日本の箱庭療法

アメリカ人の分析家、ボスナック(Bosnak)が来日して、日本の箱庭療法に接した時のことです。

ボスナックは、日本の箱庭は、言葉による話し合いや論理的思考が少なく、なんとなくfusion(溶け合ったまま)に続いていくが、結構、良い成果を生み出していると不思議に思いました。

けれども、アメリカに帰国して、ボスナック自身も、日本的なfusion(溶け合った)ままで治癒に至るケースに出会い、fusion(溶け合うこと)の肯定的な意味に気づいたというのです。

 

岡田先生のfusion(溶け合い)

ボスナックの話を聞いて、岡田先生は、箱庭はfusion(溶け合うこと)を生じさせて、それを結晶させることで成果を出すのではないか?と考えました。

つまり、セラピストの見守る箱庭と砂が、実験のフラスコと化学品の役割を果たして、フラスコの中でドロドロに溶ける化学反応=fusionを起こし、やがてそれが結晶に変化するのではないかと考えたのです。

 

わたしのfusion(溶け合い)体験

箱庭療法をしていると「いったん溶けて、混じり合って、新たなものに結晶する」というのは「そうそう!」という感じがあります。

例えば、箱庭に、セラピストの心臓をぎゅっと縮ませるような厳しく辛い表現が繰り返されるとき。

言葉で話し合うのきつい。

わたしも「しんどいですね」と言うのが精一杯。

そんな箱庭表現がなんども繰り返されたある時、さっと違う表現に展開していく。

すると、日常生活の中の困難も一息つける状態になっていく。

言葉のやり取りをほとんど欠いたままに箱庭療法を卒業していかれます。

 

ちなみに、このような箱庭でfusion(溶け合う)するには、セラピストもfusion(溶ける)ことが必要なのではないかと思います。

きつい箱庭を目にした時に、セラピストが一方的に言語化・説明を試みても、fusion(溶け合い)の妨げになる危険があります。

かといって、セラピストは箱庭を守るフラスコの役でもありますから、100% fusion(溶けて)しまっては失格ですが。

 

まとめ

箱庭療法においては、イメージ表現を通じて、言葉にならない世界を通ることが必要です。

このfusion(溶け合い)の過程を経て、新しい自分への再生が起きるのだということです。

 

参考文献

岡田康伸『箱庭療法その後の発展』誠信書房

 

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