【徹底解説】箱庭の作り方について*あらゆる角度から説明してみました!
はこにわサロンの吉田です。
「箱庭って、どう作ったらいいんですか?」
と聞かれることがあります。
たしかに、初めての時は、とまどいますよね。
ということで、箱庭の作り方についてまとめてみました!
(箱庭療法とは?から知りたい方はこちらをどうぞ)
箱庭の作り方にルールはあるの?
大事なルールが2つ。
① 箱の中に作る
② 時間内に作る
そうなんです。
難しいことは何もないのです。
箱のこと
これが箱庭です。
幅が72cm、奥行きが57cm、高さが7cmあります。
なぜこの大きさかというと、腰の高さでみたときに、ちょうど見渡せるくらいの大きさを、創始者のドラ・カルフさんが試行錯誤して「これがいいかな」とお決めになったそうです。
日本では、この国際規格を守った箱庭が多いですけれど、写真や動画で見ると外国では「だいたいこのくらい」っていう感じの箱庭もよくみられます。
わたしは、学校などで箱庭療法を導入するときに、箱をどなたかにお願いして作っていただいたり、自分たちで作ったりしましたが、内側の「水の色を表現する水色にしてください」とお願いすると、鮮やかな水色だったり、濃いブルーだったり、色々で、こういう違いは「いいなぁ」と思います。
ちなみに、現在はこにわサロンで使っている箱は、既製品を使っていて、内側は、わりと普通の「水色」です。
砂のこと
この砂箱の高さのだいたい半分くらいまで、砂が入っています。
はこにわサロンの砂は、オーストラリアの海の砂を使っています。
わたしは海の砂が好きです。
初めての箱庭には故郷静岡から浜岡砂丘の砂を持ってきましたし、海の近くに住んでいた時は、浜辺に砂をとりに行ったものでした。
箱庭は、いわば、「キャンバス」のようなものです。
「箱の中」という制限について
砂箱の中に自由に表現してくださって構わないのですが、この表現が箱の中に収まりきらなくて、箱の外に出てくることがあります。
程度の問題ですし、子どもの場合などに箱の外にも広げて作りたい子もいます。
それでも、セラピスト(わたし)が「ちょっと危ないかな」と思った時は、声をかけさせていただくことがあります。
というのは、砂にはリラックス効果があるので、稀にそのリラックスがいきすぎてしまうことがあり、注意が必要だからです。
そのほか、どこまでの表現を許すのかというのが、セラピストの個性と力量です。
砂は、水を使って湿らせると造形しやすくなって、表現の幅が広がります。
(その代わり、さらさらした手触りはなくなります。)
はこにわサロンでは、現在のところ、原則的にはお水の使用をしていません。
箱庭が一台しかないので、ぬれた砂を乾かす間、箱庭が使用できなくなってしまうので。でも、今後、ご希望が出るようなら、もう一台箱庭を入れたいなぁと思っています。
二台あれば、乾いた砂、湿った砂のどちらかお好きな方で作っていただくことが可能になります。
それから、砂の量を減らしたいというときも、セラピストに相談してくだされば、バケツに取り出して砂の量を減らすことができます。
ミニチュア・フィギュアの棚から好きなものを選んで作る
はこにわサロンには約1000体以上のミニチュア・フィギュアがあります。
まずは、ちょっとのぞいてみてください。
箱庭用のフィギュアセットが市販されていますが、はこにわサロンでは、セラピストが気に入って選び、集めたものだけでフィギュア棚を構成しています。
旅先や街の雑貨屋さん、古道具屋さんで「ひとめぼれ」して仲間に追加されるものもたくさんあり、少しずつではありますが、どんどん増えてきます。
中には海の底から拾ってきたビンや、山や海辺で気になって持って帰ってきた石などもあります。
わたしがジブリが好きなので、ジブリ映画の指人形もたくさん揃えています。
もうひとつ大切なルール・時間内に作るということ
はこにわサロンでは、「箱庭体験70分」「カウンセリング2回目以降50分」という時間設定があります。
この時間内でしたら、5分で作り終えても、ほぼ時間いっぱい使って制作に没頭していただいても構いません。
この時間枠は、箱庭をおつくりになる場所(機関)によって微妙に異なると思いますが、それでも制作後にセラピストと箱庭を眺めてかわすシェアリングの時間を含めて全部で45分〜60分が多いのではないかと思います。
シェアリングって何をするの?
シェアリングとは、箱庭作品が出来上がってから、あなたとセラピストで一緒に箱庭を眺めて、感想や印象について話し合う時間のことです。
まずは、あなたの感想や印象をお聞きします。
どんなものを作りたいかイメージして来室したのか、それとも、イメージは持っていたが、ミニチュア・フィギュア棚を見たら、思っていたのとは全く違うものになったのか。
フィギュア棚の感想もうかがいます。
欲しいものは揃っていたのか。それとも、足りなくて、他のもので補ったり、代わりのもので代用したものがあるのか。
こんなお話からスタートして、箱庭作品についての印象や感想を話し合います。
箱庭を眺めるのも正面からだけでなく、左右から、また目線を砂の高さに下げて眺めてみます。
お話ししているうちに、作り足したり、変更したりなさる方もおられます。
セラピストの印象をお伝えしていく時には、あなたの反応も確認しながら、色々な視点からお伝えしていきます。
箱庭表現の理解は、あなたとセラピストで共同で作り上げていくものなのです。
シェアリングの時間は、箱庭制作の時間によって多く取れたり、少ししか取れなかったりします。
片付けはセラピストの仕事
セラピストとあなたとのシェアリングが終わり、あなたが退室した後に、セラピストはもう一度箱庭を眺め直します。
そして写真を撮ってから、片付けをします。
このときに、砂の中に何かが埋まっているのを発見する、ということが起きることがあります。
(そんな時のことについては、こちらに書きました。)
写真撮影について
はこにわサロンでは、あなたが退室してから箱庭作品の写真をとります。
全体写真と、角度や高さを変えて、何枚かとります。
箱庭体験(70分)の場合は、基本的には単発の体験なので、箱庭の理解を深めていただけるように後日、写真をアルバムに入れて手紙と一緒にお送りしています。
自宅に帰って、数日〜数週間経つと、当日にはわからなかったことが浮かび上がってきたり、はっと気づくことがあったりするものだからです。
ちなみに、わたしが通っていた心理臨床家の先生は、わたしがいる間に「写真を撮ってもいいですか?」と確認して写真を撮っておられました。わたしとの信頼関係を大切にしてくださっていたんだなぁ、と思います。
携帯での写真撮影について
はこにわサロンでは、写真はセラピストが撮影して、後日、紙焼き写真にしてお送りするようにしています。
携帯電話で撮影すると、誰かにシェアしたくなりませんか?
あなたの作品は、あなたの心の奥の大切なところが表現されているので、できればしっかりとプライバシーが守られる形・拡散したりしない形で残したいと思っています。
でも、話し合いをした上で、やはりご自分で撮影して持ち帰りたいという場合は、そうしていただく場合もあります。
まとめ
箱庭の作り方について説明しました。
大事なルールは2つ。
① 箱の中に作る
② 時間の制限がある
あとは、箱庭の砂やミニチュアフィギュアで自由に制作してください。
出来上がったら、ご一緒にシェアリングして理解を深めましょう!