2017/09/11

箱庭療法では、セラピストの解釈よりずっと大切なことがあります

 

この記事を書いている人 - WRITER -
MichikoYoshida
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京都、神奈川県、埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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あなた
箱庭療法って、箱庭を作ったら、セラピストが解釈してくれるんですよね?

こんな風に、箱庭療法では、セラピストが解釈(正しい答えを教えてくれる)と思っておられる方が少なくないようです。

でも、わたしは、箱庭の解釈には百害あって一利なしだーと思っているので、その理由と、わたしが解釈の代わりにしていることについてお話したいと思います。

 

 

あなたの箱庭をセラピストが解釈して、「当たってるなー」というとき

あなたが作った作品を、セラピストが一緒に眺めています。

そこでこんな会話が交わされたとしたら・・・

 

いかがでしょうか。

セラピストの解釈は、「なるほど、そうかも〜」と思って受けとめられているようです。

でも、これでは、まるでセラピストの解釈だけが正しいように感じられませんか?

もしかしたら、あなたの中には、少し違う気持ちがあったかもしれませんよ。

 

こんな風にセラピストの解釈が一見成功してしまうと、あなたの中には「答えはセラピストに教えてもらおう」と言う気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。

これだと、セラピストが「先生」で、あなたが「生徒」のような上下関係になってしまって、せっかく箱庭作品を作っても、あなたの中に湧いてくる自由なイメージを大切にしていくことができなくなってしまいます。

 

あなたの箱庭をセラピストが解釈して、「ちがう」と思うとき

 

あなたが内心、こんな風に思っていても、セラピストが解釈してしまったらどうでしょう。

セラピストの言うことは当たっていないから、気にしない!と思っても、やっぱり相手は心理学の専門家。

わたしのこころの中には、人を拒絶するような闇の部分があるのかなー、なんて心配になってしまうかもしれません。

あなたのこころに湧いていた「楽しいティーパーティ」のイメージをシェアすることもできず、答えがひとつに限定されてしまっていることもとても残念ですよね。

 

解釈しないことのメリットと、ではセラピストは何をするのか、ということ。

セラピストの解釈が、当たっていても、当たっていなくても、あなたにとっては、あまりメリットがないのだーということをご紹介しました。

あなた
じゃあ、セラピストは、何をしてくれるの??

あなたの疑問はもっともだと思いますので、はこにわサロンのセラピストの様子をご紹介しましょう。

セラピストよしだ
作ってみていかがでしたか?

 

あなた
このティーセットがとても気になって置いてみたんです。

 

セラピストよしだ
そうでしたか。ティータイムですね。

 

あなた
こんな風に、ちょっと優雅に、みんなでお茶できたらいいなーと思ったんです。

 

セラピストよしだ
なるほど〜

 

あなた
なかなか最近では友だちと集まってお茶をするチャンスもないんですよね。

 

この後、あなたからは、仲の良いお友だちが結婚してしまったり、外国に留学してしまったり、それぞれの道を進んでいくこと。それを応援しているけれども、ちょっと寂しい気持ちにもなること。じゃあ自分はどうしたいんだろう?と考えてしまうことが語られました。セラピストは、あなたの語りに耳を傾けます。

 

セラピストよしだ
ところで、一番最後に橋をおかれましたね?

 

あなた
そうですね。ちょっと迷ったんですけど、あったほうが落ち着くかなと思って。

 

セラピストよしだ
橋の位置は、あちこち試して、今の場所に落ち着きましたね。

 

あなた
まぁバランス的にここかなと。

 

セラピストよしだ
なるほど。

 

あなた
塔のすぐ前は違うなと思って。ティータイムに行くのもよし、行かないのもよしと言う感じ?

 

セラピストよしだ
はい。

 

あなた
箱庭を作ったら、自分がどうしたら良いかわかるのかなーと思ったけど、なんだか箱庭もはっきりしないみたい(苦笑)

 

セラピストよしだ
なるほど、ティーテーブルは華やいだ場所ですけど、すぐにそこに向かうというより、ちょっと考えてみたい感じがありますか?

 

あなた
本当は、誰かに答えを教えてもらいたいくらいなんですけどねー(笑)

 

セラピストよしだ
そんな気持ちになることもありますよね。でも、ご自分で橋をかけて行きたいと思っておられるようでしたね。橋の位置もよく吟味して、ご自分の納得できる場所を決めたいように感じました。

 

この後、セラピストからいくつか気になったことをシェアしていきました。例えば、塔のイメージとして守りや祈りがあること。色々なフィギュアが2つずつ置かれていること(塔、お花、おはじき)や、2という数について。一方、ティーテーブルには5人分のカップが置かれていますね、ということなどを。

このような対話を通じて、あなたの中にも、セラピストの中にも、言葉で共有されたこと以上の様々なイメージが湧いていきます。

 

箱庭療法の解釈の是非について、まとめ

いかがでしたでしょうか。

はこにわサロンで、セラピストは、あなたがご自分の内面と対話することを応援するような”問いかけ”をしておりました

 

あなたのこの箱庭は、ご自身の今後について自分では答えが見つけられないと少し焦っていたけれども、自分だけの納得のいく生き方を模索したい(しよう)と思っておられることが表現されておられたようです。

もちろん、今回の箱庭では語られなかったこと。例えば

  • 真ん中の島はピンク色をしていて、何か恋愛に関するイメージがあるのかな?
  • ティーカップの5人はなんだろうな?
  • 今、塔の中で考えていて、ティーテーブルに橋をかけたとおっしゃっていたけれど、もしかしたら夢の島から外の世界に出ていかれようとしている視点もあるのかな・・・などなど。

イメージの広がりを、50分(または70分)のセッションでは全てをカバーできるわけではありません。

それは、箱庭からの帰り道や、後日のふとした時に、新しいイメージや気づきとして生まれてくると思います。

それをご自身でも気づいて、考えてみるためにも、箱庭療法の中でセラピストとの対話を体験しておくことが不可欠なのです。

セラピストが一方的に解釈してしまうと、意味を限定してしまい、下手をすると全くの勘違いに終わってしまう危険性もあります。

それに、箱庭体験が、その場だけで終わってしまい、あなたの生活・生き方の中に活きていきません。

 

ですから、箱庭療法では、セラピストが解釈するのでなく、あなたとセラピストの間に交わされる対話を通じて箱庭作品を深めていくことがとても大切なのです。

 

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実際に箱庭を作っている様子を撮影した動画

こちらの動画を見ると、箱庭とはどんなものか見ていただけます。

あかねさんの箱庭

ミズホさんの箱庭

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