【0歳からの絵本体験】臨床心理士ママが子どもに読んだ絵本を紹介
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
絵本が大好き♡
東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士)です。
子どもを授かったと知ったその足でクレヨンハウス(東京の絵本屋さん)に行きました。
絵本は、子育ての心強いパートナーでした。
というのも、子どもと一緒にわたし自身がとても楽しみ、育まれ、はげまされてきたからです。
そして、子どもにとって絵本は、文字どおり「心の栄養」です。
ベストな1冊よりも、たくさんの絵本を読んでもらえたらいいんじゃないかなぁと思っています。
ですから、うちが子育て期に実際に読んだものの中から、今なお「良かったな!」と感じる本すべてをご紹介しています。図書館も上手に利用して、ぜひ、たくさん、読んであげてください。
読み聞かせのポイント
● ベストセレクションより、いろいろな本をたくさん読んであげる。
● 読むときは、お膝に抱っこか、すぐお隣で。身体がふれあう距離を大切にしてみて。
● 子どもは同じ本をくりかえし、くりかえし読むことを好みます。子どもにとって、何より大切な安心感を育むために、ぜひ、何度でも読んであげてください。
● 読んでいる人が楽しんでくださるといいなぁ!子どもは、大人が楽しんでいるかどうか、すぐに見抜きます。
● 絵本紹介の中に、ワンポイントアドバイスも書きましたのでごらんくださいね!
では、行きます。
絵本は、 ゆるやかに、0歳(ファーストブック)から1歳に向けて並べてあります。
『じゃあじゃあびりびり』by まついのりこ
これは、どなたのお家でもお持ちなのではないかと思います。
最初のページにお名前を書くところがあって、子どもの名前を書き入れた時に、とてもうれしくなったことを思い出しました。
内容としては、見開きの2ページごとに「じどうしゃ ぶーぶーぶーぶー」、「いぬ わん わん わん わん」などのように、いろいろな音が紹介されています。
でも、この本の一番の魅力はなんといっても、この本が赤ちゃんのための大きさや仕様になっていることじゃないかと思います。
最初はおひざに抱っこでただ眺めていただけのこの本に、初めて子どもが手を伸ばし、自分の手で持った時の感動!興味を持って、お口に運び(笑)かじりついても、大丈夫なようにできています。
(それでも、うちの本は裏表紙がボロボロですけども・・・)
『いない いない ばあ』by 松谷みよ子
赤ちゃんと目があうと大人がついやってしまうこと。
「いない いない ばあ」
ページをめくるごとに、にゃあにゃ(猫)やくまちゃんが、精一杯の「いない いない ばあ」フェイスをしてくれます。
それが、そのまま絵本になりました。
ロングセラーですから、親子二代、三代でお世話になった方もいらっしゃるかもしれませんね!
『いい おかお』by 松谷みよ子
ふうちゃんがひとりで「いいおかお」をしていたら、にゃあにゃや、いぬやぞうさんもやって来て、一緒にいいお顔をします。
いいお顔って、おすまし顔なんです(笑)
でも、お母さんにビスケットをもらったら、もっと「いいおかお」になりましたよ!
『もう ねんね』by 松谷みよ子
この本。
母の夢の絵本(笑)
「ひとりでねんねしてくれたらいいのになぁ!」
もちろん、この本を読んでもひとりで寝てなんてくれませんけれどもね(苦笑)
『のせて のせて』by 松谷みよ子
この絵本は、とってもリズムがいいんです。
まこちゃんが、「びゅ〜ん」と、じどうしゃを走らせていると
「ストップ!のせて のせて!」
この、「びゅ〜〜〜〜ん!」と「ストップ!」がおかしくて、何度もなんども読まされました(笑)
最後にトンネルがあるのも秀逸!
『おおきい ちいさい』by 元永定正
『おててが出たよ』by 林明子
あますところなく、お楽しみください!
(子育てが終わってから読んでも、胸がキュンとする、笑)
うちも、何度もくりかえして読みましたよ。(絵本に歯型が残っていました!)
『おふろでちゃぷちゃぷ』by 松谷みよ子
これもロングセラーですね!
「ねぇ、どこいくの?」
「いいとこ いいとこ」がくり返されて・・・
わかった!
おふろだ!
「まって まって」
「はやく はやく」
このかけあいのリズムがとても心地よくて、うちもよく真似っこしたものでした。
誰もが知っているであろう、この本。
わたしが子どもを保育園に連れていって、子どもが泣いた時に、つい口から出てきてしまって。
すると周りにいたお母さんや先生まで唱和し始めたことがありました。
もちろん、保育園とは無縁のご家庭でも、子どもが泣き続けて、いつになったら泣きやむんだろう〜!?っていう時に、つい口からついて出るかもしれません(苦笑)
『いやだいやだ』by せなけいこ
たまに、子どもが続きを暗唱してくれて、「いやだ!」が止まった奇跡の時も!
『にんじん』by せなけいこ
この絵本、人参がきらいな子に向けて書かれているのだとは思うのです。
でもね、単純に、みんなが「すき!おいしいね!」って食べている様子を描いたお食事絵本として楽しんだらいいのかなーと思います。
ちなみに、子どもの本て、短いから、1分かからずに読み終わってしまうでしょう?
だから、うちは、本棚の前に親子ですわりこんで、10冊、20冊と続けて読んでいくことが多かったかも。
『ねないこ だれだ』by せなけいこ
あぁ、これもありました。
せなけいこさんの絵本にどれだけお世話になったんだ、わが家!
うちは、怖がりだったので、この絵本はそれなりにリアリティがあったようで、日中はよいけれど、夜になってから読むのは嫌がりました(笑)
ですので、子どもが寝るのを渋る時には、低めのコワイ声で、こんな風にいうんです。
「こんなじかんに おきてるのは だれだ〜?」
「ふくろうにみみずく くろねこ どらねこ・・・・・子どものお名前〜??」
すると、うれしいのと怖いのとで「きゃ〜〜〜!!」と言って、お布団にまっしぐら!
我が家では、何か子どもの行動を変える力のある絵本はこれ(だけ)だったかもなぁ〜と思ったりします。
『きれいな はこ』by せなけいこ
大人が読むとちょっと怖いかな?って思ってしまうけれど、子どもは大好きでした。
『おつきさま こんばんは』by 林明子
これも、どなたのお家にも1冊あるのではないかしら。
夜道を歩いていると「わ〜、おつきさま、こんばんは!」と絵本を再現する親子に出会うことがあります。
まんまるのお月さまは、暗い夜をあたたかく照らしてくれる安心感の象徴。
『うんちがぽとん』by アロナ・フランケル
アロナ・フランケル アリス館 1984-02-20
この絵本。
ハイライトは、まあくんが初めてひとりでうんちをする時の「出たかな?まだまだ」のかけあいです。
1ページに、小さな文字で、なんと36回もくりかえされるんですけど(笑)
このページを見たとき、正直なところ、わたしは「・・・」となったのですが、読み聞かせの時に、「でたかなまだまだでたかなまだまだでたかなまだまだでたかなまだまだでたかなまだまだでたかなまだまだ・・・」とほとんど早口念仏状態で呟いたのが子どもにとても受けました。
よく親子でトイレで唱和した思い出の絵本です。
トイレトレーニングは、フロイト先生が「肛門期」と呼んだ、人間が「我慢」を体得するときです。
あまり厳しくしてしまうと、あとあとまで、萎縮が続いてしまうお子さんも見られます。
いずれちゃんと身につきますから、あまり、あわてないで。
ぜひ、あたたかさとユーモアで、見守りましょう!
『パンツのはきかた』by 岸田今日子・佐野洋子
このぶたさんがパンツをはくお話なのですが、最後に「パンツの歌」の楽譜がのっているのがいいところです。
『いたい いたいは とんでいけ』by 佐野洋子
「いたいの いたいの とんでいけ!」は、どなたも、何度も唱えるおまじないですよね。
うさぎが、むっちゃん(主人公)の「いたいの」を丸めて、投げて、棒でたたいて、ふわふわ伸ばしてお布団にしてしまうのですが、なんだか、こそばゆい面白さで、いくらでも応用が利いて、本当に親子ともお世話になりました。
我が家は、たいてい、たたいて、丸めて、むしゃむしゃ食べました!
こんな風に、大人が一生懸命、「いたい いたい」を転がしていると、「鳴いたカラスがもう笑った」になりました。
梅田 俊作,梅田 佳子 岩崎書店 1980-11-30
こちらも、痛い時のお助け絵本です。
主人公のみえちゃんの「いたいの」を、お母さんが、なんと、おにいちゃんにとばします。
この後、いぬ、ねこ、うさぎ、にわとり、あり、ときて、最後にお母さんのところに戻ってきます。それで、お母さんが、食べちゃうんです。
『いたい いたいは とんでいけ』もそうですが、子どもが痛がっている時に、即興のお話の力で、痛みから気持ちをそらして、子どもを笑顔にする昔からのお母さんの知恵が絵本になったのかな、と思います。
『こぐまちゃんいたいいたい』by わかやまけん
森 比左志,わだ よしおみ こぐま社 1984-01-01
この絵本は、目的としては、「こんなことをすると危ないよ、いたい目にあうから、気をつけるんだよ」というメッセージが込められているのだと思います。
ところが、うちでは、こぐまちゃんが、あれこれ失敗して泣く=こぐまちゃんの泣き虫絵本、というような位置づけでした。
自分が泣いていない時に読むから、優越感を感じるみたい(笑)
『おさじさん』by 松谷みよ子
この絵本のメッセージは、「ごはんを食べるときは、おさじを使うと便利で、おぎょうぎもいいですよ」ということなのだと思います。
けれど、うちは、「おさじ=お行儀」と理解する前から読んでいたせいか、おさじさんは苦境を救ってくれて、お口に食べ物を運んでくれるお母さん、のような受け取られ方をしたように思います。
わたしは、実は、こういった「お行儀やしつけを教える絵本」ってちょっと抵抗がありました。
でも、子どもは、きゅうくつには全く受け取っていなかったのです。
それで、親の受け取り方より、子供が夢中になるかどうかを基準に絵本を選べるようになったなぁと思います。
『くだもの』by 平山和子
大きなスイカが切り分けられて「さあ、どうぞ」とさし出される。
同じように、りんごや、梨や、柿が、皮をむいて、一口に切り分けられて「どうぞ」と手渡される。
みかんも。
でも、バナナは「自分で皮がむけるかな?」という問いかけとともに差し出されます。
絵本を通じて、食べ物が差し出されることに、わたしは、最初とても驚きました。
今でも、大大大好きな絵本です。
『しろくまちゃんのほっとけーき』by わかやまけん
うちも、よくこの絵本をキッチンに持ち込んで、子どもと一緒にホットケーキを作ったものでした。
我が家では、この絵本を読む時に、こだわりがありました。
ご存知「ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぷつぷつ やけたかな まあだまだ」のホットケーキを焼くシーンがありますよね。
ここを4回繰り返して読むのです。
なぜかというと、しろくまちゃんは、ホットケーキを4枚持っているから!
工藤先生のご本もありますから、興味のある方は、ぜひどうぞ。
『おんなじ おんなじ』by 多田ヒロシ
ぶうとぴょんは、洋服もおもちゃもおんなじで、ぼうしの中のカエルもおんなじ。
大人からすると「この絵本のどこがいいんだろう?」って思ってしまうのですが、子どもは大好きでした。
「おんなじ」の安心感はやはり、子どもの成長にとってとても大切なのですね。
こちらも、繰り返しの絵本です。
寝る前に読むと、布団の上ででんぐり大会になりますので、ご注意ください(笑)
『どうぶつのおかあさん』by 小森厚・薮内正幸
これも、安心感を育む絵本ですね!
いろいろな動物の親子が登場します。
抱っこも、おんぶも、口にくわえてもあります。
後から、トコトコついていく、もあります。
絵が、写実的なんですけれど、とても温かいのです。
動物たちの表情がやわらかいです。
『ちいちゃんとさんりんしゃ』by しみずみちを
ちいちゃんのさんりんしゃに、いぬやねこが「のせて!」ってやってくるお話。
実は、わたしは子どもに「かわりばんこ」を教えたくて、祈りながらこの本を読んでいた頃があります。
でもまぁ、もちろん、そんなところは全く伝わった手応えもなく。
ただ、「きゅるきゅるきっき たかたったー」の音がとにかく楽しくて、3人乗りしたさんりんしゃが坂道を降って、「がっちゃん!」となるのがおかしくて、子どもが喜ぶ顔を見ていたら、思いつめていた自分を客観的に見られるようになったのかな。
絵本は、たしかに物事を教える役割もあるけれど、子どもが本当に大切なことを学ぶのは体験を通じてなんですよね。うちの子どもも、保育園や公園で、ぶらんこの順番を取り合い、泣いて、そして、「かわりばんこ」を学んでいきました。
絵本にはすごい力があるけれど、期待しすぎないことも大切なのかもしれません。
『おーくん おんぶ』by かたやまけん
おーくんが、おかあさんのマネをしてぬいぐるみをおんぶします。
調子にのって、くまさんに、お人形さん、ぶたさん、いぬさんまでおんぶして・・・。
『なにをたべてきたの?』by 岸田衿子・長野博一
おなかをすかせたしろぶたくんが、りんごを食べると、しろぶたくんのおなかに赤い模様がつきました。
さて、このあと何を食べるのでしょう?
そして、最後に食べたものは・・・?
『せっけん つるりん』by 今井弓子
この表紙、インパクトあるでしょう?
内容も、すごくパワフルでおもしろいです
おじいちゃんとお風呂に入って、お互いに洗いっこいていたら、石けんが「つるりーん」窓から外に出てしまいます。その石けんを追いかける小さな冒険のお話です。
石けんがつるんつるんすべっていくのが本当におもしろいようで、ブームの頃は、毎日、何度も読みました!
『のぼっちゃう』by 八木田宜子・太田大八
お庭にとっても高い木があって、もし、その木をどんどん登って行ったら、ビルより高く、富士山よりも高く登って行ったら、どんな景色が見えるんだろう?
男の子の大きくなりたい気持ち、どこまでも自由に行ってみたい気持ちが伝わってきます。
最後はね、宇宙からロケットに乗せてもらって帰ってくるのです。
こんなすてきな木登りがあったらわたしも行って見たいです。高所恐怖症なんですけれど、想像の中なら大丈夫!
『ころころころ』by 元永定正
これは、とてもシンプルな絵本です。いろだまが、ころころ転がっていくのです。
けれど、あらら?階段をのぼって行ったり、坂道をのぼって行って落っこちたり、なんだか不思議な動きをしています
でも、読んでいるうちに、「そんな小さなことは、ま、いっか」という気持ちになるのです。
『にゅーっ する する する』by 長新太
子どもは、この本が大好きでしたが、必ずぎゅっと抱きついてきたり、顔を隠したりするのです。
それでも、この本を読んでもらいたいのです。
もちろん、母も手で”にゅーっ する する する”を子どもの身体で実演してみせます。すると、怖さと楽しさが、倍増するんです(笑)
最後の「しいーっ だれにも しゃべっては いけない」というところで、子どもの「きゃーっ!」が最高潮に!
『ぼうし ころころ』by 長谷川摂子・田宮敏和
長谷川 摂子,田宮 俊和 福音館書店 2008-04-25
積み木を子どもやぼうしに見立てて、お話が展開します。
上手に撮影されていて、本当に子どもたちと帽子に見えるから驚きです。
この絵本に触発されて、積み木遊びや、ごっこ遊びが好きになる子もいるのではないかしら。
『おばけのコンサート』by たむらしげる
ハーモニカが得意な小さなおばけの家に、いろいろなおばけが訪ねてきます。
例えば、森の木のおばけがバイオリンを持ってきて、一緒に演奏します。
オーボエ、ギター、ガイコツのホネたたきパーカッション、おばけぐものハープ。
みんなで、歌って演奏してもりあがっていたら、急に、家が「グラッ、グラッ!」
そう、楽しい音楽にさそわれて、家が踊り出してしまったんです。
この本は、ぜひ、お膝に抱っこで読んであげて、左右に大きく、グラッ!グラッ!とやってあげてください。よろこびますよ!
最後に・・・あの日、クレヨンハウスで買ったママのファーストブックはこれ
わたしが「ママになるんだ!」と知ったその足で向かった絵本屋さん。
欲しい絵本がありました。
それが、これ。
わたしがイメージした子どもは、親の意のままにはならぬ者・自分の足でどんどん進む者でした。
それで、ママの覚悟と、こんな風に生きて行って欲しいなの願いを込めて、この本を買いました。
うちの子どもは、どちらかというと気が小さいし、絵本の子供のような気風ではありません。
けれど、それは、それで、「その子、その子の歩き方があるよね」って教えられました。
何かと思うようにならないのが子育てですけれど、そしていつまでも心配かけられてしまいますが、「大丈夫!きっとうまくいくよ!」って応援してくれる絵本です。
いかがでしたか?
子どもと読んでみよう!っていう本があったらいいな。
それではまた!