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【大切な存在を失った時】グリーフケアのカウンセリング

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム【はこにわサロン東京】の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。(オンラインカウンセリング・電話カウンセリング受付中)

 

大切な存在を失ってしまったとき、その喪失から生じる悲嘆を受けとめ、やがて自分のこころの中におさめて、共に生きていけるように。そのプロセスを支援するのがグリーフケアのカウンセリングです。

 

悲しみの表出

大切な存在を失ったときに感じるショック、否認、悲しみや怒りの感情は、誰もが抱く自然なもので、かつあなたにとってとても大切なものです。

 

これらの感情を大切に表出できるとよいのです。

 

悲しみを共有できる人がいたら、ともに語り合い、分かち合いましょう。共に悲しんでくれる人がいることは、大きななぐさめです。

 

いない時でも、悲しみを表出することは大切です。

 

涙があふれたり、絶望してしまうかもしれません。

 

たったひとり、世界からこぼれ落ちてしまった孤独を感じるかもしれません。

 

でも、このように感じることも、大切なプロセスです。

感情にフタをしてしまう時

つらすぎて、また悲しむことが不適切だと感じられてしまって、感情にフタをしてしまう時があります。

 

必要な時に、いったん、こころにフタをして、自分を守ることは大切な行動です。

 

けれど、少し落ち着いたら、大切な存在とのつながり・喪失とのつながりを回復できるといいですね。

 

ふとした瞬間に思い出すこと。

まだ生きているように感じられるとき。

月命日の度に、最後の日々が思い出され、悔やまれる時。

 

こころが波立つでしょう。

でも、否定しないで。

 

涙を流してもよい。

深呼吸をしながら、つらさを和らげてもよいです。

 

でも、決して、固く封じ込めて忘れてしまおうとしないでください。(後から津波にならぬように・・・)

怒りっぽくなることがあります

些細なことにイライラしたり、怒りっぽくなることもあります。

 

大切な存在を失ったショックと、その大きな穴を埋めるための日々の努力が、一時的にこころに負担になって生じています。

 

自分を責めないでください。

もう誰も愛せないと思う

もう二度と、誰のことも信じられない、愛せないと思うかもしれません。

 

いまはそう感じるのも自然なこと。

 

でも、そう決めつけてしまわないで。

 

あなたの大切な存在とこころの中でつながりましょう。

大切な存在の歴史に思いをはせる

大切な存在を失うと、最後に過ごした日々や後悔に気持ちがいってしまいがちです。

 

そんなときは、大切な存在の過ごした一生に思いをはせてみませんか?

 

どんな風に生きたのか?

何が好きで、何が嫌いで、笑っているとき、怒っているとき、喧嘩をしたとき。

 

一度では思い返せないくらい、いろいろなことがあり、生き抜いていったのだということを考えてみてほしいのです。

 

あなたのこころに小さな灯りがともるかもしれません。

 

大切な存在とつながる

大切な存在と過ごした日々を思い出してみましょう。

 

写真や思い出の品が助けてくれます。

 

思い出すことは苦痛を伴うかもしれません。

 

それでも、失って欲しくないのです。

 

大切な存在との関係性を絶ってしまうと、人生の迷子になってしまうことがあるからです。

大切な存在を思い出さずにすむ日もあります

あんなに、つらく、苦しく、悲しかったのに。

何も手につかず、眠れず、食べられず、のたうち回っていたのに。

 

渋々と行っていた日常生活や仕事の中に、安らぎを感じたり、悲しみを忘れて笑顔が出るときもあります。

 

それでよいのです。

 

悲しみを忘れても、あなたの大切な存在は悲しんだりはしませんから。

「向こう側」を持つこと

大切な存在は、消失したのではありません。

 

「こちら側」から「向こう側」へ移っただけなのです。

 

人生の先輩たちは、「向こう側」を「天国・極楽」としたり、「海の向こう」としたりしてきました。

ご自分がいちばんしっくりくる「向こう側」を描きましょう。

 

ひとまず、ここでは、「向こう側」を「あなたのこころの中」としてみたいと思います。

大切な存在を、こころの中におさめること

あなたの大切な存在は、命あるものの定めにしたがって、この世の命を終えました。

 

でも、それで消えてしまうわけではありません。

 

今度は、あなたのこころの中に、変わらぬ大切な存在として、共にいてもらうことができます。内在化、といいます。)

 

これまで以上にいつも、あなたと共にいて、苦しいとき、孤独なときも決して見捨てることなく、存在してくれるのですよ。

日常生活の中に手がかりをつくる

大切な存在とのつながりを持ち続けるために、生活の中に居場所を作ることはとてもよい考えです。

 

お仏壇が代表的ですが、物理的に居場所を設定することは、気持ちを和らげるのに助けになるでしょう。

 

写真を飾ったり、お花を飾ったりする、また、大切な人を感じられるアクセサリーを身につけることも安らぎとなるかもしれません。

 

昔々、わたしたちの先祖は、永遠の命を願って花を飾り、花の模様を身につけました。

 

飾ることは、祈りの行為なのですね。

カウンセリングを検討してみる時は?

① 抑うつの症状が強い時

✔️ 不眠

✔️ 食欲不振

✔️ 気持ちの落ち込み

✔️ 気力の減退

 

このような症状が一時的に生じることがあります。

 

大切な存在を失ったのですから、これらの反応は自然なことです。

 

半年くらいで緩やかに収まれば良いのですが、日常生活に支障をきたすような場合は、ご相談ください。

 

カウンセラーに話すことを通じて、落ち着きや生活のリズムを取り戻していきましょう。

 

症状が強い時や希望があれば、医療機関の受診を検討する・紹介することも可能です。

② 強い孤独感が続く時

悲しみを分かち合っていた仲間との間に温度差が生じた時。

 

誰にもわかってもらえない、と孤独になってしまった時。

 

身近な人より、第三者の専門家にお話をしてみませんか?

気遣いも遠慮も不要です。

 

カウンセラーに対しても最初は気兼ねを感じてしまうかもしれません。

でも、中立な聴き手が、ただそこにいるということで、悲しみに没入すること、また「こちら側」に戻ってくることを可能にします。

 

このプロセスを経て、あなたの大切な存在が共にいてくれると感じられるようになると、あとはご自分らしく、新しい生き方を構築していくことができます。

③ 関係性の整理が必要な時

大切な存在を失って初めて、過去のこと、関係性の整理が必要だと理解するようになることがあります。

 

とくに親子関係、血縁関係がある場合などは、生前は扱えずにフタをしていたために気づかなかったけれど、失って初めて、その機会を得ることになるわけです。

 

相手がもう亡くなっているのに、気持ちが揺らいだり、こだわりが生じてしまうことで「自分はこころが狭いのでは?」と責めてしまうこともあるかもしれません。

 

けれど、過去の振り返りと整理をして、これからは自分らしく生きられるようにしていけたらよいのではないでしょうか。

 

このような時も、カウンセリングは有効です。

 

【はこにわサロン】でも、グリーフケアのカウンセリングを受付ています。

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気持ちをやわらげる絵本

大切な存在を失った時、あなたの気持ちに寄り添える絵本があります。

3冊ほど、ご紹介しますね。

 

① 『わすれられない おくりもの』スーザン・バーレイ

スーザン・バーレイ作・絵 小川仁央訳 評論社

周りの誰からも慕われていたアナグマは、年をとって逝ってしまいました。かけがえのない友を失ったみんなは、悲しみをどう乗り越えていくのでしょうか・・・。

 

②  『てんごくの おとうちゃん』長谷川義史

長谷川義史作 講談社

おとうちゃんが天国に行ってしまった。

「ぼく」はおとうちゃんに語りかけます。

ぼくは、おとうちゃんと一緒に生きる。

 

③ 『おじいちゃんのコート』ジム・エイルズワース

ジム・エイルズワース文 バーバラ・マクリントック絵 福本友美子訳

おじいちゃんのコートは、着古されて上着になり、ベストになり、ネクタイになり・・・。

最後に残ったのは何だったのでしょう。

 

 

最後に

大切な存在を失ったとき。

人は人生の行き止まりにぶつかったような感覚に襲われます。

 

大切な存在なしに、人生が続くなんて、とても耐えられない!

 

でも、命あるものはやがて「向こう側」におくりだされていく。

大きな、大きな穴を、残されたものは埋めながら生きていかねばなりません。

 

大切な存在のためにも、その作業をしていきましょう。

ゆっくり。

じっくり。

ご自分のペースで。

もしよかったら、あなたの大切な存在のお話をしにいらっしゃいませんか?

あなたのこころの中に、しっかりと共にいてくれると感じられるようになるまで、ご一緒いたします。

 

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