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突然のメンタルダウンを防ぐには―「まだ大丈夫」がいちばん危ない理由

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田美智子(臨床心理士・公認心理師)です。

 

ある日、突然動けなくなる。

 

朝、起き上がれない。会社に行こうとすると涙が出る。

 

なんてことない日常業務なのに、「もう無理だ」と絶望する。

 

感情が溢れて止まらなくなったり、頭が真っ白で固まってしまったりする。

こうした突然のメンタルダウンは、責任感が強く、頑張り屋で、しっかり者だと思われている方が、ご自分でも、「まだいける」「これくらい平気」だと思っていた時に起こることがあります。

でも、実際にはメンタルダウンは突然起きているのではなく、少し前からその警告サインが出ていることが多いですから、この記事を読んで、ご自分のコンディションを把握して、生活の修正を行い、メンタルダウンしないで済むようにしていただけるといいと思います。

 

「もっと大変な時を乗り切ってきた」という過信

頑張れる人ほど、過信や罪悪感があります。

  • もっと大変な時もあったが乗り切れた
  • あの時に比べれば、今はマシ
  • だから今回も、なんとかなるはず
  • これくらい、みんなやっている
  • 弱音を吐いてはいけない

確かにこれまでに何度も苦境を乗り越えてきたのだと思います。周りのみんなも、無理しながら頑張っていることも事実かもしれません。

 

でも、過信や罪悪感が強いと、ご自分の感覚や感情、違和感をキャッチせず、打ち消してしまいやすくなります。

 

また、人の心と身体は、「過去に耐えられた量」と「今、耐えられる量」が同じとは限りません。

環境、年齢、積み重なった疲労、人間関係など、条件が違えば、負担も変わります。

それなのに、「前はできたから」と頑張り続けると、限界のサインに気づけなくなり、その結果、突然のメンタルダウンを引き起こしてしまうのです。

 

本当に危ないのは「頑張れている今」

実は、メンタルが本当に危機的なとき、「つらい」「もう無理」とはっきり感じられるとは限りません。

例えば、こんなふうに感じていませんか?

  • 疲れていても職場に行けば頑張れる
  • 仕事に没頭すれば心身の不調を感じずに済む
  • 気合でなんとかなる
  • ちょっと休むとむしろ調子が落ちる
  • だから、不調は気のせいだと思う

 

これは、適度な頑張りではなく、アクセルを極限まで踏み続けることで心身の不調に気づかずに頑張り続けられているだけの状態で、身体も心もダウンするまで気付けない、いつダウンするかわからない危険な状態です。

 

【チェックリスト】メンタルダウン直前に出ているサイン

次の項目を、最近の自分に当てはめてみてください。

□ 休みの日も頭が仕事や用事から離れない

□ 暇になると不安や罪悪感が出る

□ 何もしない時間が苦手

□ 疲れているのに眠れない、眠りが浅い

□ 休んでも疲れが取れない

□ 気力で頑張っている

□ 人に迷惑をかけたくない

□ 頑張れている間は頑張り続けるしかないと思う

□ 最近、イライラすることが増えた

□ ちょっとしたことで強く反応してしまう

□ 家族や身近な人に当たってしまう

□ 最近、感情の「プチ爆発」があった

5つ以上当てはまる場合:心と身体はすでに黄色信号を出しています。

7つ以上なら、かなり注意が必要な状態です。

 

なぜ「イライラ」「怒り」が増えるのか

イライラや怒りは、多くの場合、余裕が削られているサインです。人は、心と身体に余白があるときには、受け流したり、立ち止まって考えたりできます。

ところが、緊張やプレッシャーが続くと、常にアクセルを踏んだ状態になり、ブレーキが効きにくくなります。

この状態が続くと、

  • 怒りが出やすくなる
  • 感情の調整がきかなくなる
  • ある日、急に動けなくなる

という流れが起きます。

これは、心と身体からしてみたら、「黄色信号を出し続けてきたけど、気づいてもらえないから、強制終了して心身を守ることにしたよ」ということです。

 

メンタルダウンを防ぐために今すぐしてほしいこと4つ

メンタルダウンを防ぐために今すぐ取り組んで欲しいことを4つご紹介します。

 

「動けるか」ではなく「休めているか」で判断する

「動けているから大丈夫」と思ってしまいがちですが、これはとても危険な判断基準です。

 

人は気力や責任感によって、無理をしていても一時的に動き続けることができてしまいます。しかし、動けているから大丈夫ではありません。

むしろ、頑張り過ぎのサインとして多いのが、「休めなくなる」ことです。

 

  • 疲れているのに寝付けない、夜中に目が覚める、空き時間ができるとイライラや不安が出る。
  • 休みの日もリラックスできず、仕事や考えごとから離れられない。

 

これらは、アクセルを踏み続けた結果、ブレーキが効かなくなっている状態です。

 

このまま進むと、心身は暴走し、最後は強制的に止まるしかなくなります。

 

ですから、「動けるか」ではなく「休めているか」を基準に、自分の状態を見直してみてください。

 

休息を取る。ただし「興奮する休み方」には注意する

心身を回復させるためには、意識的に休息を取ることが欠かせません。

ただし、どんな過ごし方でも「休息」になるわけではありません。

 

ゲームやSNS、動画の一気見、刺激の強い娯楽などは、気分転換にはなっても、神経の興奮を高めやすく、ブレーキを回復させる休息にはなりにくいことがあります。

 

楽しいのに終わったあとに疲れが残る、焦り、罪悪感が出る場合は、回復よりも消耗に近い可能性があります。

 

休息の目的は、気を紛らわせることではなく、緊張を下げること。

少し落ち着く、ほっとする、静かになる感覚を意識してみてください。

 

「何もしない時間」は大切。でも、最初は無理なく少しずつ

今自分が心地よく感じる休息と、心身に必要な休息にはギャップがあることがあります。アクセルを踏み続けている時は、「アクセルを踏み続けないと不安」「ブレーキを踏むことが不安」に感じやすいからです。

 

本当の意味での休息には、「何もしない」「成果を出さない」時間が必要です。

 

ぼんやりする、横になる、目的なく過ごす。そうした時間があることで、張りつめていた緊張がゆるみ、ブレーキが少しずつ回復していきます。

 

例えば、散歩をする、軽く身体を動かす、映画を観る、カフェでお茶をする、本屋や図書館をぶらぶらするなど、適度に動きのある休息から始めてみてください。

 

そうした時間に慣れてきたら、ゆっくりお風呂に入る、温かい飲み物を味わう、空や夜空を眺めるなど、より静かな休息にも少しずつチャレンジしてみましょう。

 

何もしない時間にリフレッシュできると感じられるようになったら、心身のバランスやブレーキが回復している印です。

 

人とつながる ―― 孤立しやすいときこそ、大切な休息

メンタルダウンの直前にある人には、ある共通した傾向があります。

 

それは、人との関わりを減らしてしまうことです。

 

忙しすぎて時間がない、余裕がなくて誰かと会う気力がない。あるいは、「迷惑をかけたくない」「弱いところを見せられない」と思い詰めてしまい、気づかないうちに一人で抱え込んでしまいます。

 

これは、性格の問題ではありません。心と身体に余裕がなくなると、人は自然と内側に閉じこもりやすくなります。

 

誰かと関わること自体が、負担に感じられてしまうのです。

 

その結果、孤立や孤独が深まり、さらに回復しにくい状態に入ってしまいます。

 

けれど実は、人とつながることそのものが、大きな休息になります。

家族と他愛のない話をする、友人と一緒に食事をする、同じ空間で静かに過ごすと言った、小さな関わりを取り戻してください。

 

突然のメンタルダウンを防ぐには・まとめ

突然のメンタルダウンは、弱い人に起きるものではなく、責任感が強く、頑張り続けてきた人に起こりやすいものです。

 

「まだ大丈夫」「動けているから平気」と自分を後回しにし続けるうちに、休めなくなり、心身は限界を迎えてしまいます。

 

大切なのは、動けるかどうかではなく、休めているかどうか。

 

興奮を高める休み方ではなく、緊張を下げる休息を、無理のない形で少しずつ取り入れること。

 

そして、人とのつながりを保つことも、重要な回復の一部です。

 

もし「自分の状態がよく分からない」「このまま続けて大丈夫なのか判断できない」と感じる場合は、早めに専門家に相談してください。

 

相談することで、今の状態を客観的に整理し、この先どうなりやすいかの見通しや、負担を減らすための具体的な修正方法を一緒に考えることができます。

 

はこにわサロンでも、メンタルダウンに関するご相談を受付ています。

うまく話せなくても大丈夫です。ぜひ、一度、ご相談につながってください。

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