自分の子どもがかわいくないと思ったときの救急箱
東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です(オンラインカウンセリング・電話カウンセリング受付中)
だれにでも自分の子どもがかわいく思えないときはあります。
日中イライラしても、寝顔を見て「明日は気持ちを切りかえよう」と思えれば、それでいいのです。
でも、気持ちをリセットするチャンスがなかったり、自分を責めてしまうと子育てが苦しくなってしまいますよね。
子どものことを愛せないと感じる理由がわかると、気持ちが楽になるかもしれません。
お母さんにお休み時間がないとき
子育てのたいへんなところは、とにかくお休み時間がなかなか持てないこと。
乳児のときは24時間 x 365日勤務ですし、年齢があがっていっても、母親の一日は子どもに合わせて動くことが求められます。
「ちょっとまっててね」が効かないときや、子どもの機嫌に左右されることが続くと、お母さんの我慢も限界に。
ひとりだって大変だけど、2人、3人・・・なんてときには、もう・・・・!!
こんなときに「子どもがかわいくない!」と感じることは、むしろ当たり前。
子どもに対して感情的になってしまって、親子で泣いてしまったとしても、子どものこころにキズが残ることはありませんよ、大丈夫。
でも、子どもが寝たあとに、ちょっとふりかえりの時間が持てるといいですね!
そして、自分に「よくやった!おつかれさん!」をしてあげましょう。
自分の欠点を拡大されるとき
そこまで親子関係がにつまっているわけではないけれども、なにか子どもにイラっとしてしまうとき、ありませんか?
それは、子どもが、お母さん自身の欠点を拡大して見せているときかもしれません。
また、それが自分自身ではなくて、夫の、あるいは自分(夫の)両親の欠点を拡大して見せるときも。
「あぁ、こういうところが○○にそっくり・・・」と感じるときのなんだかもやもやっとした気持ち。
こんなときは、自分や、夫・両親へのネガティヴな感情を子どもに転嫁しているだけですよ!
子どものせいでも、自分が悪い母親だからでも、ありません。
しばし冷静になって、そのネガティヴ感情は、ほんとうは誰にむけられたものか考えてみましょう。
そして、そのイライラが子どものせいではないことを、確認しましょう。
それだけで、だいぶ気持ちが楽になるはず。
自分(や誰か)の欠点を思い起こさせるからこそ、しつけなきゃ!
この気持ちもとてもよくわかります。
自分はとても困った・悩んだから、小さいうちに直してしまおう。きっと、大人になったら感謝してくれるはず。親心。
でも、自分や周りの大人が、大人になっても持ち続けた欠点だとしたら、それは存在感の大きな欠点なのです。子どものときにアプローチしたからといって、簡単に改善しないかもしれません。
自分ひとりで「直そう!」と抱えすぎないでくださいネ。
もしかしたら心配する気持ちだけで充分かもしれません。
子どもを好きになれないのは、子どものせいだという気持ちになるとき
子どもを生むことに迷いがあった。
出産してみて、「こんなはずじゃなかった」と感じた。
思ったよりずっとたいへんで、「もう無理!」と思う。
働きたいのに(働かなければいけないのに)働けないのは子どものせいだと思う。
育てにくい子どもだと思う。
男の子(または女の子)は苦手だと感じる。etc.etc.etc….
これも、「親のあるある」ではないでしょうか。だから思いつめないでほしいのです。
でも、もしこの気持ちから24時間、1週間、1ヶ月・・・のがれられない、と感じたら、ただちに誰かに相談しましょう!!相談先がわからなかったら、市区町村役所の窓口に聞いてみてもいいのですよ。相談先を教えてくれます。
東京都だったら、こちら(相談内容ごとに連絡先がまとめられています)
(東京都以外の方、同じような機関があるはず。上記を参考にリサーチしてみてください。)
兄弟と比べてしまうとき
ダメだと頭ではよくわかっているのだけど、どうしても比べてしまう。
上はお利口さんなのに、下は問題ばっかり(あるいはその逆)。
下の子が生まれると、上の子に兄姉の役割を期待してしまったり。逆に下の子が邪魔者に感じられたり。
家族の中で、「○○っ子」(○○はお父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、など)がいると、それで家族内距離感に不穏な空気がただようときも。
でもね、そもそも、人間誰しも平等って無理があると思いませんか?
同じに愛さなくても、違って愛していたらそれでいいのかなーと思います。
違っていても、ちゃんと愛されていたら、子どもにちゃんと伝わると思います。
ただ、中には親からもらう愛情の胃袋がとっても大きくて、たくさん必要な子がいます。こんな子は、自分のお腹がいつもすいているから、兄弟間で分け合えないこともある。
いつも多めに愛情をかけてもらっているのに「もらってない!」「(兄弟のほうが)たくさんもらっていてずるい!」とアピールしてくる。それで生じる兄弟格差に、親の方がもやもやして悩んでしまうことも。
「しょうがないな」と割り切れたらそれでOK。でも、もやもやが増えて気持ちがいっぱいになったら、やはり専門の人にお話して、気持ちの整理と、対応方法を検討したほうがいいかもしれません。
100% 愛せなくてもだいじょうぶ
子どもを愛せないときもある。
それは、子どものせいでも、自分のせいでもない。
お互い不完全だけど、ともに生活して成長していけたら、それでいい。
だから、子どもを愛せない自分を憎まないでください。
100%じゃなくても、子どもを愛している自分に気づいてください。
母親業は51点で花まる合格です。
理想の親子の呪縛から解放されたら、きっと、自分ペースの子育てをとりもどせるはず。
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