箱庭療法で使用する3つの用具には、箱庭セラピー成功の秘訣がつまっているのです
東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です(オンラインカウンセリング・電話カウンセリング受付中)
箱庭療法で使う用具といったら、何があると思いますか?
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案外、(1)の砂箱が難しかったのではないでしょうか?
では、砂箱から順番に、その理由をお話していきます。
箱庭療法で大切な用具(1)砂箱
「箱」庭療法といいますからね、砂を入れた箱は、箱庭療法の大事な枠組みであり、器です。
まずは、形状からご紹介します。
木製のこの箱の大きさは、幅が72センチ、奥行き57センチ、高さが7センチと決まっています。
これは、「腰の高さで置いた時にちょうど全体を見渡せる大きさ」です。
では、中の砂を少し掘ってみましょう。
箱の内側が水色に塗られているため、砂を掘ると、まるで水が出てきたような印象です。
何も知らずに砂にふれた方は「わあー!」と驚かれます。
箱庭療法の主役である「箱」の大切な役割は、「砂の入れ物」というだけではありません。
箱庭という箱で空間を区切ることで、思う存分、自由に表現できるようにと、砂箱が守っているのです。
はこにわサロンでは、箱庭体験や箱庭療法をするときには、事前のご予約が必要ですし、箱庭体験は70分、箱庭療法は50分と時間も決まっています。
このように、時間と場所を区切り、しっかり守ることで、その中では、安心して自由な表現ができるのです。
箱庭の砂箱は、この自由だけれども守られた空間を象徴している箱庭の要です。
箱庭療法で大切な用具(2)砂
箱庭療法で次に大切な用具といえば、やはり「砂」です。
そもそも、箱庭療法がスイスで始まったときにはドイツ語で”Sandspiel”(英語ではSand play、つまり砂遊び)という名前だったのです。
そのくらい、砂は、箱庭療法の心臓部とでもいう部分です。
砂を通じて大地とつながる体験になる
砂の手触りを楽しむことで、無理なくリラックスできる
このように大地と繋がり、リラックスすることで、あなたの心の深い部分につながって作用する
このようなわけで、箱庭療法では、一見、自由な遊び・表現活動が、深い治癒をもたらすことがあるのです。
箱庭療法を始めたドラ・カルフ女史は、色や粗さの違う砂を用意して、好きな砂を選べるようにしていたといいます。
はこにわサロンの砂は、オーストラリアの海岸の砂(砂遊び用に輸入されたもの)を使用しています。
粒子が細かくて、サラサラした手触りです。
でも、実はわたしは沖縄のサンゴが砕けた荒い砂も大好きです。
いつか、両方の砂を触って、好きな方を選べるようにできたらいいなぁーと思います。
箱庭療法で大切な用具(3)ミニチュアのフィギュア
箱庭療法では、ミニチュアのフィギュアを使って、作品を作ります。
フィギュアの種類としては、人、動物、植物、建物、乗り物など、また石・貝・ビー玉などの素材が一般的です。
今では、箱庭用のフィギュアを販売している業者もあるので、まとめてセットで揃えることもできます。
でも、わたしは、かつてドラ・カルフ女史や河合隼雄先生がされたように、セラピスト自身の手でひとつひとつ揃えていく方法が好きです。
これらのミニチュアフィギュアの利点は、誰でも自由に、簡単に、好きなフィギュアを選んで、作品作りに仕えることです。
例えば、箱庭療法に近しい心理療法として、絵画療法(絵を描くことを通じて理解や治療をする心理療法)がありますが、絵を描くことが苦手な人は、ちょっとハードルが高く感じてしまうことがありますよね。
ミニチュアフィギュアを使うことで、絵の上手下手のような負荷をかけないで、誰でも無理なく表現することができるというのが、箱庭療法の良いところです。
また、大人にとっては、フィギュアを眺めたり、手に取るだけでも、童心にかえれたりする作用もあります。
まとめ
箱庭療法の主要な3つの用具についてまとめました。
(1)砂箱・・・砂を入れる器というだけでなく、表現や心理療法を行う場としての守りの役割。
(2)砂・・・大地との繋がり回復、リラックスすることで、こころの深い部分とつながることが可能になる。
(3)ミニチュアフィギュア・・・見て楽しむ、表現して楽しむ。上手下手がないので、表現しやすい。
箱庭療法は、作っている人のニーズや希望によって、楽しい体験、リラックスのための体験のような比較的、気軽な制作から、こころの深いところにつながって、傷つきや症状を和らげることに貢献もできる、とてもユニークな方法です
もし、あなたが今、検索でこのページを見つけて、「なんだかやって見たいな」と感じたら、ぜひ、お気軽においでくださいね。箱庭は、「作りたい!」と感じた時が、いちばんふさわしいタイミングであることが多いようです。
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