中学生のみなさんへのお願いです。休校中、戦力として家族を助けてください。
わたしは、東京の中学校でスクールカウンセラーをしている吉田です。
きょうは、中学生のみなさんにお願いのメッセージを書きます。
コロナによる休校が長引き(東京ではもう2ヶ月になります)、みなさんも「学校はいつになったら始まるんだろう?」「家にいるのも飽き飽きしてきたよ」と思っているのではないでしょうか。
ほんとうに、1日も早く、ふだん通りの生活に戻してあげたいと、大人はみんな願っています。
でも、みなさんもご存知の通り、大人にとっても経験したことのないことばかりで、なかなか先の見通しを示してあげることができません。
そして、休校措置はまだまだ続くことが考えられます。
大人もだんだん頑張り続けることが苦しくなってきました。
ですから、どうか、中学生のみなさんの力を貸してほしいのです。
2011年3月11日の東日本大震災のとき、各地の避難先で中学生が炊き出しを手伝ったり、物資の配布を手伝ったり、元気に働いてくれたおかげで、みんなが元気を勇気をもらいました。
わたしが働いていた中学校でも、中学生がお手伝いしてくれて、嬉しかったし、誇らしかった、と聞きました。
ですから、今回も、みなさんが、混乱している大人たちを手助けしてくれたらと思うのです。
どのように助けるか?
今回は、外出自粛がとても大切な基本事項です。
3.11のときのように、リアルに友だちと一緒に働くことはできません。
それぞれが自宅で、自分の家族を助けて欲しいのです。
家族と話そう
家族みんなで、いま、何に困っているのか話し合いましょう。あなたが呼びかけてくれたら、大人はとても心強いと思います。
家族みんなが、コロナにならないで、元気に過ごすためにどうしたらいいか。
家の仕事を、どう分担したらいいか?
家の中の仕事は、キリなくあるから、少しずつ誰かが分けてやってくれるとすごく助かる。
自分がどう過ごすのかも考えてほしい。
休校が始まった頃は「早めの春休みだ、やった!」なんて思ったかもしれないけど、毎日家で過ごすのも、もうあきあきしているかもしれない。
今をどんなふうに過ごしたらよいか、考えてみてください。
自分にできる勉強もしてください。
数学や英語といった科目にこだわらなくてもいいと思います。
コロナのことを、正しくとらえることや、自分にできることを考えることも、大切な勉強だと思うから。
それから、生活リズムを整えてください。
生活リズムが乱れると、やる気があっても、したいことができない残念な結果になりかねません。
コロナ感染予防のために、外出は控えてくださいね。
でも、友だちとは上手につながりましょう。
もしかしたら、不安で苦しくなったり、自分の努力が無駄に思える時もあるかもしれない。
そんな時は、大人に話してください。
大人たちは、いつでも、あなたの気持ちを聴きたいと思っています。
それに、困ったときには、相談するのも「大事な仕事」です。
最後に、4月25ー26日付のニューヨーク・タイムズ(アメリカの新聞)の記事を紹介します。
この記事は、コロナ患者があふれるニューヨークの病院で、病院で働く人や、患者さんのこころを、音楽が明るくしていることを紹介しています。
この中に、16歳のカーラの体験が紹介されています。
カーラは、コロナウイルスに感染したため、3週間のあいだ、小児病院に隔離入院しました。
写真に写っているのは、無事に退院できた日のカーラ。ハグしているのはお母さん?
16歳で、誰もお見舞いに来られない状況で3週間ものあいだ入院するのはどんなに不安だったことでしょう!
でも、これは、誰にでも起こりうる(コロナは子どもも感染します)。
だから、どうか自分を守るために、行動してください。
どうかお願いします。