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子どもを傷つけ親子関係を壊す言葉【6~10】罰・釣る・比べる・決めつける・正論

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田美智子(臨床心理士・公認心理師)です。

子育てをしていて、つい悪気なく言ってしまうことの中には、子どもに予想以上の悪影響を与えてしまうことがあります。

10の望ましくない言葉のうち、今回は【後編】として5つ(罰を与える・ご褒美で釣る・比べる・決めつける・正論を押し付ける)について、具体例と子どもに与える影響、言い換え言葉をご紹介していきます。

【前編】では、批判する・責める・文句を言う・がみがみ言う・脅すについてご紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。

思い当たることがありましたら、今からでも遅くはありませんから、修正していきましょう。

 

【6】罰を与える

罰を与える例①「約束破ったから、今日からゲーム禁止!」

何がダメか
行動の背景を見ず、結果だけで力を使って制限しています。

子どもはどう感じるか
「勝手に決めないで」「わかってもらえない」

影響
反省よりも不満が残り、次は隠れてやる行動が増えます。

言い換え
「約束が守れなかった理由、教えてもらえる?」

 

罰を与える例②「成績が落ちたからスマホ没収!」

何がダメか
成績が落ちたのはスマホのせいと決めつけて、本当の理由に向き合わないまま罰を与えています。子どもにとっての息抜きツールを強権で取り上げています。

子どもはどう感じるか
「コントロールされた」「成績さえよければ何をしてもいいのか」

影響
成績をごまかす。本音を話さない。

言い換え
「成績が落ちたから心配しているよ。」

「心配ごとはある?」

 

罰を与える例③「約束を破ったから外出なし!」

何がダメか
問題とは関係のないことを制限しているため、反省より怒りや反発を招きます。

子どもはどう感じるか
「納得できない」「許せない」

影響
親への不信感が強まり、コミュニケーションが取れなくなります。友だちとの遊びや約束にも消極的になる影響が出ることも。

言い換え
「○○はよくないよ」

「どうすればできるか相談しよう」

 

罰を与える例④「言うこと聞かないなら、おやつなし!デザートなし!」

何がダメか
子どもの楽しみを罰に使うと、日常生活が「条件付き」になり安心が奪われます。

子どもはどう感じるか
「大切にされてない」「楽しみにしても無駄」

影響
親の顔色を伺うようになります。食べ物への執着や隠れ食べにつながることも。

言い換え
「一緒にやろう」「できたね」

 

罰を与える例⑤「罰を受けないと、わからないでしょ」

何がダメか
子どもを「考えられない存在」と決めつけています。

子どもはどう感じるか
「言っても無駄」「どうでもいい」

影響
表面的に従うだけになる。隠れてやる・嘘をつくようになる。

言い換え
「どうしたらうまくいくかな?」

「ここはできてたね。」

 

まとめ:罰が残すもの

罰は、
✔ 行動を止める力はあっても
✔ 理解や納得を育てにくく
✔ 親子関係に上下や怖さを持ち込みやすい

関わりです。

大切なのは、罰でコントロールすることではなく、学びにつなげること

話を聞き、理由を一緒に考える関わりは、時間がかかるようで、長い目では行動も関係も整いやすくなります。

 

【7】褒美で釣る(「〜したら買ってあげる」)

褒美で釣る例①「昇級したらゲーム買ってあげる」

何がダメか
努力や学びそのものではなく、結果と報酬だけに焦点が当たります。

子どもはどう感じるか
「ご褒美がないとやる気が出ない」「ご褒美がもらえたらそれでいい」

影響
内発的なやる気が育ちにくくなり、報酬がないと動かなくなります。

言い換え
「ここまでよく頑張ったね。」

「頑張っていたのを見ていたよ。」

「かっこよかったよ」「誇らしかったよ」

 

褒美で釣る例②「いい点取ったらお小遣いアップ」

何がダメか
学びの目的がお金にすり替わる。点数=価値というメッセージになる。

子どもはどう感じるか
「点数さえ高ければいい」「点数が低いと自分の価値も下がる」

影響
学ぶ楽しさを感じられなくなる。点数をごまかすことにつながる。点数で自己・他者評価をするようになる。

言い換え
「努力が実ったね!」

「難しかったね。わからなかったところ一緒にやろうか。」

 

褒美で釣る例③「言うこと聞いたら、買ってあげる」

何がダメか
関係性を取引のように扱ってしまう点です。行動の理由が納得ではなく見返りになる。

子どもはどう感じるか
「損か得か」「親の言う通りにすればいい」

影響
ご褒美がないと動かない、指示待ちになります。ご褒美の条件交渉が始まります。

言い換え
「こうして欲しい」

「どうしたい?」

 

褒美で釣る例④「お手伝い(勉強時間)でゲーム時間を決める」

何がダメか
お手伝いや勉強の意味が「取引き」に変わり、子どもの内面が育たない。

子どもはどう感じるか
「お手伝いや勉強は苦役」「ご褒美がないとやりたくない」

影響
やらされ感が強まる。何事も交渉次第になる。最低限しかやらなくなる。

言い換え
「お手伝いしてくれて、ありがとう」

「勉強、頑張ってできたね!」

 

褒美で釣る例⑤ご褒美で釣っておきながらいざとなると条件をつけて約束を果たさない

何がダメか
信頼関係を後出し条件で壊してしまう。

子どもはどう感じるか
「嘘をつかれた」「ごまかされた」「信用できない」

影響
親の言葉の重みがなくなります。子どもも約束を守らなくなります。

言い換え
「ごめん、次からはできない約束はしないね」

 

まとめ:褒美で釣ると起きやすいこと

褒美は、短期的には行動を引き出せますが、
✔ やる理由が外側に移り
✔ 自分の気持ちが置き去りになり
✔ 親子関係が取引的になりやすい

という面があります。

大切なのは、結果よりも過程や気持ちに目を向けること。それが、長く続くやる気と、安心できる親子関係につながります。

 

【8】誰かと比べる

誰かと比べる例①「みんなできてるよ」

何がダメか
子どものペースや特性を無視し、他人を基準に評価しています。

子どもはどう感じるか
「自分は劣っている」「どうせできない」

影響
恥や不安が強まり、やる気を持てない、頑張れない、自己否定的になります。

言い換え
「大丈夫。きっとできるよ。」

「あなたのペースでOKだよ」

 

誰かと比べる例②「お兄ちゃんはできてた」「妹はできてるよ」

何がダメか
兄弟姉妹間で役割や期待を固定してしまいます。

子どもはどう感じるか
「自分は劣っている」「頑張っても無駄」

影響
劣等感や嫉妬が強まり、兄弟の関係性にも影響します。

言い換え
「できたね」

「さすがだね」

 

誰かと比べる例③「どうしてあなただけできないの?」

何がダメか
「どうして?」と問いかけながら、実は「劣っている」と決めつけている。

子どもはどう感じるか
「自分はダメ」「どうせできない」

影響
恥や不安が強まり、やる気を持てない、頑張れない。

言い換え
「大丈夫。きっとできるよ。」

「あなたのペースでOKだよ」

 

誰かと比べる例④「みんなはもっと頑張ってるよ」

何がダメか
見えない他人の努力を基準にするため、比較が終わらない。子どもの頑張りが無視される。

子どもはどう感じるか
「自分はダメ」「頑張っても無駄」

影響
焦りや緊張が強まり、やってみようと思う意欲が失われたり、自尊心・自己肯定感が失われます。

言い換え
「頑張ったね」「前よりここがよくなったよ」

 

比べる例⑤「お父さん・お母さんがあなたくらいの時にはできてた」

何がダメか

時代・環境・個性の違いを無視して、親の成功体験を基準に押しつけてしまう

子どもはどう感じる?

「期待に応えられない自分はダメ」「親をがっかりさせている」

 

子どもはどう感じるか
「どうせ認めてもらえない」「ダメな子ども」

影響
親の評価に縛られるようになる。自己否定・過剰適応・自分らしさの喪失につながります。

言い換え
「あなたらしくていいね」

「自分のペースが大事だね」

 

まとめ:比べることで起きること

比べる関わりは、
✔ 子どものやる気を引き出そうとする試みにも関わらず
✔ 子どもの安心と自己信頼を削り
✔ 「自分は足りない」という感覚を残します。

成長は、競争ではなく積み重ねです。大切なのは、他人との差ではなく、その子自身の昨日との違いに目を向けることです。

 

【9】決めつける(「あなたはいつもそう」)

決めつける例①「いつも言い訳ばかり」

何がダメか
子どもが理由や背景を説明しようとする行為を最初から「悪意」や「逃げ」と決めつけてしまう。説明する権利そのものを奪います。

子どもはどう感じるか
「何を言っても無駄」「信じてもらえない」

影響
親に相談しなくなる。親の話も聞かなくなる。

言い換え
「(何が起きたか・何を考えているのか)よくわかった」

「事情を話してくれてありがとう」

 

決めつける例②「どうせサボってたんでしょう」

何がダメか
事実確認ではなく、疑いを前提にした断定になっています。
子どもを“信用しない立場”から見ている言葉です。

子どもはどう感じるか
「最初から疑われている」「信頼されていない」

影響
嘘や隠し事が増える。対人信頼感が育たない。

言い換え
「何かあった?」

「手伝えることある?」

 

決めつける例③「すぐ諦めるに決まってる」

何がダメか
未来の行動まで否定的に予測しています。可能性を潰してしまいます。

子どもはどう感じるか
「期待されていない」「頑張っても無駄」

影響
やる気を失くす/親の言葉通りになります

言い換え
「ここまでできた!」

「もうちょっと頑張ってみる?」

 

決めつける例④「あなたにはどうせ無理よ」

何がダメか
能力や将来性そのものを否定しています。

子どもはどう感じるか
「自分にはどうせできない」「頑張れないダメな人間」

影響
自己否定、諦めやすい、悲観的。

言い換え
「きっとできる」「応援してる」

 

決めつける例⑤「いつもがっかりさせられる」

何がダメか
親の感情を子どもに押し付けています。

子どもはどう感じるか
「自分は親をがっかりさせるダメな存在」「いない方がいい」

影響
親をがっかりさせないよう過剰に頑張るが自己肯定感が低く燃え尽きやすい。または、最初から挑戦しない、消極的で回避的。

言い換え
「あなたの成長が楽しみ」

「できてもできなくても、あなたはあなた」

 

まとめ:決めつけが残すもの

決めつけは、親は理解したつもりになっているけれども、実際には子どもの気持ちを否定して、成長する余地を奪ってしまいます。

「いつも」「どうせ」を手放して、好奇心を持って子どもを見てください。すると思わぬ長所や成長を見つけることができますよ。

 

【10】正論を押し付ける

正論を押し付ける①「努力が足りない」

何がダメか
結果だけで評価している。その過程にどんな工夫や葛藤があったかを無視してしまう

子どもはどう感じるか
「どうせわかってもらえない」「頑張っても無駄」

影響
意欲を失くす。親に不信感を持つ。

言い換え
「悔しかったよね」

「頑張っていた様子を見ていたよ」

「また、やってみよう」

 

正論を押し付ける②「自分で決めたんでしょ?」

何がダメか
迷いや悩みを切り捨てて、子どもに責任を押し付けています。

子どもはどう感じるか
「わかってもらえない」「自分のせい」

影響
親に責められないように完璧主義で不安の強い子になる。あるいは、自分で決めることを避ける、消極的な子どもになる。

言い換え
「悩んでるみたい」「話聞かせて?」

「気持ちが変わることは誰にでもあるよね」

 

正論を押し付ける③「自分が悪いんでしょ」

何がダメか
なんでも「子どものせい・自己責任」だと押し付けるのは、親の責任逃れでもあります。

子どもはどう感じるか
「全部自分のせい」「自分はダメな人間」「怖い」「逃げたい」

影響
失敗を極端に恐れる。何でも自分のせいだと考えて苦しむ、または、責任逃れをするようになりやすいです。

言い換え
「困ったね。一緒に考えよう。」

「うまくいかないときは誰にでもあるよ」

 

正論を押し付ける④「考えが甘い」

何がダメか
その時点での精一杯の判断を、未熟さとして切り捨ててしまう言葉だからです。

成長途中であることが否定されます。

子どもはどう感じるか
「どうすればいいの?」「全部自分のせい」

影響
自分で考えるのが怖くなる。親の言うなりを選ぶようになる。

言い換え
「うまくいかなかったね。どこがダメだったんだろうね。」

「少しずつ自分で見通せるようになっていくよ」

 

正論を押し付ける⑤「過去は変えられないよ」

何がダメか
事実としては正しくても、今つらい気持ちを抱えている子どもには冷たく響く言葉です。気持ちの整理が置き去りになります。

子どもはどう感じるか
「前を向けない自分がいけない」「どうすればいいかわからない」「後悔するのが怖い」

影響
自分の気持ちに蓋をするようになる・感じれらなくなる。イライラ怒りっぽくなったり、無表情・無気力になったりします。

言い換え
「気持ちを聞かせて?」

「時間をかけて整理していこうね」

 

まとめ:正論が残すもの

子どもにとって大切なのは、正論で諭されるよりも、まず理解されること、気持ちを受け止めてもらうことです。

正論は、大抵の場合、子どもも頭でわかってはいるのです。

子どもにとって本当に大切なのは、正論で諭されることよりも、まず「わかってもらえた」「気持ちを受け止めてもらえた」と感じられることです。

多くの場合、正論そのものは、子どもも頭ではすでにわかっています。それでも動けないのは、気持ちの整理がつかないからなのです。気持ちを置き去りにされると、子どもは考えることをやめ、自分を責めて心を閉ざすか、反発するしかなくなります。

まとめ:子どもを傷つけ親子関係を壊す言葉【後編】

ここまでご紹介してきた言葉は、どれも「子どものため」「将来が心配」という思いから、つい口にしてしまいやすい言葉です。

とくに、子育てへの不安が強いときや、相談できる相手がいない孤独な状況では、言葉が厳しくなりがちです。

けれど、その言葉は知らず知らずのうちに、子どもの安心や自己信頼を傷つけてしまうことがあります。

抱え込まず、否定せずに話を聞いてくれる人に気持ちを打ち明けることも、大切です。親が楽になることが、子どもの安心にもつながります。

 

安心して相談できる相手がいないときは、カウンセリングも検討してみてください。

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【前編】では、批判する・責める・文句を言う・がみがみ言う・脅す、についてご紹介します。ぜひ合わせてお読みください。

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