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反抗期がきた!家で荒れる中学生の心理を解き明かすと対処法が見えてくる

 
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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。(オンラインカウンセリング・電話カウンセリング受付中)

 

中学校のスクールカウンセラーをしてしていると、お母さんたちからよくこんな相談を受けます。

 

お母さん
うちの子、中学校では良い子なのに、家では人や物に当たって、ひどいんです

 

セラピストよしだ
よくあります。

 

子どもが家で荒れています

何かひとことでも言えば、すぐに反発する。逆切れする。

学校のことも何も話さないから、なんでそんなにイライラしているのかもわからない。

でも、担任の先生からは、学校ではとても良い子だと聞いて。

信じられませんでした。

家でだけ荒れるのは、家が嫌いなんでしょうか?

子育てがまちがっていたのでしょうか?

 

結論から言いますと、学校でがんばっている子どもが家でダラけたり荒れたりするのは、親子関係を信頼して甘えているということ。
 

 

だから、ある意味「中学生の自然な姿」ではあるのです。

 

 
お母さん
そうなんですね!でも、家ではどうしてあげたらいいんでしょう?
そうですよね。

 

家庭でどうしてあげたら良いか、知りたいですよね。

 

今日は、子どもが親に何を望んでいるのか、子どもの発達と深層心理から読み解きます。

 

 
この記事はこんな方むけ

● 中学生の子どもが、学校では良い子のようだが、家では(とても)荒れている

● 子どもが親に何を求めているのかがわからない・どうしてあげたら良いのか知りたい

 
 
 

学校でがんばるって、実はとても大変なこと

学校なんて、誰もが当たり前に行くところだし、そこでがんばっていても「そんなの当たり前」だと思っていませんか?

 

でも、子どもにとって、学校で1日がんばって勉強したり、お友だちと過ごしたりすることは、本当に大変なことであり、エネルギーを消耗することなんです。

 

お母さん
そう言えば、いつも「疲れた〜、疲れた〜」と言っています。

 

セラピストよしだ
ですね!

 

だから、まずは「本当にお疲れさま!!」と本人のがんばりを労いましょう。

 

学校で力を使い果たすと、必然的に家ではダラける

家に帰ってくると、なんだかダラダラして、宿題もやらずにゲームをしている。

身の回りのことも、まったくできていない。

 

お母さん
つい口出ししたくもなります。

 

セラピストよしだ
気持ちはとてもわかります。

 

でも、口出しすると反発されるだけで、何の効果もないばかりか、親子関係が悪化してしまってはいませんか?

 

お母さん
・・・

 

子どもが、家でダラダラしたり、わがままを言ったり、親にイライラをぶつけたりすること。

それはこういうことなのです。

 

● 家が安心できる場所だからしていること

● 親との信頼関係ができているから安心して素の自分を出したり、わがままを言えていること

 

 

もし、家でダラダラできなかったら、どうなるのか?

それはね、こうなります。

(断言!)

 

❶ 学校でがんばれなくなる。

❷ 学校で荒れた態度をとり始める。

 

人間は誰でも24時間がんばり続けることなどできません。

心身ともに、大きな成長期である中学生なら、なおのこと。

 

家でリラックスしたり、家族にイライラをぶつけたりして気分転換ができなかったら、学校でやるしかなくなります。

 

それはつまり、「学校でがんばれない子」になるということ。

 

子どもが反抗することで親に求めている役割とは

それは、「壁」そして「鏡」の役割です。

 

親が「道しるべ」の役を果たすと、子どもが道に迷わない

 

セラピストよしだ
激しい嵐の中を小さな船で海を航海するところを思い浮かべてみてください。

多かれ少なかれ、中学生の子どもの心は、このような嵐の中の航海に例えることができます。

 

アンリ・ルソー『嵐の中の船』

 

雨と風がひどくて、周りの様子が見えなくて、自分がどこにいるのか、自分が行きたい方角がどちらにあるのかもわからなくなってしまいます。

 

そんな時、「親」が「壁=道しるべ」となって存在していてくれると、嵐の中でも迷わずに進むことができます。

セラピストよしだ
子どもは親にいちいち反抗する行動を通して、自分の現在地(嵐で何も見えないけど、港はすぐ近く)を確認しているのですね!

 

親にぶつかることで自分の気持ちを理解できる

人間って、「まったくのゼロから自分の欲しいものを見つけ出す」ってできないものです。

 

特に、思春期中学生は、親に「何でもいいから自分のやりたいことを見つけてごらん」と言われても、できなくて、不安定になってしまうことも少なくありません。

親としては、本人の気持ちを尊重しようと願っているのに、逆効果になってしまうのです。

 

そんな時に、親が「こうなって欲しい」という願いを伝えることで、親の思いと自分の気持ちを比べて、「そうしよう」とか「それは嫌だ」など、自分の気持ちを明確化することができます。

 

お母さん
親の願いをいうことは押し付けになるからしないほうがいいと思ってきました!

 

セラピストよしだ
親子ですもの。願いは伝えてみましょうよ。

 

もちろん、「親の願い以外は絶対に許さない!」となってしまうと、子どもが壁に押し潰されてしまうこともあります。

だから、その力加減は必要です。

 

親という、安心して遠慮なく叩ける壁があるからこそ、子どもは自分の気持ちを確かめたり壁を乗り越えて進もうとする力を蓄えたりすることができるのですね。

 

 

もし、親が壁の役割を果たせなかったらどうなるの?

親が、いろいろな事情から、壁の役を果たせないとき。

子どもは、仕方なく、学校の先生を「親代わり=壁」にします。

 

セラピストよしだ
これは、子どもの知恵だな、と思います。

 

家では良い子にしているが、学校では先生に反発して荒れている場合は、親子関係をふりかえってみる必要性がありますよ。

 

親が果たすもう一つの役割

それは、「鏡」という役割です。

 

子どもは、親を「鏡」にして、自分にとって受け入れ難いこと、例えば、人間の汚さやずるさ、弱さを、親鏡に映して、一時的に親に肩代わりしてもらいながら、少しずつ、自分の中にも取り入れていけるようになっていくのです

 

だから、自分にとって受け入れ難いことは、鏡のせい(親のせい)にするのですね!

 

お母さん
言動が勝手すぎて、このまま大人になったらたいへん!

 

そう思って心配になるのも仕方のないこと。

でも、これは一時的なことです。

セラピストよしだ
親が鏡役を果たしてあげることができたら、子どもはいずれネガティヴなことも自分の中に引き受けていくことができるようになるものですよ!
お母さん
中学生を育てるのがこんなに大変だとは思いもよりませんでした。

 

セラピストよしだ
中学生になるから、手が離れて楽になる、と思っていたけど、裏切られたっていう方、少なくありません。

 

けれど、この大変な役割を親が果たしてくれるということは、子どもにとって最上のプレゼントなのです。

 

親にこの役割を果たしてもらえた子どもは、思春期の嵐の後に大〜〜きく成長しますよ!

 

面倒くさいからといって無視してしまうとどうなるか

 

子どもに何を言っても反発してくるばかり。

お互いにイライラが増すので、相手にしないで、放っておこうと思います。

 

 こんな風におっしゃるお母さんもいらっしゃいます。
 
セラピストよしだ
言いたくなる気持ちはよくわかります。
 
大人同士だったら、これが正解。

 

 
でも、相手は、あなたの愛する子ども。
 

 

 あなたに相手にしてもらえなくて、壁も鏡も安心基地もなかったら、どうしてこの思春期の嵐を超えていけるでしょう?

 

セラピストよしだ
思春期を超えていくことは、子どもにもよりますが、生きる・死ぬの問題だというくらい大変なことなのです。

 

 

お母さん
まだまだ、手がかかりますね。

 

セラピストよしだ
はい!もう少しおつきあいください!
 

急に甘えてくることもある

一時的に幼児かえりして、ベタベタしてくる子も多いです。
 

 

思春期を乗り切るためには、ふだんと比べて2倍の愛情補給が必要だと思って間違いありません。
 

 

ただし、反抗と甘えが交じり合うので、分かりにくかったり、親の方も対応が大変なことも。
 
 
セラピストよしだ
そんな時は、ママ友と愚痴をこぼしあって、上手にガス抜きしてくださいね!
 

 

スクールカウンセラーにお話しするのも、おすすめ!

 

 
 

まとめ

反抗期の中学生が親に望んでいることは

❶ 道しるべになること

❷ 自分を明確化するための壁となること

❸ ネガティヴな気持ちを一時預かりしてくれる鏡になること

思春期のわが子が突然キレる・逆ギレする理由・親にできることとは?

我慢は、させても育たない〜我慢するちからの育て方とは

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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