反抗期がきた!家で荒れる中学生の心理を解き明かすと対処法が見えてくる
東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士・公認心理師)です。(オンラインカウンセリング・電話カウンセリング受付中)
中学校のスクールカウンセラーをしてしていると、お母さんたちからよくこんな相談を受けます。
子どもが家で荒れています。
何かひとことでも言えば、すぐに反発する。逆切れする。
学校のことも何も話さないから、なんでそんなにイライラしているのかもわからない。
でも、担任の先生からは、学校ではとても良い子だと聞いて。
信じられませんでした。
家でだけ荒れるのは、家が嫌いなんでしょうか?
子育てがまちがっていたのでしょうか?
● 中学生の子どもが、学校では良い子のようだが、家では(とても)荒れている
● 子どもが親に何を求めているのかがわからない・どうしてあげたら良いのか知りたい
学校でがんばるって、実はとても大変なこと
学校なんて、誰もが当たり前に行くところだし、そこでがんばっていても「そんなの当たり前」だと思っていませんか?
でも、子どもにとって、学校で1日がんばって勉強したり、お友だちと過ごしたりすることは、本当に大変なことであり、エネルギーを消耗することなんです。
だから、まずは「本当にお疲れさま!!」と本人のがんばりを労いましょう。
学校で力を使い果たすと、必然的に家ではダラける
家に帰ってくると、なんだかダラダラして、宿題もやらずにゲームをしている。
身の回りのことも、まったくできていない。
でも、口出しすると反発されるだけで、何の効果もないばかりか、親子関係が悪化してしまってはいませんか?
子どもが、家でダラダラしたり、わがままを言ったり、親にイライラをぶつけたりすること。
それはこういうことなのです。
● 家が安心できる場所だからしていること
● 親との信頼関係ができているから安心して素の自分を出したり、わがままを言えていること
もし、家でダラダラできなかったら、どうなるのか?
それはね、こうなります。
(断言!)
❶ 学校でがんばれなくなる。
❷ 学校で荒れた態度をとり始める。
人間は誰でも24時間がんばり続けることなどできません。
心身ともに、大きな成長期である中学生なら、なおのこと。
家でリラックスしたり、家族にイライラをぶつけたりして気分転換ができなかったら、学校でやるしかなくなります。
それはつまり、「学校でがんばれない子」になるということ。
子どもが反抗することで親に求めている役割とは
それは、「壁」そして「鏡」の役割です。
親が「道しるべ」の役を果たすと、子どもが道に迷わない
多かれ少なかれ、中学生の子どもの心は、このような嵐の中の航海に例えることができます。
雨と風がひどくて、周りの様子が見えなくて、自分がどこにいるのか、自分が行きたい方角がどちらにあるのかもわからなくなってしまいます。
そんな時、「親」が「壁=道しるべ」となって存在していてくれると、嵐の中でも迷わずに進むことができます。
親にぶつかることで自分の気持ちを理解できる
人間って、「まったくのゼロから自分の欲しいものを見つけ出す」ってできないものです。
特に、思春期中学生は、親に「何でもいいから自分のやりたいことを見つけてごらん」と言われても、できなくて、不安定になってしまうことも少なくありません。
親としては、本人の気持ちを尊重しようと願っているのに、逆効果になってしまうのです。
そんな時に、親が「こうなって欲しい」という願いを伝えることで、親の思いと自分の気持ちを比べて、「そうしよう」とか「それは嫌だ」など、自分の気持ちを明確化することができます。
もちろん、「親の願い以外は絶対に許さない!」となってしまうと、子どもが壁に押し潰されてしまうこともあります。
だから、その力加減は必要です。
親という、安心して遠慮なく叩ける壁があるからこそ、子どもは自分の気持ちを確かめたり、壁を乗り越えて進もうとする力を蓄えたりすることができるのですね。
もし、親が壁の役割を果たせなかったらどうなるの?
親が、いろいろな事情から、壁の役を果たせないとき。
子どもは、仕方なく、学校の先生を「親代わり=壁」にします。
家では良い子にしているが、学校では先生に反発して荒れている場合は、親子関係をふりかえってみる必要性がありますよ。
親が果たすもう一つの役割
それは、「鏡」という役割です。
子どもは、親を「鏡」にして、自分にとって受け入れ難いこと、例えば、人間の汚さやずるさ、弱さを、親鏡に映して、一時的に親に肩代わりしてもらいながら、少しずつ、自分の中にも取り入れていけるようになっていくのです。
だから、自分にとって受け入れ難いことは、鏡のせい(親のせい)にするのですね!
そう思って心配になるのも仕方のないこと。
でも、これは一時的なことです。
けれど、この大変な役割を親が果たしてくれるということは、子どもにとって最上のプレゼントなのです。
親にこの役割を果たしてもらえた子どもは、思春期の嵐の後に大〜〜きく成長しますよ!
面倒くさいからといって無視してしまうとどうなるか
子どもに何を言っても反発してくるばかり。
お互いにイライラが増すので、相手にしないで、放っておこうと思います。
急に甘えてくることもある
まとめ
反抗期の中学生が親に望んでいることは
❶ 道しるべになること
❷ 自分を明確化するための壁となること
❸ ネガティヴな気持ちを一時預かりしてくれる鏡になること