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【新刊紹介】HSPのための自分らしい働き方を考える本(みさきじゅり著)

 
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MichikoYoshida
外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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東京・青山の心理カウンセリングルーム「はこにわサロン東京」の吉田(臨床心理士)です。

 

昨年末に出版された『ささいなことに動揺してしまう敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』を読みました。

 

わたしも20代〜30代とキャリアの悩みは尽きなかった人なので、「あの頃のわたしにこの本を読ませてあげたいなぁ!」と思いました。というわけで、本のご紹介なのですか、この本はこんな方にオススメです。

●  キャリアに悩むHSPの方

●  自分らしい働き方を模索している方

 

みさきじゅりさんはこんな方

みさきさんは、現在、東京で「敏感なHSP・エンパスの相談室」を主催するキャリアコンサルタントの方です。

 

国際政治経済学部を出て、東芝やノキア・ジャパンでお仕事をしていらした「バリキャリ」さんです。

 

そう聞くと、優秀で何の悩みもなくキャリアを重ねてきた方のように感じますよね。

 

でも、実はご自分のHSP的な特性に悩み、いつも自信が持てなかったのだといいます。

 

今回この本を手にとって「はじめに」のところでみさきさんのご経歴を読んで、わたしはとても親近感を持ちました。というのも、わたしも20代、30代とても悩んできたからです。

 

ちょっとだけわたしの話をしてしまうと、わたしはまず①自分が何をしたいかわからなくて悩み、②マーケティングに興味を持つと自分にその資格がなくて悩み、③資格を得に通ったビジネススクールを修了する時に自分はビジネス向きではないと感じて悩みました。

 

多くの人とは異なるキャリアだったので、相談できる人もいなくていつもとても苦しかったのです。

 

ですから、あの頃のわたしがみさきさんを知ったら、間違いなく銀座のオフィスを訪ねて行っていたでしょう!

 

という個人的な感慨は少し横に置いておくことにします(失礼しました!)

 

みさきさんは、30代に入って偶然アーロン博士の『ささいなことでもすぐに「動揺」してしまうあなたへ』に出会い、ご自分がHSPなのではないか?と思ったそうです。

 

でも、HSPであることを自分で受け入れられるようになるまでに10年以上かかったといいます。ご自分の「弱さ」を認めるようで怖かったとみさきさんは書かれています。

 

でも、この10年間の葛藤がみさきさんにこの本を書かせたのではないかな〜と吉田は思います。

 

みさきさんは、ご自分と同じ悩み、苦しみを感じている方々に、ご自分の経歴を共有しながら「大丈夫!安心して!自分らしい働き方をしていこう!」と呼びかけているのだと思います。

 

では、わたしがこの本がとても魅力的だと感じたことを3つに分けてご紹介しようと思います。

●  HSPのキャリアの悩みに生きた答えが用意されていること

●  HSPの特徴であるDOESについて丁寧に説明されていてわかりやすいこと

●  HSPが仕事を選ぶ上で大切なポイント(4+1)が紹介されていること

 

●  HSPのキャリアの悩みに生きた答えが用意されていること

この本は、みさきさんご自身の経歴と体験がベースになって書かれています。

 

就職後に社会人としてなんだかうまく振る舞えなくて、自信を失ってしまっていたみさきさん。

 

誰に相談してよいかわからずに、カウンセリングや心療内科にも通ってみたけど、力になってもらえなくて途方に暮れていたときに偶然、アーロン博士の著書に出会い「自分はHSPなんじゃないか?」と感じたけど、納得できるまでに10数年かかったといいます。

 

でも、自己理解に10数年かけただけのことはあるなぁ!と思います。

 

みさきさんは、当事者として発信するのを良しとせず、キャリアコンサルタントの資格に加え、アーロン博士のもとで「HSP専門家認定プログラム」に合格して「HSPに精通したセラピスト」日本人第一号になります。

 

つまり、当事者であると同時に、専門家でもあります。

 

HSPの感じる違和感や葛藤を共有しながらも、専門家としての視点で働き方やキャリアプランに助言してもらうことができるのは本当に心強いことなのではないでしょうか。

 

●  HSPの特徴であるDOESについて丁寧に説明されていてわかりやすいこと

HSPの気質の特徴として、HSP提唱者のアーロン博士は「DOES」を紹介しています。

 

D・・・処理のふかさ

O・・・神経のたかぶりやすさ

E・・・感情反応および共感力の強さ

S・・・ささいなことや、ささいな違いを察知する

みさきじゅりさん訳

 

この「DOES」について、みさきさんは本の中で、概念の説明にとどまらず、どう分析するのかについて説明しています。(「DOES」の活用方法を紹介しているのは、この本が初めてなんじゃないかしら。)

 

この4つの特性が「連動すること」が、HSPらしさの特徴です。ですから、「DOES」を使って自己理解を深めることが、HSPにとってとても大切です。

 

●  HSPが仕事を選ぶ上で大切なポイント(4+1)が紹介されていること

さて、この本の中では、前半にHSPの特徴について説明と助言があり、後半にHSPのキャリアにおいて大切な5つのポイントが紹介されています。少しだけご紹介しますね。

 

(1)環境・・・プライバシーの整え方

HSPは周りの気配を読んでしまう特性があるので、仕事をするときにプライバシーのある環境を持てるかどうかが重要になります。

 

でも、日本では、職場でプライバシーのある環境を持つのはとても難しいと思いませんか?

 

みさきさんは、その困難さをよく理解した上で、自分でできる小さな工夫や、上司や会社を説得する方法を紹介しています。

 

この視点は、HSPかどうかにかかわらず、すべての働く人にとって参考になるのではないでしょうか。

 

(2)適性・・・自分のフィット感を大切にする

みさきさんが挙げる「適性」はとても面白く、「適職診断テスト」的な視点だけでなく、「自分のフィット感」を大切にしているところがユニークです。

 

というのは、HSPには、自分の存在意義や使命感をとても大切に感じる傾向があるからです。ここがブレてしまうと、働いてみてうまくいかないときに迷いが生じてしまうことがあるからです。

 

それから、HSPは親や周りの意見を自分の気持ち以上に尊重してしまうことがあるので、自分自身としっかりと対話して仕事を選んでいくことが大切だと書かれています。

 

(3)人間関係・・・HSP独特の悩みがある

みさきさんは「HSPの人間関係の悩みは独特」といいます。

 

というのは、他人の気持ちを察して引きずられやすい一方で、理想主義なところがあって、これらがいわゆる普通の人間関係の悩みに加わって悶絶してしまうからです。

 

そのため、出来るだけ少ない人間関係を望むHSPに対し、みさきさんは「ていねいで一定の距離感を保てる雰囲気の職場」を選ぶことをお勧めしています。

 

(4)ペース・・・HSPは遅咲き大輪タイプ

みさきさんは、HSPにとって「ペース」への視点がとても大切!とおっしゃいます。というのも、HSPには疲れやすさ(体調管理の難しさ)と独特の学習曲線があるからです。

 

HSP独特の学習曲線というのは、こういうことです。

 

HSPは、環境や人間関係にとても敏感に反応し、とても深く考える傾向がありますよね。

 

これは、特に新しい環境(仕事始めのように)に馴染むことにとても時間がかかることを意味します。

 

普通なら、「まず最初は先輩の言う通りにやってみる」ところを、HSPの場合、そう思ってはいても些細なことに気がついて集中力が散漫になってしまったり、その些細なことを深く考えているうちに仕事に遅れが生じて慌てた結果、のっけから大きなミスをしてしまいがちだというのです。

 

そのため、仕事をなかなかマスターできず、自信を失ってしまうこともあるでしょう。

 

「でも」とみさきさんは言います。「HSPは、仕事を覚えるのは苦手だけど、いったん理解してマスターすると、すごくできる人になれるんです。」

 

HSPは大器晩成型なのですね!

 

(5)長期視点

みさきさんの本では、「環境」「適性」「人間関係」「ペース」の2つの視点に加えて「長期的視点を持つことが大事」と紹介されています。

 

ここでは、まとめて「5つめ」として紹介します。

 

HSPにとってキャリアに長期的な考え方を持つことは、HSPが大器晩成型だからということもありますが、わたしはみさきさんが言わんとしているのはもっと深いと感じました。

 

というのは、みさきさんはこちらにこのように書いておられていて・・・

「こういう”仕事”がいいんだ」と職種にとらわれるよりも、どんな姿勢、取り組み、コンセプトでHSP・HSSの気質を活かすか、と考えて仕事を探したり、仕事を生み出していきたい。

 

HSPにとって、自分自身と対話をして、適性と信念が調和するビジョンを持つこと。

 

十分な準備期間をとって、一歩ずつ歩みを進めることでありたい自分になっていくことが大切だ、と思っておられるのではないか?

 

そして、みさきさんは、誰もがそんなキャリアを実現できることを願って、この本を書かれているのではないかな?と思いました。

 

そういう意味で、わたしは、この本はHSPの方に向けられた専門書だけど、自分らしいキャリアを模索するすべての人にとっても価値のある本なのではないかな、と感じました。

 

まとめと書籍の紹介

みさきじゅりさんの『ささいなことに動揺してしまう敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』をご紹介しました。

 

著者のみさきさんは、ご自身をHSS(刺激追求型のHSP)だとおっしゃっておられます。

 

HSPとしての自己理解をきっかけに、HSP専門のキャリアコンサルタントとして開業し、本を書かれてしまうあたり、まさにHSS的だなぁと思いました!

 

でも、本を読んでみて、ここに来るまでには傷つき、悩みながら、ご自分で深く考え、ビジョンを持ってコツコツと歩いていらしたのだとわかって、ますますファンになってしまったのです。

 

もし、あなたが、HSPで(あるいはHSPでなくても)ご自分らしい働き方を見つけたいと願っていたとしたら、この本を手にとってみることをお勧めしたいと思います。

 

みさきさんがHSPを気づくきっかけとなったアーロン博士の本です。
 

 

当ブログでも、HSPについての記事があります^^

よければ読んでいってくださいね!

 

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外資企業勤務後、心理臨床を志す。臨床心理士の資格取得後は東京・神奈川・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年、東京都港区・青山一丁目に「はこにわサロン東京」を開室。ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析を行っている。日本臨床心理士会、箱庭療法学会所属。
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